PACSビュワーのグラフィックボード、安いものを試してみました

PACSのグラフィックボートを節約したお話です。

【電子カルテは新規、PACSはリプレース】

このたびの電子カルテ導入と、良くも悪くも、PACSのリプレースの時期が重なってしまいました。

「良くも悪くも…」と書きましたが、「良い」のは、OSの世代の問題や、ちょっとした相性などで、既存のPACSに縛られずに、電子カルテを導入できる点です。「悪い」のは、その分一気にとりかからなければいけないので、プランニングが大変なこと…です。

【相乗り】

電子カルテとPACSは同じPCで動かします。今回のPACSリプレースでは複数のメーカーにプレゼンテーションしてもらいましたが、今や殆どのビューワーがInternetExplorerで動くので、あまり電子カルテの動きに干渉しません。
そんなわけで、ひとつのPCで両方のシステムを動かすわけですが、2つディスプレイを用意し、片方に電子カルテ、もう片方を立てにしてPACSで使用します。

【グラフィックボード】

当院が採用したスタンダートのPCには、ディスプレイのポートが1つしかありません(しかもアナログ)。2つのディスプレイを接続するためには、グラフィックボードが必要になります。
で、このグラフィックボード、PACSのメーカーに見積をお願いしたら、1枚が3万円代後半。あまりPCパーツには詳しくない方ですが、この金額のレンジは結構高級品ではないかと。
自分の感覚では、グラフィックボードの競争のフィールドは主に「3D性能」であって、PACSにはあまり関係ない世界の話なのではないかと考えています。
しかも、調べてみるとこのグラフィックボード、あるメーカーのOEMで、医療用として特別にチューニングされているとは思えません。そのOEM元の製品は市場で2万円程度で出回っていました。
完全に火がついた私は、全く別のメーカーの安価な(6,000円)グラフィックボードを用意し、放射線科の読影医に判断してもらうことにしたのです。

【結論】

第一のコース、PACSメーカー純正品、3万円代後半
第二のコース、OEM元の製品、2万円弱
第三のコース、システム部門の担当者が見つけてきた製品、6,000円
と、3種類の製品が届き、同じPC、同じモニタを3セット並べてみました。
いろいろな人に評価をお願いすると、結構評価はバラバラで、しっかりした統計をとっていませんが、どれかの機種に票が集中するということはありませんでした。
いざ本番。読影の先生に来ていただき、評価をお願いすると、開口一番「部屋の照明を少し落として」と。先生によると、「本当に微妙な差ではあるが、第三のコースはコントラストがあまい。ただし、こうして見比べるからわかるだけで、一番安いもので全く問題ない」と。

素人の私が断言するものではありませんが、ハードウェアとしての描画性能以外にも、照明や角度などの「環境」も影響が大きいのかもしれません。

さて、そんなわけで、1枚6,000円のグラフィックボードを注文しました。当院では50機以上のビューワーがあるので、150万円くらい節約したことになります。

コメント

  1. いつも楽しく読ませて頂いております。
    放射線部門の立場より一言
    見え方はモニター精度の問題なので、DICOM対応モニターであれば、ビデオカードは何でもいいと思われます。あえて選ぶとすれば、ファンレスタイプが壊れにくくていいぐらいですね(アフターケアの点)

    >ハードウェアとしての描画性能以外にも、照明や角度などの「環境」も影響が大きいのかもしれません。

    読影室は基本調光ライトをつけて、読影時は部屋の照度を落としますね。当院では、調光してもまだ明るいので、蛍光灯を間引きしていますw

    あと、Dicom非対応モニターとの接続の場合、ビデオカードがATI系であれば、赤の色味が強く、nvidia系であれば、青系の色味が強い印象を受けます。
    好みの問題なので購入時の参考までに・・・

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    1. コメントありがとうございます。

      >ファンレスタイプ
      なるほど!メカニカルな部分が少ない方が…というのは、その通りですね。全く発想がありませんでした。残念ながら当院で採用したものはファンタイプで、次回(ってだいぶ先になると思いますが)絶対ファンレスにします。

      >ATI系であれば、赤の色味が
      なんとなく、本当になんとなくそう思っていました。
      ATIのロゴマークと、基板が赤いから、なんとなくイメージ的にそう思えるのかと、決して人前で口にすることはなかったのですが、急に自信(なんのこっちゃ)がわいてきました。

      IT部門以外の方からご意見いただけるとは、嬉しい限りです。また機会がありましたら、コメントお願いします。

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