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2018年を振り返って

今年も終わりと言うことで、2018年を振り返ってみたいと思います。 今年もいろいろなことがありましたが、特に大きな出来事を3つ。ランキングにして書いてみます。 では第3位から。 サイン改修工事 2018年の前半はかなりこの「サイン改修」に力を注ぎました。 2017年から持ち越しの案件で、春には一段落したのですが、最初に思っていたより、ずっと手間のかかる仕事でした。 取り組んでいた当時は、「各部署の意見調整」と、私自身が慣れない仕事だったのが、この仕事の過酷さの要因だと思っていました。 しかし、少し時間が経って考えてみると、「ほったらかし過ぎた」ことが、根本的な問題だったのであろうと思えてきます。 「ほったらかし」とは…。 医療機関に限らず、ものごとは常に「変化」します。診療科が拡大したり縮小したり、受付の仕方が変わったり、保険制度が変わったり…。 もちろん、日々のことはその場その場で対応しなければなりません。 しかし、「部分最適」の積み重ねが、気づいてみると全体ではチグハグになっているというのはよくあることです。 たからこそ、「全体最適化」がどこかで必要になるのですが、それを長い間怠っていたからこそ、今回の仕事がこれだけたいへんだったのだろうと、改めて思います。 この仕事を通じて、公共の「サイン」のことや、ユニバーサルデザイン、カラーやフォントのことなど多くのことを勉強できました。 それと、現場の職員との距離も、少し近くなったような気がしています。 Webアプリ学習(頓挫していますが) 第2位はコレ。 病院の情報共有のプラットホームがあまりに貧弱で、かといって費用もかけられない、ならば自分でやるか、と一念発起して学習を始めました。 HTMLとSQLはそれまで少しは経験があったのですが、CSSは改めて勉強し直すことで、普段私が担当している当院のWebサイトの修正も、いままで手を出せなかったことができるようになりました。 そして、今なお勉強中で、Webアプリ開発の中心となる、javascriptとPHP。 これらは、初めて勉強する領域なので、本当に苦労しています。 業務で使えるアプリケーションとなると、ユーザーの権限などを管理しなければならず、今のところ、一番の難関です。

カレンダー配りが減少する中、ロールカレンダーはいかがでしょうか

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取引先からいただいた多くのカレンダーを、各部署が「取り合う」毎年この時期の恒例行事。 大きさや絵柄はもちろん、 高齢者が見ても良いように文字が大きい 情報が書き込める 風景写真、花の写真、スポーツの写真… むしろ、絵がない方がいい など、こだわりは様々。 2か月分のカレンダーをうまく切って、途切れないように使うのは、医療機関では「あるある」ですね。 そんなわけで、この時期、カレンダーが集まる倉庫では、連日職員が品定めをしています。 かわいそうなのは用度の職員。古参の職員から「あの会社のカレンダー、キープしておいて」なんて言われて…。 昔から思っているのですが、このカレンダー争奪戦、本当にムダだと思っています。 メーカーさんにとっては、商談の「きっかけ」になるのかもしれませんが…。 カレンダーの吟味に使われる職員の人件費。その金額があったら、買うなり、病院で統一のものを作るなりしたらいいと思います。 「タダでもらえるのだから」という意見が必ず出てきますが、メーカーさんがカレンダーを制作するコストは、我々に対する売り上げから捻出されるわけで、ほんとに、こんな商習慣はやめた方がいいと思います。 カレンダー配りは縮小傾向 一方、ある筋から聞いたのですが、来年2019年(2020年分)から、製薬メーカーさんのカレンダー配りがNGになるのですと。 製薬協の判断なのでしょうか、裏はとっていませんが、多くの筋からこの話を聞きます。 ちょっとした、書類ホルダーやふせんなどもダメになるみたいです。 製薬企業さん以外でも、、医療機器や、診療材料のメーカーさん、ディーラーさんでも年々厳しくなってきているようです。 テレビ放送で見つけたロールカレンダー そんな中、先週だったと思います。テレビ東京の、ワールドビジネスサテライトの「トレンドたまご」のコーナーだっと思うのですが、こんな商品が。 ロールカレンダー2019(MetaMoji) ロールカーテンの仕組みを利用して、表示期間を長くしたり短くしたり自由にできるのです。 これって、医療機関に限らず、数か月先の予約を取りあつかう現場には大変ありがたい機能だと思います。 お値段3,888円(税込み)。 来年は、

前月売り上げ発表の儀式

当院では、月に1回、各部署の所属長が招集される定例会議があります。 その中で、最初に行われるのが、前月の請求点数と病床稼働率の発表。 事務長が一通りの数字を読み上げた後、「前年同月比で〇〇点(円)の増(減)です」と発表されます。 「これについて何か質問があれば…」と問いかけますが、質問が出ることは、少なくともこの会議に私が出るようになってから一度もありません。 単なる「儀式」と化しています。 まあ、経営層ではもう少しシビアな話をしているはず?なので、これでもいいのかもしれませんが、本当にムダな時間だと思っております。 各部署の所属長を集めているということは、かなりの人件費が垂れ流されているわけで…。 まあ、これで経営が成り立っているので、平和ではあるのですが、少し不安になります。 当院に限らず、日本の医療機関は、この先多くの課題が待ち受けているので。

電子カルテとその他部門システムで、仮想サーバーを分ける?

2019年度から始まる、各種システムのサーバー更新に向けて、日々情報収集しております。 当院のような中小病院でも、サーバーの「仮想化」が現実的になってきたということで、目下勉強中です。 ところで、仮想サーバーはシステムそのものが高額になるので、電子カルテをはじめ、できるだけ多くのシステムを統合しメリットを最大化する必要があると思っていたのですが、どうもそうではないらしいです。 これまで、仮想サーバーを構築するベンダーさん、いわゆる「SIer」と呼ばれる会社、数社とお話ししているのですが、みなさん一様に、「カルテシステムとその他の部門システムはサーバーを分けるのが普通です」と。 よくある話ですが、「何かトラブルが発生したときに、電子カルテまで統合してしまうと、問題の切り分けがしにくい」というのが理由のようです。 そう言われると、急に「そんなものか」と影響されてしまう私。 ほんの数ヶ月前に、院長の御前で威勢良く「仮想サーバー化で、ハードウェアを削減します」とぶち上げ、電子カルテもその他のシステムもまるっと仮想化するプレゼンをしてしまったわけですが、今ではすっかり、電子カルテはセパレートして構築する前提でSIerさんと情報交換しております。

NASがトラブル、2年分のデータがなくなる

まず最初に。 この話は、HISの話ではありません。私が使用しているバックヤード系のPCで使用しているNASの話です。 電子カルテのデータがとんでいたら、今ごろ大ニュースになっていますよね…。 月曜、朝から事務所内で多くの職員が、「共有フォルダが開けない」と騒いでいました。 まさか、自分のフォルダも…、と思いアクセスしてみたらフォルダは開けるけど、データが何もない。 周辺の職員のPCを操作してみたところ、どうやらインターネット系に設置しているNASのデータが軒並みアクセスできないらしい。 システム部門に連絡して調査してもらうも、案の定、NASが正常に動作していないとのこと。 「バックアップからデータを復旧しますので、しばらくお待ちください」 とのこと。 まあ、それは仕方ないとして、驚くのはその時間。 月曜の朝から作業を開始して終わったのが火曜の深夜…らしい。 火曜日の夕方。 予定では復旧作業は深夜までかかるということだが、淡い望みでシステム部門に電話してみる。 「まだ作業中です」 そして水曜日。 やっと復旧したということで仕事に取りかかろうとしたら、どうもフォルダの中のデータが古い。 というか、最近作業していたデータが見当たらない。 ファイルの一覧を更新日時でソートしてみると、最も新しい日付で2016年末。 つまり、1年と11ヶ月分…、約2年間のデータが消えてなくなった、ということです。 PCのハードディスクよりも「より安全な」ストレージということで、NASを利用してきたが、まさかのデータ喪失。 立ち直れれる気がしません。

PowerPointの1日でした

ここのところ、「院長のプレゼン資料はベルカンポが作っている」ということが院内で知れ渡っていて、院内の様々な方面から、パワーポイントの質問を受けることが多くなりました。 そして今日、看護部の副部長が、「ちょっと見てほしい」と、USBメモリを手に握りしめ、私のデスクにやってきました。 中学生向けに、看護師の仕事を説明する機会があるので、それに向けてプレゼン資料を作っているが、捜査で行き詰まっているとのこと。 副部長が直々にお越しなったとあっては、応じざるを得ません。 「これを表にしたいんだけど」(副部長) 「なるほど、そんなに時間かからないと思うので、できたらお持ちします」(私) 副部長が去り、本格的に作業を始めようと、ファイルを開いてみたところ、「これをこのまま本番で使わせるわけにはいかない…」と気づき、あわてて副部長に電話。 「あの、フォントがバラバラなんですけど、そろえてもいいでしょうか?」 「センタリングか右寄せか、どちらかにそろえてもいいでしょうか?」 「写真の解像度が…」 「この言葉は中学生に理解しにくいかもしれませんが…」 「タイトルと内容が合っていないように思われるのですが…」 そして、最後の質問。 「で、このプレゼンって、いつですか?」(私) 「あさっての朝、だから明日には完成させとかないと」(副部長) というわけで、今日は全ての仕事をなげうって、パワーポイントの操作をしていたのでした。 まだ終わりませんが。

いよいよ増員か…?

わが経営企画室は、「室」とはいうものの私しか在籍していない、いわゆる「一人部署」です。 なんだかんだで、4年ほどやってきたのですが、いよいよ増員になるかもしれないのです。 事務長のOKは出ていて、求人情報に掲載するための「業務内容」なんかを書き出しているのですが、改めて書き出してみると、ホント、「なんでも屋」だな…と思うわけです。 さて、「増員になる”かもしれない”」と書いたのには理由があります。 私の仕事は、さほど高尚なものではありませんが、かといって、新卒者がすぐに戦力になるものではありません。 技術的な面もそうですが、なにより、企画仕事をやっていく上での、プロジェクト管理や、関係者の調整・折衝などは、ある程度の社会人経験が必要になると思います。 そして、「医療」という特殊なフィールドで立ち回るには、医療業界の知識や独特な文化などを理解しなければなりません。 これらの条件を満たす人材が「一般事務員」の条件で、しかも「地方」で、みつかるとすれば、それはかなり低い確率です。 というわけで、「採用してもいい」とは言われているものの、そんな都合の良い人材がそうそう見つかるわけもない、ということで、「かもしれない」と書いたのです。 たぶん、最初は「全部入り」で募集し、そのうち、一つずつ条件を緩和していくことになるでしょう。 どんな人材が募集してきてくれるか、まさに「期待と不安」です。

新しい看護部長に寄せる期待

来年度、看護部長が交代します。 私がこの病院に転職してきたのが6年前。その時すでに現在の看護部長がいらっしゃいました。 6年前、転職してきたばかりで、電子カルテの導入という大役をまかされたのですが、この病院のカルチャーもわからず苦労したものです。 その時、看護部長だけが、「来たばかりなのに、責任の重い仕事を任されてたいへんねぇ」と、声をかけていただき、「ちゃんと見ててくれる人がいるんだ」と思い、その言葉に勇気づけられてなんとかプロジェクトを乗り切ることができました。 看護部長ほどの要職になると、その交代は影響も大きく、1年ほどかけて準備します。 病院としては、一応、役職者以上のトップシークレット、ということになっているのですが、まあ、これだけ大がかりに準備していると、一般の職員も気づくわけです。 一番わかりやすいのが、次期看護部長の「研修」です。 現場を離れマネージメントを専念するので、未経験の仕事をします。 新しい知識を学ぶため、ということで専門の研修プログラムに参加するので、とにかく病院にいません。 さて、研修中の次期看護部長、今は経営に関するプログラムに参加しているらしく、最近やたらとメールが入ってきます。「あの資料の元ネタは?」、「こういうデータって出せる?」と。 今まで現場でバリバリやっていた人が、いきなりこういう研修に放り込まれて、さぞたいへんな思いをしているだろうと思いきや、たまにお会いして話すと、結構楽しんでやっているようです。 研修では、データに基づいた運営の重要性について教えられて、それがおおいな「気づき」につながっているようです。 経営企画の仕事の一つに、有効なデータを経営に提示することが挙げられます。 私自身はデータを意思決定に活用することは、とても良いことだと思っていますし、どちらかといえば「得意分野」です。 しかし、当院は数字でものを語るのことを避ける風土で、こういった仕事はあまり求められてきませんでした。 次期看護部長と話していると、そんな雰囲気も少し変わりそうな気がします。

電話交換機がヤバい

当院で長らく使用している電話交換機、かなりヤバいらしいです。 ちなみに、私の世代は「ヤバい」を「危険」の意味で使います…。 前回の記事( ITインフラ投資の中長期計画を立案することになりました(2018/10/4) )で書いたのですが、ITインフラを全体で再構築せよ、ということになりました。 一言で「ITインフラ」と言ってもそこにはさまざまのカテゴリーがあるわけで、電子カルテや部門システム、LAN、セキュリティ、ナースコール、グループウェアなどなど、ここ数日はいろいろなベンダーさんとお会いし、情報収集..というか猛勉強中です。 そんな中で出てきた電話交換機の話。 そこそこ古いモノだということはわかっていたのですが…・、お会いするベンダーさんが口を揃えて「電話交換機が一番ヤバい」と。 想像以上に深刻だった電話交換機 もともと、電話交換機を納入したベンダーさんによると、当院の電話交換機は、「20年もの」なのですと。 すでに保守部品の供給も止まっており、もし何かあっても、交換部品が調達できない可能性があるとのこと。 SIerさん、特に電話周りに強いベンダーさんは、みなさん口を揃えて、 「次、なにかの影響で電源が切れたら、起動しないかもしれませんよ」と。 さらに、「電話交換機を入れ替えるとしたら、2~3ヶ月見ておいた方が…」と。 つまり、既存の電話交換機がダウンして、もし復旧しなかったとしたら、2~3ヶ月、電話が使えないということです。 IP電話は見送りか 中長期計画を立案する中で、院内全体を「IP電話」にするということを考えていました。 IP電話とは、ザックリ言うと、電話線でなくインターネットの技術を利用した電話で、当院では「LANを使った電話」といって差し支えないと思います。 IP電話化は高額ですが、それに見合ったメリットがあるのではないかということで、いろいろと勉強しようと思っていたところですが、そんな時間的余裕はなさそうです。

サイボウズLiveの引っ越し先が決まらない

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ここ数年、私の仕事の管理は、サイボウズ社のグループウェア、サイボウズLiveに頼りっきりです。 このサイボウズLive、すでに2019年4月15日でサービスを終了することを発表されています。 サイボウズLiveサービス終了のお知らせ(2017/10/24) もともと、無料のグループウェアだから文句も言えないし、捨てる神あれば拾う神あり、受け皿になるサービスがそのうち見つかるだろうと、あまり心配していませんでした。 ところが、サービス終了までほぼ半年の現在(2018/10/11)、まだ引っ越し先が見つかっていません。 秀逸なTodoリスト サイボウズLiveの魅力は「Todoリスト」、これにつきます。 私の仕事は、プロジェクトものが多く、一つの案件が数ヶ月単位になります。なので、細かく「いついつこれをやる」ということはあまり多くないのです。 例えば、「電子カルテの検査と投薬のデータを集計して、条件に見合う患者さんを抽出する」という案件が出てきたとします。 何をどこまでやったら「完成」か、それは刻々と変化していきます。一定のアウトプットができても、その段階で「もっとこうならないか」という要望がでれば、次のフェーズが始まります。 なので、スケジューラーよりも、案件を管理するための「Todoリスト」の方が、私の仕事には馴染むのです。 サイボウズLiveのTodoリスト Todoリストに、タスクを追加するのは、多くのグループウェアと同じです。 サイボウズLiveのTodoリストの特徴は、1件1件のタスクに「コメント」を追加できることです。 おそらく、この「コメント」機能は、メンバーが意見を言い合ったりすることを想定したものだと察するのですが、私はこれを、「報告」として使っています。 一つのタスクに対し、関係するあらゆることを入力します。 会議の決定事項 取引先との打ち合わせの概要 進捗状況 その他、気づいたことは何でも。 情報共有基盤として タスクを共有しているメンバーは、メールやダッシュボード画面でコメントが確認できるので、状況がどうなっているのか把握することができます。 メンバーの案件管理に リストのソート順がいくつか選べます。 私

ITインフラ投資の中長期計画を立案することになりました

この度、新しい、そして超ヘビーな仕事を担当することになりました。 記事のタイトルの通り、「ITインフラ投資の中長期計画立案」です。 このブログを昔からご覧いただいている方は覚えてくださっているかもしれませんが、もともと私はこの病院のシステム部門で働いていました。 2014年から経営企画室に異動して今に至ります。 システム部門は、私の離脱とともに総務課の傘下に「係」として統合されました。 日頃の保守業務はシステム部門がやっているのですが、今回の仕事は荷が重いということで、私に回ってきたわけです。 停滞していたIT化 私がシステム部門を離れてから、院内のIT化は急激にペースダウンしてしまいました。 院内至るところで、それを感じるのですが、何度も歯がゆい思いを抱きましたが、現在のシステム部門の職員にとって私は「元上司」なので、私が口を出したらやりづらいかと思い、システムのことには触れずにいました。 それに、システム部門を預かっている総務課長、システム部門の「現在の上司」のメンツをつぶすことになります。 しかし、それから数年が経過し、私がシステム部門に在籍していた時代に導入したシステムが、次々と保守の満了をむかえます。一部にはもう保守が終了しているものもあります。 そんな折、事務長から「これってどうなの?」と渡される、見積書の数々。 ベンダーさんから提示された見積書を、システム部門がそのまま上申するので、はたしてこれがベストの選択なのか、事務長も判断に困っているというわけです。 ITは日進月歩、機能改善して便利になっていくのはもちろん、コストも下がっていきます。 なにより、1社の見積で競争もなければ、交渉の余地もありません。 そこで、システム関連の案件が出ると事務長にこっそり「ポイント」を説明していたのです。 そんなわけで、どう考えても今の仕事を抱えたまま取り組むのはきびしいのですが、今さら投げ出すわけにも行かず…、忙しくなりそうです。

当院でも聞こえ始めた「働き方改革」のコトバ

少し前のことになるのですが、当院に労働基準監督署の職員が訪れました。 人事部門の職員がドタバタと対応していました。 それから数ヶ月が経過し、いろいろな会議で人事部門から「働き方改革」として、各部署で残業を減らすように呼びかけが始まりました。 「各部署とも、残業時間を〇〇時間内にするように、ご協力お願いします」 「労基署から強く言われていますので、ぜひ」 と。 どうも、労基署から、特定の部門で残業が常態化していることが問題視され、なにか対策しないとマズい、となったらしいのです。 「働き方改革」という言葉にモヤモヤ ワタクシ、この「働き方改革」という言葉が、どうも腑に落ちません。 短時間で、あるいは都合の良い時間に働いて、同じ利益があげらるなら、最初からそうしているはず。 どうも、単に政治家に利用されているだけのような気がするのですが…。 世の中には、少しの給料でよいので一定の時間で帰りたい人や、バンバン働いてその分稼ぎたい人、いろいろな人がいるはずです。それを単に残業時間というものさしで、規程内に納まっていたらOKで、はみ出していたらNGというのは、なんか腑に落ちません。 バブルの時代に就職した世代だから、そのへんの感覚が少しおかしいのかもしれませんが…。 労働時間が「長い=不幸」、「短い=幸福」なのでしょうか。 たしかに、精神を病んだり、自殺者が出ていることは、放置できない問題ですが、それが残業時間の問題なのかと…。 それを語るなら、時代遅れの労働関係法規を見直す必要があるのでは。 一つの会社に長く勤めること、社会保障の一端を会社が担うこと、適齢期に結婚し女性が家庭に入ること、など、多くの想定が時代にそぐわなくなっています。 自虐ネタですが、医療機関の事務員なんて、残業代を得ることが前提の給与設定ですからね。 で、具体的な方法は? まあ、政治の話はこのブログの求めるところではないので、当院の話に戻ります。 お題は、「残業時間の削減」をどうやって達成するかです。 医療は労働集約型の産業なので、労働時間が減れば、それは収入に影響します。 つまり、収入が減っても良い、と腹をくくることができれば、残業をするほどの仕事を抱え込まなくて

透析室で電子ペーパーの活用

電子カルテベンダーさんのユーザー会でお見かけした、電子ペーパーの活用事例のことを書きます。 透析室の運用の中枢を担うのが、「透析支援システム」です。 「透析支援システム」はその名の通り、透析室の各ベッドで行われる血液透析を管理するもので、本来はコンソール(と呼ばれるベッドサイドにある血液を循環する装置)とは別物なのですが、切り離して考えるのはなかなか難しいのです。 透析支援システムのベンダーロックインと当院の事情 というのも、支援システムとコンソールの間はベンダーごとのプロトコルで通信されるからです。 一応、業界には「標準」のプロトコルもあるのですが、各ベンダーはこれを拡張し、寄り細かな管理ができるようにしているので、透析室の運用方法にもよりますが、少なくても当院では「標準プロトコル」は使い物にならないのです。 つまり、「コンソールがA社なら、支援システムもA社」というように、いわゆる「ベンダーロックイン」が形成されてしまいます。 当院では、透析室が複数あるのですが、〇〇透析室はA社、✕✕透析室はB社と、複数のベンダーが入っており、電子カルテと接続がややこしくなっています。 また、透析室によって操作方法が異なることで、看護師が「異動」ができなくなっています。 そんなわけで、透析支援システムのベンダー統合は重要な課題であり、次のシステム更新では、ぜひとも成し遂げたい課題の一つです。 電子ペーパー活用でベンダーロックインを回避 話はユーザー会に戻ります。 演題発表された病院を仮にK病院とします。 K病院さんでは、それまで使用してきた透析機器ベンダー製純正の支援システムを改め、電子カルテベンダーの支援システムに移行したとのこと。 なぜ、透析機器ベンダー製をやめてカルテベンダー製にしたのか、その点は語られていなかったのですが、思い当たるところはいくつかあります。 コスト削減効果もありますが、電子カルテシステムとの親和性の問題化と推測しています。 さて、透析機器ベンダー純正の支援システムではなくなることにより、コンソールとの間でやりとりできる情報が「標準プロトコル」に限定されます。 これによって使い勝手が損なわれる要素はいくつかあるのですが、そ

カルテベンダーさんのユーザー会に行ってきました

この週末は、大阪で開かれた、カルテベンダーさんのユーザー会に出席してきました。 今回から数回にわたりユーザー会に出席して感じたことを書いてみたいと思います。 毎年ユーザー会に出席して、当院のITに対する理解度の低さを実感し、また、他の病院はどうなのだろう、という疑問を持ちます。 数々の演台発表を聞くと、その発想と技術力には感心するばかりです。 しかし、それと同じことが当院でできるか、と考えると、サッパリ想像がつきません。 例えば、ある病院さんが、手術の予定と進捗をリアルタイムに電子カルテのPCで共有する取り組みを発表されていました。 私は、たいへん良い取り組みだと思います。 当院では、手術に入る医師は、所持するPHSを事務に預ける仕組みになっています。 病棟からPHSに呼び出しがあると、事務が応答して「〇〇先生は手術に入っています」と返します。 病棟:「何時頃終わりますか」 事務:「もう少しだと思います」 なんてやりとりをしているのをよく見かけます。 これって、前述の取り組みで全て解決するのでは、と思います。 手術の予定は必ず入力されているわけだし、手術記録はリアルタイムに生成されるわけだし、このために誰かが新しいことをしなくて良いのです。 というか、今回の演台発表を見るまでもなく、何年も前からそうすれば良いと思っていました。私自身、先生の予定を確認するとき、手術予定の画面を見ますし。 しかし、当院でこれをやろうとすると、「電話で聞いた方が早い」という意見が出てくるのは容易に想像がつきます。 手術予定の画面を開くのが面倒なら、サイネージにしてステーションの中に表示しておけば、と思いますが、費用がもったいない、となるでしょう。 電話を受ける側にも人件費が発生しているし、返答できる情報も不正確。病院全体でみたら生産性が上がらないと思うのですが…。 それを議論することもなく、私も含めこれを立証しようとすることもなく、また今日も、医師から預かったPHSが鳴ります。 まあ、これは長い時間をかけて定着している病院の「風土」といってもいいもので、私太りの働きかけてそう簡単に変わるものではありません。 多くの演台に興味深く聞き入る一方、ふと我に返るとこのもどかしさ。 今回は、その落差が特に強いユーザ

なぜか混同される仮想サーバーとクラウド

明日、電子カルテベンダーさんのユーザー会に出席するため、大阪に行きます。 これを書いてしまうと、もう当院が使っている電子カルテのベンダーさんがわかってしまいますね…。 それはそうと、今日はかるい話題。 現在、私は2019年に控えた、院内の各システムの更新の計画立案に取りかかっています。 いや、「取りかかろうとしている」と言った方が正しいか。 じつは、来年、電子カルテシステムのサーバーが保守切れになり、更新、つまり買い換えなければなりません。 で、いよいよ我々のような中小病院規模でもサーバーの「仮想化」が現実的になってきたと見込んでおり、その調整をしようというわけです。 サーバーを仮想化するなら、各部門システムもできるだけ多く仮想環境に移行したいものです。 で、「サーバの仮想化とは」という話を、各部署に説明して回っているところでして、具体的な計画立案はその先。冒頭に「取りかかろうとしている」と変な表現になったのは、そんなわけなのです。 ところで、サーバー仮想化の話をしていると、なぜか多くの人が「クラウド」と混同されます。 仮想化の説明をしていると、どうも話がかみ合わないので、よくよく聞いてみると「仮想化=クラウド」と勘違いしていることがわかったり。 先日、ある部署から、検査機器メーカーさんとの打ち合わせに呼ばれた時のこと。 「ほら、この間。次のサーバーはクラウドにするって言ってじゃん…、メーカーさんにそのことを話してもらおうと思って…」と。 一言も「クラウド」とは言ってませんが…。 まだ、サーバーの仮想化は決定事項ではありません。検討の結果、従来通りの物理サーバーになる可能性も残っていますが、それにしても…不安だ。

勤怠管理システムのプレゼンに参加しました

先日、人事課より、「ベンダーさんから勤怠管理システムのプレゼンがあるので参加してほしい」と要請を受け参加してきました。 なにせ、プレゼンの当日に声がかかったもので、なにも予備知識なしに参加したのですが、興味深く聞かせてもらいました。 その中で、「やっぱり…」と思ったのが、医師の勤務時間の確認方法です。 医師はタイムカードを使わない 当院では「医師以外」の全職員がタイムカードで勤務時間を記録しています。 では、「医師」はどうしているか...、事務員がチェックしています。 医師が事務員に「出勤したよ」と声をかけるのではなく、事務員が目を配り、気がついたらチェックします。 といっても、事務員が全ての医師が見える場所、あるいは通る場所に配置されているわけではないので、リアルタイムのチェックではありません。 そんなやり方なので、「その日出勤していたかどうか」は、ほぼ合っていると思いますが、「何時に出勤して何時に退勤したのか」は、最初から諦めています。 だからでしょうか、「就業時間になってもあらわれない」、「まだ就業時間が終わっていないのに帰ってしまう」医師もチラホラ。 世間ではこれを「遅刻」「早退」と言いますが、当院では通常どおり勤務した「こと」にして記録しています。 「時間になっても医師が来ない」と、現場から事務に問い合わせが入ることも、月に1~2回見かける「朝の光景」です。 (ただし、そういう医師は少数派です。念のため。) なぜ医師にタイムカードの利用を強制できないのか たかだかタイムカードを打刻する「だけ」のことですが、先生方はそれをしません。 「できない」のか、できるのに「しない」のか、あるいは、先生方に抵抗はないのに事務方が「忖度」しているのか。 私は今の病院で働き始めて6年なので、その前がどうだったのか知らないのですが、おそらく、他の職員がタイムカードを導入した時期、医師は除外されたのだと思います。 「医師はタイムカードに打刻するなんて、面倒なことはしない」 と、最初から諦めて、それが今に至るのでしょう。(あくまで私の推測です) 他の業種の方に言っても理解いただけないかもしれませんが、少なくとも当院ではこれが実状です。 当院のような地方の中小病院にとって、「医師」とはひときわ「稀少」な

ITによる院内の情報共有について考える

組織が大きくなると、統制がとれなくなるものです。 先日、「 フットケアチェックの周期を判定する(2018/7/5) 」という記事を書きました。 内容は記事を参照いただくとして、この案件で特殊だったのはその「スピード感」。 簡単にまとめると、「いつもこの手の案件はこちらが提案してもなかなか動かないのに、今回は現場が主導で、調子が狂う…」という話でした。 なんとか、現場の要望に応えることができたわけですが、その後思わぬトラブルが…。 聞いてない 前述の案件が、さっそく現場で実用化されたのですが、すると、「それは〇〇会議を通して承認されたのか」とはじまり、そのうち「そもそも誰が言い出した案件なのか」と、看護部内で大問題になったとのこと。 この案件を担当していた現場の職員が、どんな調整をしていたのか知りません。 が、私も開発を担当したものとして、もう少し背景を確認しておけば良かったと思いました。 情報伝達にかけるコスト このトラブル、話を聞いていると、どうも単純な「言った言わない」の話ではなく、この案件をオフィシャルにするにはどこで出したら良いのか、が整っていなかったことが原因のようです。 まあ、やれやれ…という感じですが、冒頭にも書いたとおり、組織が大きくなると統制がとれなくなる、つまり情報共有が難しくなってきます。 しかし、現代はこの問題を解消する様々なITツールがあります。 ところが当院ではこういったツールを使いません。 私が考える理由は2つです。 一つは、情報共有にかけるコストに対する考え方です。 他の医療機関の方と話をすると、一定以上の職員をかかていると、たいてい何らかのグループウェアを使っています。 グループウェアはいろいろなものがあり、オンプレならイニシャル、クラウドならランニングで相応の費用が発生します。 しかし、医療機関にとって「お金をかける優先順位」は、まず「医療機器」です。 「情報共有」はお金を稼いでくれません。 個人のこだわりをどこまで許容するか 「メールとかグループウェアとか、そんなもの見ないから、口頭で連絡してくれ」 というコダワリ…といかワガママ。 他の業種だったら考えられないことですが、医療ではこれがまかり通るのです。 特に先生…、

モダンホスピタルショウでリフレッシュ

先週、東京ビッグサイトで開催されたモダンホスピタルショウ2018に行ってきたので、その話を少しだけ。 この「モダンホスピタルショウ」には、毎年時間を作っていくようにしています。 展示ブース周りの他に、いくつかのセミナー(無料のだけですけど)にも参加させていただきます。 その時々の、新しいテクノロジーと、世の中のトレンドを感じることができる良い機会です。 今年は目立ったキーワードは「働き方改革」、次いで「入退院支援」かな…。 「AI」はあまり聞かなくなったように思いますが、気のせいでしょうか…。 モチベーションがリセットされる さて、毎年のことなのですが、ここに来るとモチベーションが「リセット」されます。 ただ「上がる」のではなく、「リセット」。 私は、院内で業務改善をリードしなくてはならない立場ですが、たびたび書いているとおり、当院はどうも新しいことに消極的で、ずっと院内にいると、「引っ張られる」というか、諦めがちになってしまいます。 たまには、こうして外に出て、新しい情報や、セミナーなどで発表される事例に触れると、もっとがんばらねば…とモチベーションが「上がる」わけです。 一方で、ここはあくまでビジネスの場であることも考えなければなりません。 当然、こういう場で紹介される商品やサービスですから、「最先端」なわけであり、本当にそれが当院の身の丈に合っているか冷静にならなければいけません。 雑誌やインターネットなど「整えられた」情報は、よくできているがゆえに、つい引き込まれてしまいます。あたかもそれが「普通」であるかのように錯覚します。 しかし、こういう場で人対人で会話すると、生の情報が得られます。 「それって、どれくらいの導入実績があるんですか?」 「その(導入実績の)うち、当院と同じくらいの規模の病院ってあります?」 いくつか質問していると、明らかに当院が遅れているのか、同じような条件だったらそうでもないのか、そんなことがわかってきます。 良い意味で「クールダウン」できるというわけです。 そして、これも毎年のことですが、開場と同時に入場し、終了まで立ちっぱなし歩きっぱなし。普段はほぼ1日中座って仕事をしているので、本当にキツいです。

フットケアチェックの周期を判定する

7月から本番稼働したのが「フットケアチェックの周期を判定する」というものです。 「フットケア」とは、一般の皆さんからすると、「巻き爪が…」とか、あるいは「美容」近いイメージを抱くかもしれません。 一方、当院は糖尿病や腎臓疾患を抱える患者さんが多く、足先が化膿したり、場合によっては壊死することもあり、この「フットケア」が医療行為としてたいへん重要なのです。 (私はもちろん専門家ではないので、間違っていたらスミマセン) さて、患者さんに対しどんな「フットケア」が必要か、患者さんの足の状態を調べることを当院では「フットチェック」と呼んでいます。 このフットチェック、多くの項目を調べるため、チェックする看護師には相応の負担がかかります。 なので、手当たり次第にやるのではなく、患者さんの状態に応じて、適切な周期で介入するようにしたい、という取り組みです。 いつもと違う 私が手がけるデータ集計案件は、2種類に分けられます。 経営に関する案件 この手の案件は院長や事務長から直接指示が来ます。そして、毎度のことですが、「それはムリ」と言えるような「期限付き」で飛び込んできます。 臨床現場の効率化や精度向上に関する案件 一方、こちらは私の方から提案することがほとんど。 会議などで交わされる情報の中に、「もしかしたらこれはデータを活用すれば解決できるのでは?」と思ったとき。 あるいは、他の病院の方とのお話や、ネットや書籍で見かけた他院さんの取り組みに「なるほど」と感じ、それが当院でも真似できないかと思ったとき。 「こうしたら今の仕事がもっと楽になるのでは」と働きかけますが、それが何をもたらすのか現場の職員の理解を得られず、拒絶されることもしばしば。 アイディアを理解してもらうまでが一苦労というわけです。 今回は、臨床現場の案件だったわけですが、いつもと勝手が違いました。 むしろ現場の方が積極的で…。 必要以上のフットチェックの頻度 私が院内でこの「フットケア」の言葉を耳にするようになったのはここ3年くらい。 フットケアの重要性を早くから認識していた一部の職員は、これを広めるべく努力を重ねた時代がありました。 ところが、ある時期からそれが過剰になり、看護師の負担になっていたのです。 足の状態が悪

電子カルテが音声で操作できれば良いと思うのだが

医療機関で発揮される「音声AI」の真価ーー声で病院の事務作業時間を60%削減する「Notable」が300万ドルの資金調達 (2018/6/12 THE BRIDGE / Takashi Fuke ) 上のリンク先の記事で紹介されているのは、驚くことに、患者さんと医師の音声を読み取って、AIがカルテを記載するというもの。 記事にもあるとおり、最終的には医師が承認するプロセスがあり、その承認率が98%にもなるというのですからさらに驚きです。 今回紹介した記事のように、診療プロセスの効率化など、医療分野にはAIの用途がたくさんあると思います。が、以前にもこのブログで述べたとおり、医療でAI活用が話題になるのは、もっぱら「診断」のことです。 おそらく「ビジネスになるか」、ビジネスになるとすればどれだけの「利益」を生むか企業にとっては重要で、よりビッグビジネスになる可能性を秘めている「AI診断」が話題になるのでしょう。 音声で電子カルテが操作できた良いと思うのだが 数ヶ月前から、私自身、自宅でAIスピーカーのGoogle Homeを使っているのですが、有効な用途を見つけられず今日に至っています。 対応するリモコンなども買って、エアコンやテレビを操作できるようにしてみたものの、何かしようとすると反射的にリモコンを手にしてしまいます。 そんな中、常々思っているのが、「これ診察室で使えないか」ということ。 音声で呼びかけて、電子カルテが操作できたらどうでしょうか。 医師は面倒くさがり 他の医療機関の先生はわかりませんが、とにかく当院では、医師がカルテを操作するのを面倒くさがります。 何かをするたびに、マウスでクリックすることが面倒なのですと。 電子カルテによくある機能の一つが「メモ」です。ベンダーにより「メモ」とか「付箋」とか呼び名は違いますが、カルテを開いたときに「特別なこと」や「忘れてはならないこと」を職員間で共有するために、コメントを表示するものです。 例えばアレルギー情報だったり、他院での受診の予定だったり、「次回受診時〇〇検査」だったり、診療を円滑に進める上で必要な情報が書き込まれます。 しかし、これから診察する医師に関係する情報ばかりではありません。 例えば、保険請求に関

論理的に、決断して、情報をそぎ落とす

以前の記事 で「情報は『多ければ良い』ということではない」ということで、少し意見を述べさせていただきました。 情報が多すぎるとかえって何も伝わらないこと、必要最小限の情報に絞り込むことでデザイン的にも洗練されること、そして情報を絞り込むには合理的に考えること必要であることをお伝えしました。 今日は、いくつかそのエピソードを紹介したいと思います。 ナンバリングしない部屋も 「 配色とナンバリング(2018/5/7) 」の記事にも書いたのですが、今回のサイン改修で、診察室以外の、検査室やリハビリテーション室などにも番号を振りました。 患者さんに、「〇番の検査室の前でお待ちください」と案内する想定です。 当初、外来のフロアにある部屋、全てに番号を割り当てたのですが、番号が多過ぎてマップが見づらいということに。 それで、患者さんが直接行くことがない部屋は省こうと。 「直接行くことがない」とは、職員が同行するような部屋です。 例えば、言語療法室。当院では、リハビリテーション室とは別の場所に言語療法室があるのですが、患者さんはまずリハビリテーション室を訪れ、言語聴覚士と一緒に言語療法室に行きます。 なので、言語療法を受ける患者さんが、言語療法室を「探す」ことはないはずです。 だったらナンバリングも要らないだろう、と。 エレベータ横のフロア案内 エレベータ横の限られたスペース情報を詰め込むのも至難の業です。 当院は、フロアごとの機能はザッとこんな感じです。 3階~:入院病棟 2階:リハビリテーション室、検査室の一部、手術室、薬局など 1階:受付・会計、外来診察室、各検査室、各相談室 例えば1階の「各検査室」。 CT室、MRI室、一般撮影室、採血室、採尿室、超音波検査室、心電図室、眼底検査室…これらを限られたスペースに書き出すことは所詮ムリな話。 そこで考えました。そもそもエレベータの前に立つ人はそのフロアから離れようとしている人。 1階のエレベータの前に立つ人は、検査室には用がない人です。 一方、入院病棟からエレベータに乗る患者さんは、何らかの検査をしに1階に行くことが十分考えられます。しかし、その場合は職員が同行するので、〇〇室がど

郵便物の管理簿がなんとかならないか

医療機関に限らず、組織の規模が大きくなるにつれて、送る方も受ける方も、取り扱う郵便物の量が増えてきます。 そこで問題になるのが、正しく郵便物を送ったのか、受け取ったのか、という情報。 「先週送ったはずの書類が、まだ先方についていないらしい、いつ発送されたのか」 「そろそろ〇〇の案内が来ているはずだが届かない、他の部署に行ってしまったのでは」 なんていうトラブルが起きます。 そこで、郵便物の「発信簿」、「受診簿」を作って、「ちゃんと記録しろ!」ということになります。 医療機関ではだいたい総務部門の仕事ですね。 記録の手間と、検索の手間 当院では、これを手書きでやっているわけです。 たまに「その部屋」の前を通ると、膨大な量の郵便物をさばく光景を目にしますが、 「ホント、毎日よくやるわ~」と思いながら眺めます。 改めて書きますが、「毎日」のことなので、本当にご苦労様です。 そして悲惨なのが、履歴をさかのぼるときに、目視で探すしかないこと。 前述のようなトラブルが発生したときに、せめてExcelなどで管理されていれば、一発で検索できるのですが、とにかく目で追って探すしかない。 代案提示するも反応なし これまで何回か「そのアナログなやり方を捨てないか」と提案したことがあります。 アプローチは2つ。 ①管理簿をExcelに とりあえず、「ノートに手書き」でやっているものを、Excelに置き換えたら、 記録時にオートコンプリートが使える キーワード検索ができる ネットワークで共有できる のメリットがあります。 ②スキャナで読み取る もう一つは、検索はあまり期待できませんが、記録の手間を省こうというもので、とにかく郵便物を撮影して、画像として保存するというもの。 デジカメでデスクの上にアームで固定して、バシバシ撮れば記録する手間が必要ありません。 予算があれば、 PFUのSV600 など、この用途に適したスキャナも出ていますし。 画像だとExcelの用にキーワード検索ができませんが、そこは頻度の問題です。 「あの郵便物は…?」と検索する機会が頻繁にあるのならこの方法は使えませんが、年に数回あるかないかだったら、その時は仕方

情報は「多ければ良い」ということではない

本日も、サイン改修のお話です。 「情報をそぎ落とす」ことは、本当にたいへんな作業でした。 情報量とデザイン性は反比例 「情報が多くなると、デザイン性が損なわれる」、それは感覚的にわかっていました。 身の回りにあるあらゆるものがそうです。 壁一面にメニューの短冊が貼ってある定食屋さん。 シールの台紙とチラシで埋め尽くされた冷蔵庫。 アイコンでビッチリになったPCのデスクトップ。 例えを挙げたらキリがありませんが、たいていの場合、情報を詰め込みすぎると「ダサく」なっていきます。 多すぎるとどれも伝わらない 情報の詰め込み過ぎは、デザインの問題だけでなく、サインの「機能」としても足を引っ張ることになります。 例えば掲示板。今まさに何か伝えたいことがあっても、そこにもともと多くの掲示物があって、掲示物が「増えた」ことに気づかない。 広い場所に1枚の掲示物がポツリとあったらそれだけで「気づく」。 多くの景物があったら気づく前に「読む」「探す」が必要になり、それだけで一つの作業になり、「メンドウ」という心理が働きます。 ダイレクトメールでフォルダがいっぱいになっていると、メールを読むこと自体が嫌になり、やがてフォルダを空けなくなる。 誘導のためのサインも、場所によってふさわしい情報量があります。 担当者のサガ とはいえ、今回のサイン改修を任せられている「担当者(ワタシ)」としては、情報を「削る」作業はヒヤヒヤものです。 情報が多過ぎても「ダサい」「見づらい」で済みますが、情報がない・少ない場合は、「なぜ書いていないのか」と怒られそうで(誰から?)、迷ったらとりあえず「書いておいた方が良い」と考えてしまいます。 外部のスタッフやあるいはデザイナーなら潔く切り捨てられるかもし得ませんが、これが、担当者の、あるいは事務方のメンタリティです。 合理的に考える 最初は、企画会社の方から「これ要りますか?」、「これカットして良いですか?」と聞かれるたびに、「いや~、ちょっと…」、「関係者に聞いてみないと…」と、先方を困らせていました。 しかし、いろいろ話しているうちに、情報を整理する要領がわかってきました。 それは「合理性」です。この場所にこの情報が「なぜ必要なのか」を聞かれ、それに答えるた

配色とナンバリング

サイン改修の企画の中では、当院には今までになかったいくつかの「仕掛け」が提案されました。 ゾーニング その中で、早々に採用されたのが「色によるゾーニング」です。 大きな病院では、フロアごとにイメージカラー割り当てて変化をつけています。 もし患者さんがエレベーターで違うフロアに降りてしまっても、「なんか違う」と気づきます。 当院はそんなに広くないので、フロアごとの差別化はあまり重要ではありません。 その一方、一つのフロアに診察室や検査室が隣接しているので、これを分けるための「ゾーニング」をしました。 診察室が並んでいるエリア一帯を青系、検査室や相談室は緑系、受付や事務を茶色、と言う具合です。 機能別のカラー 「ゾーニング」が一定の範囲で色を使ったのに対し、特定の機能に独自の色を割り当てることもしました。 当院では、フロア内に複数の「カウンター」があります。 迷った患者さんのご案内はもちろん、検査や処方薬の説明をしたり、予約の調整を取ったり、外来フロアの「要所」として活躍しています。 以前から、この「カウンター」を患者さんに案内するのが一苦労、という話が多かったので、思い切ってオレンジにしました。 その他、よく聞かれるのが「売店」、こちらはピンク。 そして、今回各所に配置されたサインの中で、診察室や、検査室という、具体的な部屋名の表示とは別に、「誘導」を目的としたサインがあります。天吊りのサインや、エレベータのフロア案内、マップなどがそれにあたり、これらを「青」で統一しました。 「青を目にするとそこに何らかの案内がある」、「迷ったら青を探す」とようにイメージしてもらえたら、という考えです。 ちなみに、誘導の青と、診察室の青はトーンを変えて差別化しています。 診察室以外もナンバリング 色を使った仕掛けの他に、番号を使った仕掛けも採用しました。 「〇番診察室」というのは、医療機関でよく聞く呼称です。一方で、当院ではこれまで、検査室や相談室にはナンバリングしていませんでした。 例えば診察室で採血をオーダーした場合、患者さんにはその診察室を起点に、右に行って、左に行ってと案内するしかありませんでした。 今回、検査室や相談室

所見の確認漏れ、どうしてますか

近年話題になることが多い、検査所見の見落とし。 慈恵医大病院のケースは記憶に新しいところです。 慈恵医大、がん疑い見逃し新たに5人、検討委(m3.com 2017/7/21) この慈恵医大病院の件は相当のインパクトで、2017年の保健所の立入り検査(毎年定期的に入るものです、ヤバいやつではありません)の時に、 保健所職員が雑談の中で、この件に触れていました。 なぜ見落としが起きるのか 医療関係者ではない方のために、なぜこのようなことが起こるのか、少し書いておきます。 一般の方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、医療の現場には「読影医」という人たちがいます。 その字面から想像つくと思いますが、検査画像を詳しく見ることを専門とする医師です。 今に始まったことではありませんが、医療の現場では専門分野に特化した人材が、それぞれの得意分野を担う、「分業」が進んでいます。 診察室で患者さんとお話しする医師が、必要に応じて検査をオーダーします。放射線科などの検査部門が撮影した画像を読影医がじっくり診て、異常がないか確認します。そして読影医が書いた報告書(レポート)を元に、検査をオーダーした医師は診療を進めていくわけです。 このとき、様々な理由でレポートが診察に活かされないことがある、というわけです。 例えば、診察医が非常勤医師の場合、レポートが返ってきたときには、すでに病院にいない、ということがあります。慈恵医大病院の件はこのケースです。 外来患者さんの場合、「来週結果をお伝えします」といって次の診察の予約を取ったものの、何らの事情で診察に来られなかった、そしてそのままになってしまう、などということも考えられます。 そして「紙」に回帰する 先日、当院でもこの話題になり、放射線科を中心に、どうやって見落としを防ぐかの対策が話し合われました。 私はこの打ち合わせに参加していなかったので、「~ということになりました」と後で聞いたのですが、その方法が「緊急の対応を求めるレポートは、放射線科がプリントアウトして配る」というもの。 配る先は、リーダーナースを通じて担当医師、院長、副院長(2名)の4枚と、これに放射線科保管の1枚。 なにやら、「やっぱり、紙があると目に留まるので忘れない」のだと。 消し込みはどうす

患者さんの視線とサインの高さ

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サイン改修のプロジェクトが始まり、素人の私は、多くのことを企画外社さんから教えていただきました。 その中でも、真っ先に教えられたのがこのことです。 一口にサインといっても様々ですが、まずは、よく見かけるものを設置場所で分けてみます。。 ()の中はGoogleの画像検索のリンクです。 天吊り( 病院 サイン 天吊り ) 突き出し( 病院 サイン 突き出し ) 壁面( 病院 サイン フロア案内 ) ドア( 病院 診察室 ドア ) 卓上( 病院 サイン 卓上 ) 床( 病院 サイン 床 ) 注目してほしいのは「高さ」です。 基本的に、遠くから見ることを前提にしたサインは高い位置に、近くで見るサインは視線と同じか、場合によってはさらに低い位置に設置します。 例えば、まず病院に入ってエントランスから、ザックリと目的地を探す場合は、「天吊り」が有効です。 一方、エレベータの前などは目線の高さに合わせます。 さらに、医療機関に訪れる多くは、ご年配の方です。 高齢になると、どうしても視力・視野ともに低下し、姿勢の変化もあって、高く遠い場所には視線が届きにくくなるのだそうです。 当院では、採用しませんでしたが、床にサインを貼るのも有効であるとのことでした。

掲示物の散乱

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サイン改修のプロジェクトに至った最も大きな要因が「導線の混乱」であることは、前回の記事で書きました。 もう一つ、院長から指示を受けたのが「掲示物の整理」です。 フォーマットがバラバラ 当院では、掲示物は、「掲示したい部署」が制作し、総務課に「掲示許可」を求める仕組みになっています。 問題は、総務課がどのようなチェックをして「掲示許可」を出しているかです。 総務課のチェックは、至って事務的な者で、 記載している情報に間違いがないか 情報として外に出してしまって問題ないものか をチェックしています。 ですから、デザインはもちろん、フォーマットもバラバラ。 サイズや縦横もバラバラです。 部署や委員会の「担当者」が制作するわけで、その人のセンスと、PCを扱うスキルによって、まさに百花繚乱(?)です。 大量の情報に埋もれて、本当に伝えたいことが伝わらない 総務課による「掲示許可」、もう一つ問題があります。 「掲載」にはチェックがかかりますが、「撤去」は誰もコントロールしていないのです。 すると、一つの掲示物が数年にわたって掲示されていて、内容が現在の実務と乖離してしまっているものがあったりします。 また、新しい掲示物が「増える」ばかりで、全体の枚数が膨大になっています。 もう、ところせましと壁が掲示物で埋め尽くされていきます。 こうなってくると、見た目にも美しくないはもちろん、掲示物の「機能」にも問題が出てきます。 重要度・緊急度ともに低い情報に埋もれて、今本当に伝えたいことが埋もれてしまうのです。

増改築による導線の混乱

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かなり前の記事で書いたのですが、当院が今回のサイン改修に至った直接的なきっかけは、院長ががグループの病院のサイン改修を見て影響されたものです。 きっかけこそ、そんな突発的なものでしたが、長年にわたって増改築を繰り返してきた建物は、たしかにひどい導線。 職員は慣れたものですが、患者さんやお見舞いに訪れる方にとっては、迷わず目的地にたどり着くのは至難の業です。 病院とは、建て替えに数ヶ月から年単位で「営業」を止めることができない業種の一つです。 どうしても、既存の施設に「増築」し、機能移転した後に古い建物を壊す、というサイクルになります。 「マスタープラン」などと銘打って長期計画を立てても、医療機関を取り巻く状況は刻々と変わるわけで、本当に難しいと思います。 当院はこの地で数十年にわたり医療を提供しているわけですが、地域の要求に答える形で、どんどん大きくなり、多分に漏れず「一貫性」がありません。 デザインなどはまだよいのですが、実害をもたらしているのが「導線」です。 A棟とB棟がつながっているのは特定のフロアにある「連絡通路」だけ、というのはよくお見かけしますが、当院の場合は、一つの棟の中でもフロアがつながっていない場所があります。 一見すると一つの建物に見えるのですが、実は増築を重ねて今の形があります。 Aブロックの1階にある玄関から入った患者さんの目的地が、Cブロックの2階にあったとします。 Aブロック、Bブロック、Cブロック、それぞれにエレベータはあるのですが、2階ではBブロックがバックヤードになっているため部外者が入れません。ということは、この患者さんにとってのエレベータはCブロックのみということになります。 このように、増改築とともに複雑化した導線、私たち職員は毎日この建物で過ごしているので慣れていますが、はじめて訪れる患者さんやお見舞いの方には、本当にわかりづらく、2階のAブロックやBブロックで行ったり来たりして困っている人を時々見かけます。 これは、患者さんにもストレスですが、職員にとっても負担になります。 呼び止められればご案内に時間を費やす必要があります。 また、迷ったあげく患者さんが予約時間に間に合わなければ、診療が遅れ、その後のスケジュールにも遅れが生じます。 わかりずらい導

病院のサインについて書いていきます

長らく手がけておりました「サイン改修」。 先月末に第1回の施工があり、今月末で全ての工事が終わる予定です。 この「サイン改修」、思っていたよりもハードな仕事でした。 この3ヶ月ほど、体感的にはコレしかやっていないような気さえします。 何がたいへんかというと、皆さんお察しだと思いますが、やはり関係者の意見調整です。 皆さん、普段は何も言わないのに、やはりいろいろとコダワリがあるようで...。 次に、これは自分の問題なのですが、知識不足であること。これは2つの意味があって、 現場の運用 サインとは、また、それを改修することとは の知識がないことです。 なので、現場の人にはあたりまえのことが、的確な判断ができなかったり、「サイン」を構築する上で気をつけなければいけないことがあったり、多少経験があればもっとスムーズにできたのだろうと、思い返します。 最初にも書いたとおり、サイン改修のプロジェクトはまだ終わっていませんが、プランはほぼ確定したので、現在は設置するサインを工場で生産するフェーズに入っています。 なので、プランニングで日々奔走していた段階よりは、少し楽になりました。 というわけで、これから少し集中的に、この「サイン改修」について、経験したこと、学んだことを書いていきたいと思います。 世の「経営企画室」の職員は、あまりこういう仕事はされないかもしれませんが(総務とか施設課の仕事ですかね?)、こういった仕事を手がける方の参考になればと思います。 質問などありましたら、コメント欄に書き込んでください。

透析師長の愚痴

先日、透析部門の看護師長から見学を受け入れたときの話を聞かされました。 具体的なことは書けませんが、当院を訪れたのは関西圏の病院で、やはり当院と同じように透析に力を入れている病院とのこと。 師長によると、特に誰かのツテということもなく、突然見学を申し込まれたとのこと。 たいてい、医療機関に見学に行く場合は、先方の誰かを知っているとか、誰かの紹介とか、なんらかのツテがあるものですが、いきなりとは、よほどその病院さんが熱心なのか、あるいは、当院の名前がそこそこ知られているのか・・・。 さて、遠方から見学に来られた病院さんに、師長は透析室を細かく説明して回ったそうです。 すると、見学した病院さん、逆の意味でずいぶんと驚かれたそうです。 それは、当院の透析室があまりにも「古い」ということ。 しかも、ハードウェアとしての古さだけでなく、どうも「やり方」も時代遅れだと指摘されたのだそうです。 私には詳細はわかりませんが、師長の話によると、「人力に頼りすぎ」と指摘されたらしいです。 「こんなんだったら、〇〇透析室(複数ある施設のうち古いもの)は見せなければ良かった・・・」とこぼす師長。 私は透析室の運用についての知識はありません。当院のやり方がどうなっているのか、そして世の透析施設の中でどのくらいの位置づけなのか...。 しかし、なんとなくそんな感じ...たぶん組織が硬直しているのではないかと思っていました。 それは、透析部門の職員と話していると感じます。 上意下達の古い組織 合理性よりも慣習が優先 主体性のなさ 会議でよく聞かれるのが、「それは現場で受け入れられないと思う」という意見。 どうも、プロセスやルールを一部変更しようとすると、現場の職員からの反発がスゴくて、その現場のリーダーでさえもコントロールできないのだと。 「上意下達」と書いた一方で、「指示に応じない職員」とは、一見矛盾しているようですが、それらがバランス悪く存在しているのも事実。 こういった組織、私が新人の頃(20年以上前)は、医療の現場といえばそんなものでした。 この病院に転職したのは約5年間ですが、その時に感じた違和感は、やはり間違っていなかったのだと思いました。 さて、前述の師長、かなりガッカリさ

PHPの勉強中・・・、独学でどこまで行けるか

今日は日曜出勤でした。 ここのところ手がけている病院の「サイン改修」のプロジェクトの、今日は第一期工事というこで、一応責任者として出勤していたわけです。 といっても、何か施工業者さんが判断に困るようなことがなければ、私の出番はほとんどないわけで、1時間をおきくらいに現場を回っているだけです。 で、こんな日は、プログラムの勉強に持ってこい、というこで、午後はほとんど勉強に費やしました。 最近は主に「PHP」という言語を勉強しています。 単純な閲覧用のページだけではなくて、データベースとやりとりしたり、アクセス制限をきめ細かくしたいので、これまでやってきた技術だけではどうしても足りなくて、いよいよPHPにまで手を出し始めたというわけです。 (PHPがどんなものかは、その筋のサイトで調べてください。正直、説明する自信がないです) HTMLやCSS、Jquery、Bootstrapなどは順調に習得してきました。SQLはもともと仕事で使っていたのでまったく勉強していません。 ところが、PHPになって途端にハードルが上がりました。 Webサーバーとのやりとりをすることが前提なので、どうしても処理が複雑になってきます。 これまで、さまざまな教材や書籍を試していますが、サーバーを含めた「環境」がピッタリ私と同じではないので、さまざまな解説を自分の環境に置き換えて解釈しなければなりません。 基礎からしっかりやっていれば理解できるのかもしれないのですが、どうしても早く結果を出したくてサンプルを試してみたくなってしまいます。すると、エラーがバンバン出ます。 今日も5時間ほどやりましたが、ほとんど進展なし。というか、この書籍で書かれていることは、私の環境では「達成できない」とうことが5時間かけてやっとわかりました。 先は長い・・・。

PACSのデータの二次利用は八方塞がり

医療機関のシステム担当者、データ集計担当者が集まると、よく聞かれるのが、 「PACSのデータは使い物にならない」 という話。 検査データや投薬データはデータベースとして各項目が独立しているので、簡単に集計できるのですが、PACSはそれができないということです。 PACSは、たいてい画像を管理するPACS本体と、検査に対する所見を記載する「レポートシステム」で構成されています。 この、レポート部分のデータが項目別に入力されていたら、本当に有益なデータとして活用できると思うのですが、少なくとも当院が使用しているしすてむはそうではありません。 テキストをダラダラ入力しているだけなので、「人間が読む」で終わり。 テキスト検索の可能性 そんな中、院内のあるチームに呼ばれ、PACSのレポートデータの活用について意見を求められました。 レポートに書かれているデータが、規則的なレイアウトで入力されていたら、そこからデータを生成できないか? とのこと。 具体的には、心エコーのレポートからEF値を抜き出して、それで患者の循環器疾患のリスクをランク付けできないか、というものです。 レポートは、基本的にテキストで書かれているのですが、 ~ SV:○○ml EF:○○% CO:〇〇L/min ~ となっているので、Excelの「LEFT関数」や「RIGHT関数」の容量で、「EF:」を含む前半を切り落とし、その後%以降を切り落とせば、EF値が生成できるのではないかと。 じつは、このアイディア、私も以前から考えていたのですが、問題は、レポートシステムのベンダーが応じてくれるかどうか。 やはりNGでした 当院はPACSの純正のレポートシステムを使用しています。 というわけで、PACSベンダーさんにレポートデータ出力を相談しました。 方法は2通り。 データ出力の機能を搭載できるか データベースの閲覧権限を付与してもらう  「1」は、多くのアプリケーションに搭載されている「データ出力機能」のようなもの。 csv形式やExcel形式にデータを出力するというモノを想定していました。 そして、数日後ベンダーさんから回答は、 「特注になるので、100万くらいで…」 勝手に「標準で搭載してい

提案するときは3案用意する

昨年からかかっている、病院内の「サイン改修」。 なかなかプランがまとまりません。 私の進め方が悪いせいもあるのですが、ここに来て気づくのは、企画会社さんとのやりとりが非効率であること。 なぜ「非効率」なのか。 企画会社さんとのやりとりは、企画会社さんからの案に、こちらで「こういう感じじゃなくて」と修正依頼、修正された案に、また「もっとこういう感じで」と言った具合。 思い起こせば、これまでのこういった仕事では、企画会社さんから複数の案が出てきていました。 この手の仕事の難しいところは、やはり「コミュニケーション」です。 依頼側は、プロがどんなノウハウを持っているのかわからない。 受ける側は、現場の事情がわからない。 そこで、お互いの意見を交換し調整していくわけですが、その際、なんらかの「たたき台」は必要になるわけで…、そのたたき台が1つしかないのと、3つ4つあるのでは、明らかに理解のスピードが異なります。 恥ずかしながら、少し前までは、複数案出すことは、選択する側の満足度を高めるためのテクニックだと思っていました。 今回の仕事を通して、複数案用意することは、その時は提案する側にとって負担になりますが、結果的にそれが早く仕事を進めることになるのだと思ったところです。 この教訓は、今後の自分が提案する側にまわった場合に活かしたいと思います。

システム関連業務に復帰の気配

このブログは、今でこそ「中規模病院の経営企画室のブログ」としていますが、開設した頃は、「中規模病院のシステム管理者のブログ」でした。 電子カルテ導入をめぐるドタバタを書き始めたのが2012年。その後、2015年には経営企画室を立ち上げることになり、システム部門を抜けました。 その頃にブログのタイトルも「経営企画室の~」に変更したのです。 そんな中、2018年が明けて早々、事務長から呼び出され、 「少し、システム関係の仕事もみてほしいんだけど」 と。 経緯はこうです。 私がシステム部門から抜けても、システム関係の仕事は日々発生します。 私以外の残ったメンバーは、総務課の傘下に入り、システムの仕事を継続していたわけです。 ところが、残ったメンバーのパフォーマンスが上がらず、間もなくして院内の各所で批判の声が聞こえ始めます。その上司になった総務課長はITに詳しいわけではないので、メンバーは放置状態。 ITの可能性に気がつき始めた現場からの要求は、どんどんレベルが高くなってくるので、システム部門とのギャップは開くばかり。 そして、今年から来年に書けて、2012年に導入したシステム群が、一気に更新を迎えます。多くの職員が、さすがにこの体制で臨むのは無理、と思っていたわけです。 いよいよこの問題に院長までもが言及しはじめ、どうも、上層部では私が再びシステム部門を担当すれば良い、という話が出ているのだそうです。 はた目から見て、システム部門の仕事が衰退していることは、よくわかっていました。 なので、力になりたい気持ちはあるのですが、今の仕事量を抱えながらシステム部門の仕事をこなすのはさすがに厳しいものがあります。 事務長から「人を採用しても良いから」と言われているのですが、それもなかなか難しく…。 まあ、サラリーマンである以上、こうなったらもう拒否権なんてものはないわけで…。 ならば、なんとか少しでも良い体制を構築して臨みたいところです。