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システムに気を取られ、運用の周知がおろそかに

電子カルテの稼働に向けて、各部署でリハーサルが本格化しています。 私自身は、リハーサルの直接的な当事者ではないので、遠巻きに状況を見ながら、その後の反省会でいろいろ述べさせてもらっています。 とはいえ、ハードウェアの準備(と片付け)やら、リハーサル中の司会(?)などで、結構忙しいのです。 リハーサルに参加していると気がつくのが、運用が周知徹底されていないことです。 先日の外来でリハーサルの一コマ…。 診察室で尿検査、血液検査、点滴をオーダーし、看護師は患者役に「では、尿検査から」と。 尿検査をを終えたら検査技師が、「では点滴室でお待ちください」。 しかし、点滴室の前で待っていても、一向に患者役は呼ばれません。 不審に思って調べてみると、点滴の場合は、患者(役)が一度カウンターに受付票を提出する運用になっているのです。ただ点滴室で待っていても、看護師が患者(役)の到着に気づかないのです。でも、確かに検査技師は「お待ちください」としか言っていないので、患者役に非はありません。 これは、システムの仕組みや、操作方法というよりも、単純に「運用の問題」です。 他にも、前回リハーサルで浮き彫りになった課題を、今回までに修正したのですが、修正されたことが伝わっておらず、参加者一同「あれ、なんか前と変わった?」なんてことも。 私は、立場上ほとんどの部署のリハーサルに参加しているのですが、全てのリハーサルで、問題は操作方法よりもむしろ運用の周知がなされていないことにあります。 電子カルテの操作方法については、カルテメーカーさんの主導でスケジュールが決められ、強制的に説明会が行われていくのですが、運用については自主的にやらなけれいけないのです。 「操作説明で運用もイメージできるはず」というツッコミが入りそうですが、ただでさえ操作方法の習得で疲れている中、運用まで考えている余裕がないのでしょう。 とはいえ、毎晩現場のスタッフが遅くまで残って、操作習得や打ち合わせで頑張っているのに、決まった運用が周知されてないがために結果が出せないのは、なんとも歯がゆい思いです。 最近は各部署に「運用のアナウンスも大事ですよ…」と言って回っています。さらに、リハーサルの前日に、修正点が伝わっているか再確認する機会を設けることにしました。

PACSビュワーのグラフィックボード、安いものを試してみました

PACSのグラフィックボートを節約したお話です。 【電子カルテは新規、PACSはリプレース】 このたびの電子カルテ導入と、良くも悪くも、PACSのリプレースの時期が重なってしまいました。 「良くも悪くも…」と書きましたが、「良い」のは、OSの世代の問題や、ちょっとした相性などで、既存のPACSに縛られずに、電子カルテを導入できる点です。「悪い」のは、その分一気にとりかからなければいけないので、プランニングが大変なこと…です。 【相乗り】 電子カルテとPACSは同じPCで動かします。今回のPACSリプレースでは複数のメーカーにプレゼンテーションしてもらいましたが、今や殆どのビューワーがInternetExplorerで動くので、あまり電子カルテの動きに干渉しません。 そんなわけで、ひとつのPCで両方のシステムを動かすわけですが、2つディスプレイを用意し、片方に電子カルテ、もう片方を立てにしてPACSで使用します。 【グラフィックボード】 当院が採用したスタンダートのPCには、ディスプレイのポートが1つしかありません(しかもアナログ)。2つのディスプレイを接続するためには、グラフィックボードが必要になります。 で、このグラフィックボード、PACSのメーカーに見積をお願いしたら、1枚が3万円代後半。あまりPCパーツには詳しくない方ですが、この金額のレンジは結構高級品ではないかと。 自分の感覚では、グラフィックボードの競争のフィールドは主に「3D性能」であって、PACSにはあまり関係ない世界の話なのではないかと考えています。 しかも、調べてみるとこのグラフィックボード、あるメーカーのOEMで、医療用として特別にチューニングされているとは思えません。そのOEM元の製品は市場で2万円程度で出回っていました。 完全に火がついた私は、全く別のメーカーの安価な(6,000円)グラフィックボードを用意し、放射線科の読影医に判断してもらうことにしたのです。 【結論】 第一のコース、PACSメーカー純正品、3万円代後半 第二のコース、OEM元の製品、2万円弱 第三のコース、システム部門の担当者が見つけてきた製品、6,000円 と、3種類の製品が届き、同じPC、同じモニタを3セット並べてみました。 いろいろな人に評価をお願いすると、結構評

参加者多すぎで、初リハーサルは大失敗に

電子カルテ稼働を控え、先日ついにリハーサルを行いました。 当院では、大きく、「外来」、「病棟(入院)」、「透析」の3カテゴリーに分けて企画しています。 それぞれ段階的に、会議室の中で行う「シミュレーション」、現場に出て実際に持ち場についておこなう「リハーサル」、リハーサルの中でも、数をこなすことを目的にしたり、部門間の連携を中心に行ったり、この先びっしりスケジュールが組まれています。 さて、数あるリハーサルの中で、1つ目である「外来」の「会議室シミュレーション」を行いました。 大きな会議室の中で、「受付」、「診察室」、「検査室」…など、各現場を想定したブースを作って行うのですが、さながら文化祭の模擬店のよう。 会議室の中で一同に介して行うのには、「互いの顔が見える」ところに意味があります。 自分の部署のことだけでなく、「自分の部署の操作が、他部署に対してどのように影響するか」、逆に「他部署の操作が自分の部署にはどのように影響するのか」を確認します。 「診察室でオーダーを入力したら、検査室にはどのように見えるのか」、「検査結果を入力したら、診察室ではどのように見えるのか」、「その時、看護師は検査が終わったことをどのように知るのか」など、自分の部署にいるだけではわからないことを学んでいきます。 たぶん…、想定外のケースが発生した時に、仕組みがわかっていれば、ある程度対応できると思うのです。ところが、自分の部署の段取りしか教えられていないと、他部署でどう影響するのかわからないので、行動が止まってしまうと思うのです。 そして、前日から会議室を入念にセッティングして望んだのですが、想定外の大失敗に。 各部門のキーマンだけを集めて行うつもりが、看護部が大勢参加して、診察室のブースがあふれることに。 他の部署のスタッフが全く近づけない状態になってしまったのです。 せっかく時間を割いて(もちろん夜です)集まってくれたのだから、「帰ってください」とも言えず、とりあえず始めてみたのですが…。 そこらかしこで「操作説明会」になってしまい、想定していたケースがまったく消化できず。 後でで聞いたのですが、看護部内では「都合のつく人は見学を」というアナウンスが回っていたそうで。 段取り一つで、こういったイベントの成否が大きく変わるという