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2016年を振り返る

今日で仕事納めということで、1月に宣言した目標がどの程度達成できたか振り返りたいと思います。 今年の初めに立てた目標は二つ。 院外に発信すべき情報の流れを整理する 院内にデータ活用の意義を伝える ちなみに昨年のブログはこちら 今年もよろしくお願いします-今年の目標(2016/1/4) 院外に発信すべき情報の流れを整理する 達成率 10% ほぼ進展なしです。 当院には、情報発信のチャネルとして、掲示物、サイネージ、Web、紙面広告などいくつかあります。 問題はこれらのチャネルにどのような情報を出す(出してはいけない)かを統括する仕組みがないことです。 なんとかこの状態を整理しようと、目標を掲げたのですが、1年経過した今、ほとんど状況は変わっていません。 唯一進展したのは、サイネージに掲載するコンテンツ制作の窓口統一できたこと。 今まで、システム部門と経営企画室(私)の2つの窓口になっていたのですが、経営企画室で一元管理することになりました。 成果はこれだけ。 なぜ進展しなかったのか…、他人のせいにするようでツライのですが、あえて書くなら、上層部が問題に感じていないから…、でしょうか? たしかに、都心の医療機関と違い、あまり競争もないので、広報にあまり力を入れる必要もないのでしょうが、それでも、情報発信はしているわけで、どうせやるなら効果をもっと発揮できるようにすれば良いと思うのですが…。 いろいろ提案するのですが、「〇〇が良ければいいけど…」などと言われ、たらい回しになり、そのうち何も決定せずに、いつの間にか停滞するという、なんとも不思議な感じ。 院内にデータ活用の意義を伝える 達成率 80% こちらは広報関連に比べ、積極的に動きました。 達成率の説明とともに、今年の活動を振り返りたいと思います。 年始めのブログでは「データを業務に活かす文化を築く」などと大風呂敷を広げましたが、とりあえず、今年はデータ活用の意義を、広く院内で伝えることができれば、良いかな…と思っていました。 最初は本当に苦戦しました。 理論をいくら説明してもわかってもらえない…、そこで、とにかく「やれることからやってみよう」と作戦変更。 とはいえ、私には現場が

接遇向上のセミナーがあります。でも、それ以前に改善が必要なことが…

こぼれたコーヒー 先日、プライベートで近くのショッピングセンターのカフェに行った時のことです。 そのショッピングセンターにはいくつかのカフェが入っており、私はその中から「カフェ・ド・クリエ」に入店しました。 恥ずかしながら、私はカフェと言えば、ドトール、スタバ、タリーズくらいしか行ったことがなく、カフェ・ド・クリエは初めてでした。 なぜ、選んだかというと、店頭に立っていた看板のサンドウィッチがなんともおいしそうだったことと、他のカフェより「すいていたから」。 さて、サンドウィッチは調理時間がかかるということで、コーヒーだけ受け取り、特に席の種類にこだわりがなかったので、視界に入った二人がけのテーブルに腰掛けようとしました。 その時です。コーヒーのトレーを置いたテーブルがグラッと動き、中身のコーヒーがカップから溢れてしまいました。トレーやテーブルの上にガッツリこぼれるほどではなかったのですが、カップの下のソーサーになみなみとコーヒーが溜まってしまいました。 よく見ると、テーブルの4つの脚(脚は1本で、下で「✕」上になっていて、床との接点が4箇所)のうち1つが、浮いているのです。 テーブルの脚の調整が悪いのか、それとも床がデコボコなのかわかりませんが、とにかく結構なぐらつきです。 ソーサーから持ち上げたカップのおしりを紙ナプキンで拭きました。 カップはソーサに戻さず、トレーの上に置いて、慎重にテーブルに腰掛けました。 しばらく、店員さんにこのことを伝えようか悩みました。 たかだかコーヒーがこぼれたくらいです。 少しだけ、「次にこの席に座った人が同じ思いをしたら…」と思い、このことを伝えてあげた方がいいかとも思いましたが、結局、会話をするのがわずらわしくて、私から何かを言うことはありませんでした。 その後、サンドウィッチを持ってきた店員さん。 なみなみとコーヒーが溜まったソーサーは、店員さんの視界に入ったと思われます。 ソーサーの隣にサンドウィッチを置いたのだから。 店員さんが何かを思ったか、いや何も思わなかったかもしれませんが、これについて特に会話することもなく…。 私は何事もなくサンドウィッチを食べてお店を後にしたのでした。 接遇向上のセミナー開催に思う 日本では、患者様には医療機関を選択する

医療機関のサーバー仮想化は時代の流れなのか

先日、医療機関のシステム管理者が集まる私的な研究会に参加した時のことです。 いくつかの興味深いテーマについて、プレゼンあり、意見交換ありの、たいへん有意義な会でした。 その中で、システムのリプレースについて話し合われた時のことです。 テーマは「ベンダーロックに、いかに対応するか」です。 ベンダーロックとは、既存のシステム、あるいは、すでに導入が決定しているシステムのベンダーにより、ユーザー側の自由度がなくなってしまうことを言います。 例えば、一定期間使っていたシステムを、他ベンダーに移行しようとした場合、データ移行の協力を既存ベンダーに申し出ると、法外な費用を提示された、なんてことは、システムに関わる人なら一度や二度経験しているのではないでしょうか。 そんな「ベンダー主導」にならないように、我々医療機関側はどんな対策ができるか、ということで意見が交わされました。 その中で気になったのが、大病院ではサーバーの仮想化が前提で話をされていることです。 「システムインテグレーターに、Hiper-Vの採用を打診したら、VMwareでなければダメだって断られた」 「各部門システムが、(仮想サーバー環境下での)自社の割り当てリソースに、法外な値を要求してくる」 「(仮想サーバー環境下での)動作検証費用が膨らんで予算を圧迫する」 などなど、こんな会話が、普通に交わされています。 もう、「(従来の)物理サーバーか、仮想サーバーか、」という話は、そこにはありませんでした。 これらの話は、いずれも大病院、ベッド数で言えば、最も少ない病院でも400床くらいだったと思います。 もちろん、当院はそこまでの規模ではありません。 しかし、レセコン(古い?)にせよ、オーダリングにせよ、電子カルテにせよ、大病院が導入し、その後中小病院にも普及していった歴史があります。 当院のような中小病院でもサーバーを仮想化するのは、時間の問題なのかもしれません。 実際に扱ったことがないからわかりませんが、サーバーの仮想化と言えば、これを使いこなすにはそれまでとは異なるスキルが求められることでしょう。 逆に、仮想化をシステムベンダーに丸投げしてしまうようでは、それこそコストだけが膨らんでしまうのでしょう。 あと何年後になるかわかりません

年末に向けて予算申請の準備が本格化、DWHは予算化できるのか?

当院では、来年度の予算立案に向けて、各部署が12月までに、必要な備品や設備などについて申請するルールになっています。 過去記事 「HIS系システムの中長期計画を立てることになりました」(2016/5/17) で書いたとおり、私は、各システムのリプレースのとりまとめをする仕事があり、各部署とメーカーさんからの情報収集、そして院長・事務長への説明に追われる日々です。 なんといっても、来年度2017年は、当院が電子カルテを導入した2012年から数え丸5年を経過します。 5年と言えば、システム見直しの一つの目安であり、特にサーバー関係の保守契約が満了することで、一部・あるいは全部のリプレースを迫られます。 各部署とメーカさんへの一次ヒアリングは終了しており、今のところ一部の部門システムを除いては、大きく動くことはなさそうです。 そして今、悩みに悩んでいるのが、他でもない、私が使用するDWH/BIツールの購入を申請するかどうか。 なんだかんだで、1年がかりで温めている案件。 話が出た当時は少し盛り上がったのですが、なんとなく院長に話すには自信がなく、時間ばかりが経過してしまいました。 最近、データ分析のオファーが殺到しており、かなり活気づいてはいるのですが、「導入費用の元が取れるのか?」と突っ込まれると、そこまでの材料は持ち合わせていません。 予算申請まで1ヶ月少々、データ活用の実績を積み上げ、なんとか来年度予算にねじ込みたい…。

情報の収集と拡散、私が目指す経営企画室

先日、あるダイレクトメールに目がとまりました。 「ESA製剤適正化ソフト」なるものです。 当院は大規模な透析施設を運営しております。血液透析は当院の収益構造の柱の一つと言えます。 血液透析の中である種の薬品、「ESA製剤」を使って透析患者さまの状態をコントロールするのですが、このESA製剤、たいへん高価なのです。 高価な一方、種類が豊富にあり、患者様の状態に合わせ適切なものを使用すれば良いのですが、過剰に投与することは本来病院が得られる収益を圧迫することになります。 それを解決するのが、この「ESA製剤適正化ソフト」ということです。 当院ではどうなっているのか、情報がバラバラ 当院では、長いこと血液透析に取り組んでいるので、当然このような取り組み(ESA製剤の適正化)は行われているのだろうと思いますが、念のため、現場に確認することにしました。 すると、「もちろんやっている」、「昔はやっていたけど今はやっていない」、「いや、仕組みはあるけど普及していないだけ」と、もう聞く人(部署)によってバラバラ。 「やっている」派の人も全ての人が同じ見解ではなく、「あの部署がやっている」という「部署」が違ったり、使っているデータの出どこが違ったり、これまたバラバラ。 こんな疑念が湧いてきます。 本当はESA製剤の投与量が正しくコントロールされていないのではないか されていたとしても、複数の部署で同じような仕事をしているのではないか いずれにしても「残念」なことです。 この件は、今後しっかりと調査しようと考えています。 バーコードがある同意書、ない同意書 もうひとつ、「残念」な事例を。 紙の同意書をスキャンして保存することは、今や珍しいことではなく、当院でも4年前(2012年)の電子カルテ導入と同時に取り組んでいます。 先日、人事異動で、医事課の職員が健診部門に移ってきた時のこと。 「健診の同意書って、こんなに面倒なんですか?」と。 通常、同意書には全てバーコードが印刷されており、複数の同意書をまとめてスキャナにかけても、患者別フォルダ別に自動的に仕分けされます。 ところが、健診で発行している同意書にはバーコードが設定されておらず、一人ずつ患者様のカル

SkypeでMicrosoftアカウントでサインインできなくなり復旧に丸二日

今日は、Microsoftへの不満を少々。 私の近くのある事務系の部署で、部署内の連絡手段としてSkypeを使い始めました。 院内の連絡手段にSkypeを使うことについては、いろいろご意見あろうかと思いますが、ソレはまた別の機会に。 さて、その部署で数名がSkypeを使い始めてから数日、数名から、「なんか、サインインできなくなったんですけど…」ということで問い合わせ。 院内でオフィシャルに導入したものではなく、その部署が自己責任で使い始めたので、私がフォローすべき案件ではありません。 が、とにかくITリテラシーの低い当院で、こういったITツールを利用して仕事を効率使用とする取り組みには大賛成なので、面倒見て差し上げることにしました。 今日は、その中でいくつか思ったことを書いておきます。 IDの不正使用って、こんなにも身近なのか その部署では、部署内のちょっとした連絡・周知にSkype使おうということで、部署の職員全員がMicrosoftアカウントを取得しました。 音声やテレビ電話は想定してなく、あくまでIM(インスタントメッセージ)のみ。 はじめて、部署内でメッセージが一斉に配信されると「おおー!」と声が上がり、そんな彼らをほほえましてく見ていました。 それから1週間は経過していなかったと思いますが、そのうち3人が「Skypeにサインインできなくなった」と。 「パスワードが間違っているのでは…」と軽く考えていたのですが、どうもそうではないらしい。 画面の指示に従って、アカウントの復旧を進めようとすると、正確な文言は覚えていないのですが、とにかく「このアカウントから、複数のメールが大量に発信された可能性がある」とのこと。 つまり、アカウントが不正に使われているのではないか、とのことで一時的に停止されているとのこと。 先にも書いたとおり、アカウント取得してからまだ数日で…、こんなことってあるのでしょうか。 2段階認証を設定したらあっさり復旧 停止しているアカウントを復旧するには、いくつかの手段があると思うのですが、とにかく、「2段階認証が手っ取り早い」と言わんばかりの案内。 登録した携帯電話に認証用のコードを送って、これを入力することで、利用者の特定をより確実なものしようと

SQL Server + Excel VBAにハマっています

この1週間ほど、プログラミングにハマっておりました。 Excelから電子カルテのデータベース(SQL Server)に、ADODBで接続してデータを抽出するやり方は、半年ほど前に成功したのですが、それからというものデータ活用の可能性が飛躍的に広がりました。 電子カルテには多くの集計表がプリセットされているのですが、医療機関によって事情が違ったり、見たいところが違ったりするのでしょう、やはり、重要な資料は自分で作成することになります。 そんな中、私の数少ない問題解決の引き出しの中でも、この「SQL Server + Excel VBA」は、今では最も多用する手法になっております。 SQLでザックリ集計し、VBAで整える 複数のテーブルを結合してデータを構成するのは、リレーショナルデータベースであるSQLにお任せです。 以前は、Accessを使っていましたが、SQL Serverでクエリーを実行するようになって実感するのが、「圧倒的なスピード」です。 そして取得してきたデータを、エンドユーザーである院長・事務長、あるいは現場の職員が見やすい形に整えるのは、Excelの仕事です。 電子カルテメーカーが用意している集計表は、「色気がない」というか、見やすいかどうかは別にして、とりあえず必要な要素を並べました…みたいな。 例えば一定のしきい値を超えていたら、フォントの色を変えるとか、桁数の多い数字を「〇千円」単位にするとか、そういう気配りをすることによって、資料を見る人の負担を軽くできると思うのです。 そしてハマる この「ハマる」という言葉、2つの意味があります。 一つは、文字通りというか、「集中してしまう」ということです。 このブログで何度か書いていますが、私はIT業界の経験はなく、プログラミングなどとは縁のない人生でした。 ところが、SQLとVBAを勉強してから、より良い統計資料を作ろうと奮闘しているのですが、そこで気がついたのが、プログラミングをしている時って、本当に「集中」してしまうのです。 なんか、気がついたら何時間も経ってた…、みたいな。 ふと我に返ると、タスクリストにある他の仕事にまったく手がついていないという…。 そしてもう一つハマっているのが、周りの人に、この「

標的型メール対策には訓練しかないらしい

日常的に見かけるようになった標的型メール 私の周辺でもあたりまえのように見かけるようになった標的型メール。 当院で多いのは、採用人事の問い合わせ用のメールアドレスに、それらしく装ったメールが入ってくるケース。 以前はWebサイトに直接メールアドレスを記載していたので、それが原因だと思います。 不審なメールが入るようになって、問い合わせはすべて専用フォームで受けるように変更、受信用のメールアドレスを非公開にしたのがかれこれ1年ほど前。 それでもこうしたメールが入ってくるのは止まず、むしろ頻度が増えているように感じます。 フィルタリングはできないのか 当院のメールは至ってシンプル、ホスティングサービスのメールサーバーに、メールクライアントはOutlookです。 ところで、あまり大きな声では言えないのですが、私はメールクライアントにGoogleのGmailを使っているのです。 前の職場でOutlookからGmailに乗り換えて、その後今の職場に転職した時に再びOutlookを使ってみると、その不便さに愕然としたものです。 そんなわけで、当時、(元)システム管理者の特権を利用(乱用?)し、自分だけGmailを使い始めてしまったのです。 その後、私の周辺の職員が、「俺もソレ(Gmail)、使ってみたい」と、一人、二人とGamilユーザーが増えてきております。 じつは、このGmailユーザーから、標的型メールを含む、いわゆる迷惑メールの報告が一切入っていません。 それは、強力な「フィルタ機能」によるものだと思われます。 そんなわけで、私自身はこの「標的型メール」にまったく困っていないのです。 さて、それなら全職員にGmailを使わせるかというと、やはり無償のクラウドサービスということで、それはそれで問題でしょう。 なにより、メールのセキュリティ対策は、本来私の仕事ではなく、私が元いた、システム部門の仕事です。 標的型メールには職員教育しかない? そんな中、最近よく聞くのが、標的型メールにだまされないための職員教育のお話しです。 つい先日も、大手ITベンダーさんから、「標的型メール対策の職員教育を商品化しましたのでいかがでしょうか」

日経ソフトウェア11月号、どうやってWebアプリ開発をしたら良いか迷っている人にオススメ

経営企画部門にはいろいろな仕事がありますが、その中でも、一応、本業とも言えるのが「データ分析」の仕事です。 データ分析の仕事をしていると、これをなんとか院内で公開して(もちろん、公開していいものだけ)、広く病院の、また、職員の皆さんの役に立てられれば~、という思いに駆られます。 DWHやBIツールを導入したいものですが、なかなか予算が下りないのは、このブログで何度か書いているとおりです。 ならば、「なんとかお金をかけない方法で…」と、いろいろ検討している中、私が信頼している、SEさんから、「Webアプリを独学で作ってみれば…」などという、悪魔のささやき。 動的なWebサイトを作りたい 実際に、そのSEさんが制作したアプリを見せていただくと、いわゆる「動的」な仕掛けによって、情報がとても見やすくなります。 HTMLで表を作るくらいのことは私でもできます。 ただ、どんな人がどんな目的で見るのか、それによって表の作り方は違ってきます。 例えば外来受診した患者数。ある人は、直近1ヶ月が見られればいい、しかし別の人は1年間で見たい。 1ヶ月を欲している人に、1年のデータを提供するのは…。 一方、1年のデータを見たい人は、月ごとに集計しておいた方がいいでしょう。逆に、1ヶ月のデータを見たい人は、日々のデータの変動が見たいのかもしれません。 これを、プログラムなしの「静的」なページで見せるには、それだけたくさんの種類の表を用意しなければなりません。 こと「データ」を扱うなら、やはりプログラムを仕込んだ「動的」なページがやはり効果的です。 とりあえず勉強してみよう SEさんに言われて以来、ずっと私の中で「Webプログラミング」に対する興味が膨らみ、そして今の私の心境は…。 「とりあえず内緒で勉強して、ダメだったらなにもなかったことにしよう!」 という、退路をしっかり確保した、なんとも弱気な「決心」。 カッコよく、「病院として費用をかけられないのなら、私が開発しましょう!」と言えればいいのですが、ハッキリ言って、ぜんぜん自信ありません。 というわけで、Webプログラミンはあくまで個人的に勉強します。 そして、そんな私の取り組

災害時の職員の安否確認はLINEで?

少し前の話なのですが、電子カルテメーカーさんのユーザー会に参加した時のことです。 今年4月の熊本地震で、実際に被災された病院さんが、当時の状況を説明してくれました。 お話ししてくださったのはシステム担当の方だったのですが、システム担当者としてはもちろん、病院の一職員として様々な情報を生々しく教えたいただき、たいへん貴重な情報でした。 どれも興味深い内容だったのですが、今日はその中から、職員の安否確認について。 複数の病院の方が発表されたのですが、皆さん口を揃えて言っていたのが、「電話がつながらない」ということ。 一方で、以外にも連絡を取りやすかったのが、「LINE」であったとも。 順位をつけるなら LINE > 携帯電話 > 固定電話 だったようです。 その技術的な背景については触れられていませんでしたが、やはり、固定電話よりも携帯電話の方がフレキシブルなのでしょうか。 発表の中で語られていたのですが、自家発電などの災害対策設備を始動させるにあたって、その操作を知る施設課職員が被災して、対応が遅れたとのことでした。 また、別の病院のシステム担当者は、普段から「もしもの時は自分でなんとかする」と決めていたものの、出張中でなにもできず、ご自身の考えのあまさを悔いていらっしゃいました。 医療機関に限ったことではないと思いますが、やはり組織は「人」で成り立っているものです。 仕事を属人化させないために、組織を整え強化するのでしょうが、それが徹底できないのは、日常的には組織も個人もその方が「楽だから」なのでしょう。 こういう発表を聞くと、我に返ります。 さて、当院の緊急連絡網はというと、昔ながら電話リレーです。 個人情報保護がうるさく言われるようになってからは、連絡網を記した資料でさえ、「知る人ぞ知る」になっています。これで、本当に災害が発生した時、対応できるのかと思います。 災害対策、BCPの話になると、どうしても「どこまでお金をかけるのか」という話になります。 もちろん、お金のかけ方については経営判断によりますが、緊急時の連絡手段の確認くらいは見直したいものです。

患者さま向けWifiの整備について

今、患者さま向けのWifiの導入を検討するよう指示を受けて、いろいろと調べています。 仕組みや費用のことはもちろん、「本当に必要なのか」も含めて。 医療機関にメリットがあるのか カフェでネット接続するのはあたりまえ、ホテルやショッピングセンターなどの商業施設、飛行機や新幹線なんかでもフリーで使えるWifiが整備される時代です。 医療機関だって、外来患者さまの診察待ちや、入院患者さまの娯楽に、お見舞いの方の暇つぶしなど、たしかにあれば便利です。 しかし、それなりにお金はかかるわけで…。 月々の通信費はそれほどではないにしても、問題は設備費用です。 どこまでの場所にスポットを設置するかによって違いますが、数十万円からの費用が必要になるでしょう。 ところで、多くの商業施設でWifiを導入するのは、顧客確保のメリットがあるからだと思います。 顧客に選んでもらうため、あるいは、顧客により長い時間滞在してもらうため…。 私も、ホテルを選ぶ時は、かならずWifiが整備されたホテルを選んでいます。 (今時ない方が珍しいですが) 言うまでもありませんが、この点で医療機関では事情が異なります。 患者さま医療機関を選ぶ時、「Wifiがあるから」は、あまり関係ありません。 「Wifiがあって快適だからもう少し病院に滞在しよう」とはなりません。 こう考えると、医療機関が患者さま向けのWifiを整備するのは、純粋に患者さまの満足向上ということになり、医療機関は「持ち出し」になります。 その他、私が思いつく、医療機関側にとってのデメリットはこんなところです。 1.接続方法の問い合わせに対応する職員の負担 フリーのWifiスポットなって、今時珍しくもなんともないですが、病院を訪れる方々にとってはどうなんですかね。SSIDとパスワードを示せば、皆さん勝手にやってくれるのでしょうか。そもそも「ネットワークの設定ってどこにあるのか?」なんて問い合わせになりませんかね。 患者さまがその辺の職員を捕まえて、こんな質問をし始めたら…。 システム部門を呼ぶのは良いのですが、呼ぶこと自体が負担にならないかと…。 2.しっかりやるなら設備機器も高騰するのでは セ

iPhone7に死角なし?ガンバレSONY!

iPhone7/7 Plusが発表されました。 大きな話題になっているのが、 処理能力の向上 防水対応 Felica搭載 デュアルカメラ イヤホンジャックの廃止 新色追加 などなど。もちろん基本性能もアップしています。 (詳しい情報は、その筋のサイトをご覧ください) 情報サイトでは、「想定の範囲内で目新しさはない」とか、「Felicaで盛り上がっているのは日本だけ」など、比較的冷めた記事が多く感じますが、私にとっては十分なインパクトです。 ワタクシ、このブログでも何度となく「SONYファン」を公言しており、もちろん使っているスマホは長らくXperiaシリーズ。 ところが、妻のiPhone6 Plusに触れるたびに、その「プロダクト」としての魅力に心奪われます。 なにをもってスマホの機種を評価するかは個人差があると思いますが、私がiPhoneに感じるのは、「クオリティの高いデザイン」と、それを高い次元で具体化する工業製品としての「高い精度」です。 本当に、素晴らしい「製品」だと思います。 この点では、妻のiPhone6 Plusに比べると、私のXperia Z5は、正直見劣りします。 しかし、Xperiaを使い続ける理由として、いや、iPhoneを使わない理由として、2つの大きな要素がありました。 それは、「防水」と「Felica」。 そして、iPhone7で、とうとうこの2つが搭載されてしまったのです。 仲間内でも、「防水とFelicaが搭載されたら、iPhoneに乗り換えるかも…」なんて軽口を叩いていましたが、これが現実になりそうな…。 スマートフォンの世界市場では、Apple、Samsungはもちろん、HUAWEI、xiaomi、Lenovoなどの中国勢にも押され、すっかり存在感をなくしているSONY。 数がさばけなければ、原価率が上がり、収益率が落ち、開発費はますます苦しくなるでしょう。 PCからの事実上の撤退が記憶に新しいSONY、スマホだけでもなんとか継続してほしいものです。

予定の検査なのに、オーダーを入力するのは前日

今、透析患者の「検査オーダーの履歴を集計する」という仕事に取り組んでいます。 透析患者さまは、ルーティンでいろいろな検査をします。 診療のことは私はよくわかりませんが、超音波(エコー)検査などでシャントの状態を、SPPやCABI等の検査で血管の状態を定期的に補足し、患者さまに問題が新たな問題が発生していないか、細心の注意を払っているようです。 これらの検査は、自覚症状がなくても、当院で定めたルーティンで、定期的に行われます。 今回、相談をいただいたのは、この「定期の検査の入力を簡略化したい」という案件です。 「簡略化したい」とはどういうことでしょう。おそらく、なにか面倒なことがあるのでしょう。 検査の種類ごとに、1年に1回、半年に1回、3ヶ月ごとに1回など、間隔が決まっている。 決められた間隔で検査をするにあたり、患者ごとに各検査を「いつしたか」をExcelで管理している。 Excelに転記するため、患者ごとにカルテを開き、目的の検査の履歴を探すのが「面倒」。 なるほど。 当然ですが、電子カルテには、実施した検査の情報がデータとして蓄積されています。 これを加工すれば、患者さまが、それぞれの検査を、最後にしたのがいつか、を一覧にすることは、簡単なことです。 なんだったら、次の検査の予定を補足することだって、難しいことではありません。 履歴だけでいいんです ところが、「次の検査はいいので、『前回の検査をいつやったか』だけわかれば…」と。 いやいや、「次の検査がいつなのかわかったら、もっと便利なのでは」と押してみるも、それは電子カルテの運用上、ムリなのだそうです。 予定のオーダーは入力しないのだから…。 オーダー入力は前日 正確に言うと、オーダーを入力しないのではなく、オーダーを入力するのが「実施日の前日」なのだそうです。 なぜ、そんな面倒なことをしているかというと、数ヶ月前にオーダーを入力したところで、患者さまの透析の「曜日」が変わることがあるからなのだそうです。 透析患者さまは、多くの場合、週に3回の血液透析をします。2回/週や4回/週の患者さまもいるかもしれませんが、当院ではほとんど3回/週です。 すると、月・水・金で通われる

ノイズキャンセリングハイレゾ対応ヘッドフォンMDR-NC750、その価値見いだせず(個人的感想)

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今日は、個人的な趣味の話です。 医療機関の経営企画の話とはまったく関係ないので、ご了承ください。 Xperia Z5を昨年(2015年)10月に購入し、それから間もなく、ノイズキャンセルとハイレゾ対応の二つの機能を併せ持つヘッドフォン、MDR-NC750を手に入れました。 納期1週間以上のヘッドフォン、MDR-NC750 (2015/12/9) 家電店の試聴コーナーで体験し、すっかりハイレゾの音質と感動した私。 そして、以前から興味があったノイズキャンセル機能が両立されているということで、期待していたヘッドフォン。 当時の記事は、こんな言葉で締めくくっています。 「待たされた甲斐があった」と言わせるような製品であってほしい。 あれから半年以上が経過していますが、突然見かけたMDR-NC750の紹介記事。 魅惑のXperia周辺機器 ― 第13回 ハイレゾ&ノイキャンのヘッドセット「MDR-NC750」(ASCII.jp 2016/8/7)   なぜ今、リリースから半年以上した製品の記事なのかわかりませんが、これも何かの縁と言うことで、すこし購入後の感想を書いてみます。 最初に書いてしまいますが、良い評価ではないので、あくまで私個人の感想として読んでください。 ワイヤレス慣れしたヘッドフォンライフに、久しぶりのタッチノイズ 「なにを今さら!」と言う声が聞こえてきそうです。 もう何年も、ワイヤレスのヘッドセットを使っている私。 今使っているのは、SONYのSBH50と、ヘッドフォンは同じくSONYのMDR-EX90SL。 古くは約30年前のワイヤレスウォークマン(カセットテープ)から、ディスクマン(CD)と、ワイヤレスを愛用してきました。 その後、DAT(知っている人いるのかな?)と、MDウォークマン、一時期大量に出回ったmp3プレーヤーでは、ワイヤレスを使うことはありませんでした。 そしてスマートフォン時代が到来、Bluetoothのヘッドセットが世に出てからは、その使い勝手の良さが身にしみ、そこそこのペースで買い換えながら使っています。 スマホを手にしてからは、どっぷりワイヤレスの環境に慣れてしまっていたのに、今回、ハイレゾとノイズキャンセルに踊らされて、ワイヤ

楽天マガジン登場、dマガジンからの乗り換え検討中

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インターネットと「定額サービス」は相性が良いのか、音楽や動画、記憶に新しいところでは、amazonのkindle unlimitedの国内サービス開始と、定額サービス花盛りです。 そんな中、雑誌の読み放題サービスでは、docomoの「dマガジン」が頭一つ抜けている感じがしていましたが、このたび強力なライバルとして、「楽天マガジン」がリリースされました。 楽天、定額制読み放題サービス「楽天マガジン」開始……11ジャンル約200雑誌(RBB TDAY 2016/8/9 ワタクシ、dマガジンを長く愛用しています。 当初は、ロードが遅く、「実用に耐えない」と当院で取引しているdocomoの担当さんに、ぼやいていましたが、最近はすっかり改善されて、実用上まったく問題ありません。 また、当初はiOSとandroidのみ対応でしたが、最近はブラウザにも対応してPCでも快適に閲覧できるようになり、ますます手放せないサービスとなっていました。 しかし、今回登場した楽天マガジン、使い勝手はまだわからないものの、取り扱っている雑誌のラインナップは、dマガジンよりも充実しているような気がします。 この原稿を書いている8/10現在、dマガジンにあって楽天マガジンにない、あるいはその逆もチラホラ見かけます。 もちろん、どの雑誌が重要かは個人の嗜好により左右されるわけですが、私が楽天マガジンに惹かれているラインナップの一つが、「Web Designing(マイナビ出版)」。 当院のWebサイトの管理は私の仕事の一つなのですが、デザインのアイディアはこういうソースで勉強することが多いです。 あとは、カメラの雑誌が楽天マガジンの方が充実していますね。 CAPA(学研プラス) デジキャパ(学研プラス) カメラマン(モーターマガジン社) 写真撮影も私の仕事の一つなので、趣味をかねて日々勉強中なのです。 他に「ビデオSALON(玄光社)」とかやってくれるといいんですけどね。 その他、純粋な趣味の分野では車とサッカーの雑誌が充実しているのも、楽天マガジンのラインナップの魅力の一つです。 ソフトウェア・プログラミングなどの雑誌も期待していましたが、さすがにそれはありませんでした。

取材対応も、経営企画室の仕事です

経営企画室に異動してからの私の仕事の一つに、当院が対応する取材のマネージメントがあります。 そんなに規模の大きい病院ではありませんが、たびたびメディアから取材を受けることがあります。 発信する情報が管理できない そんな中、院長をはじめ経営幹部の頭を悩ませていたのが、病院が発信している情報が把握できない、と言う問題です。 院長が直接取材を受ける時は問題ないのですが、例えばある部署や、特定の医師が取材を受ける場合、そこで何を語っているのか管理できていません。 さらに、取材対応する職員が責任を持ってしゃべってくれれば良いのですが、確認をとらずに発信してしまいトラブルになることも。 「極秘情報が流出する」みたいな深刻なものはこれまでありませんが、例えばデータが少し古かったり、役職名が間違っていたりすることがしばしば…。 取材対応を申請制にしました そんなわけで、当院では、メディアからの取材を全て申請制にしました。 専用の書式を制作し、取材申込みの際にメディア側から提示いただくことにしたのです。 それから半年ほど経過して、この制度がすっかり定着したのですが、これが結構面倒な仕事でして…。 文書の校正や、使用する写真を選んだり…、なんといっても一番面倒なのが、インタビューのスケジュール調整と、校正の締め切りを催促すること。 統計や開発の仕事と違って、自分でペースがコントロールできないので、結構ストレスになっています。

人工知能 病名突き止め患者の命救う 国内初か

人工知能 病名突き止め患者の命救う 国内初か (2016/8/4 NHK NEWS WEB より) AIが文字通り人命を救う、素晴らしいニュースだと思います。「仕事を奪われる」など、AIについて否定的な記事を目にすることもありますが、テクノロジーが社会に貢献するのはうれしいものです。 ここ最近、あらゆチャネルで「AI」の文字を見かけることが多くなってきました。 医療業界でもAIに期待するところは大きく、私もいろいろと情報収集しているところでした。 今回は、AIについてのある勉強会に参加したとき思うところがあったので書いておきます。 AIの判断ミスは誰の責任  自動運転の記事でよく見かける「問い」ですね。自動運転で事故が発生した場合、それを賠償するのは、車の所有者(ドライバー)なのか、メーカーなのか。そして、これを整理し実用化するためには、法整備が必要…、と。 これは、医療でも同じことでしょう。AIが診断して、もし誤診だったら…。 この辺の問題は、私には述べられるような知識がありませんので、次に進みます。 あまり影響のない分野から始めてみては AIの判断ミスが致命傷になることを避けて実用化が遠のくのだとすれば…、では、誤ってもあまり影響がないところから始めたら良いのではないかと思うのです。 私が真っ先に思いつくのは、電子カルテのアクセスログの解析です。 以前にこのブログで書きましたが、病院の職員が興味本位で他人のカルテを見てしまうというトラブルがあります。 電子カルテの「不正アクセス」のトラブルは、ニュースなどで時々目にするのですが、当院はどうかいうと、まったく自信がありません。 考えられる対策の一つが、アクセスログの解析なのですが、問題は「なにが正しいアクセスで、なにが正しくないアクセスなのか判断するのがたいへん」ということです。 例えば、「外来の職員が、入院患者のカルテにアクセする」というのは、わかりやすい「NG」のパターンです。しかし、アクセスした外来職員が、入院のきっかけとなった救急外来の職員なら、セーフかもしれません。 というわけで、実用的なアルゴリズムを組むのは現実的に不可能ではないか、となります。 そこでAIを使ったら、どうかと思うのです。

リコー、医療向けキーワード振り分け印刷アプリケーションを発売

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リコー、医療向けキーワード振り分け印刷アプリケーションを発売 (製造技術データベースサイト イプロス製造業より) とても興味深いニュースです。 リコーが開発した、振り分け印刷アプリケーション、「 RICOH Rule Based Print 」。 詳しくは、リンク先を読んでいただきたいのですが、ザックリ言うと、「様々な条件設定で、印刷するプリンタを振り分けられる」というものです。 こんな使い道が思い浮かびます。 例①:どこから指示入力しても、その患者さまが入院している病棟に指示箋をプリントする この話、じつは当院が2012年に電子カルテを導入したとき、医師からの不満の一つでした。 多くのクライアントPCがネットワークで繋がってることで、先生方は、「医局にいながら指示を入力できて楽チン」を想像していました。 ところが、当院が導入した電子カルテは、PCに対してプリンタを割り当てる前提で設計しており、印刷物の内容によってプリンタを選択するのは、一応「できる」のですが、コントロールパネルの操作する必要があり、現実的ではありません。 例えば、病棟で使用するPCであれば、ナースステーションのプリンターだけ設定しておけば何も問題ありません。 一方、前述のように、医師が医局のPCから指示入力しようとすると、A病棟に入院中の患者さまの指示箋はA病棟のステーションに、B病棟に入院中の患者さまの指示箋はB病棟のステーションのプリンターに出力しなければなりません。 すると、医師は指示を入力する前に、いちいちプリンタの設定を変更しなければならず、大ブーイングだったのです。 今では先生方もすっかりあきらめた様子ですが…。 例②:時間帯でプリンターをかえる 例えば院内薬局など、日勤帯と夜勤帯で、業務内容が大きく変化するような職種では、日中は多くの薬剤師が業務をしている場所に、夜間に薬剤師が待機している場所にプリントしたい、こんなニーズは多いのではないでしょうか。 例③:様々な場所で行われる「指導」 糖尿病をはじめ、患者教育の重要性が認識されるようになって増えてきたのが、薬剤師や栄養士による「指導」です。入院外来問わず今や様々な場所で、専門職による患者さまへの「指導」が行われています。

モダンホスピタルショウ2016に行ってきました

昨日7/13、東京ビッグサイトで行われている国際モダンホスピタルショウ2016に行ってきました。 国際モダンホスピタルショウ2016が開幕(innavi.net) 本当は、写真をたくさん撮って掲載したかったのですが、1枚も写真撮っていません。 今年は、リプレースを控えているので、出展企業とのお話しで1日終えてしまいました。 そんなわけで、セミナーは1本も参加しておりません。 さて、個人的な感想をザックリ書いておきます。 センシングの実用化 「IoTでデータを集め、ビッグデータをAIが分析」、今はやりのIT用語を並べてみましたが、その入口となる、センシングの技術にいよいよ実用化が見えてきた、という感じがしました。 患者さまの動きを補足して知らせる…というと、すでに普及している離床センサーなどが思い浮かびます。 一方、今回の展示では、横になっている患者さまが、「睡眠しているか覚醒しているか」や、心拍数の計測により「急変」を判断するなど、今までにない要素が補足できるようになりました。 アラートを出すのはもちろん、蓄積されたデータを活用することによって、新しい価値がもたらされると期待します。 その他、スタッフの動態調査のソリューションも現実的なものがいくつか見られました。我々のような中小病院ではそこまでシビアにやらないと思いますが、大病院であれば経営効率化のツールとしておおいの役立つのではないかと思いました。 血圧測定は進化なし 先日投稿した記事、「 スポットチェックモニタは使われているのか(7/7) 」でも書きましたが、バイタル測定のツールを見直そうかと思い、情報収集をしました。 その中で改めて思ったのが、血圧測定はあいかわらずカフを巻いて測定する必要があるということ。 体温や、SpO2などは、多くの製品が出展されており、いずれもとてもコンパクトです。そしてデータが電子カルテに反映できて、看護師は転記の手間とリスクが軽減できます。 ところが、血圧だけやはりカフを巻いて…なんですね。 せっかく各種センサーをコンパクトにまとめた製品も、血圧計がこれでは、機動性が損なわれます。 さらに、圧力をかけるということは、それだけ電池を消耗します。 加速するネットワーク化

スポットチェックモニタは使われているのか

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5月に、HIS系システムのリプレース計画を策定する仕事に取りかかったことを書きました。 HIS系システムの中長期計画を立てることになりました(5/17) 電子カルテだけでなく各部門システムについても、院内のあらゆるシステムを、このまま使用し続けるのか、あるいは他ベンダーへの乗り換えを検討するのか、調査しています。 そんな中、ある部門システムについて、以前から稼働率が気になっていたので、この機会に調べてみることにしました。 それは、このブログでもたびたび取り上げているオムロンコーリンさんの「 スポットチェックモニタ 」です。 スポットチェックモニタとは、ベッドサイドで計測したバイタルデータを即時にHIS系システムに反映させてくれるもので、中継用のサーバーとセットで運用します。 (詳しくは上記リンク先、オムロンコーリンさんのWebサイトをご覧ください) お金持ちの病院では、各ベッドに設置しているらしいですが、各病棟に2台ずつの設置です。 スポットチェックモニタの稼働率にバラつきがあるのでは? 稼働率が気になっていたのには、理由があります。 私がまだシステム部門に在籍していたとき、「スポットチェックモニタの電池がもたない」というこで、病棟から問い合わせを受けました。 スポットチェックモニタは充電池で駆動します。携帯電話と同じで、繰り返し使用していると、そのうちバッテリーがへたってきて、フル充電しても稼働時間が延びなくなります。 当院では少ない台数のスポットチェックモニタで全てのベッドを回るのですが、全ベッドを回りきらないうちに電源が切れてしまうとのことでした。 病棟による温度差 バッテリーを交換して問題は解決したのですが、この件で気になったのが、病棟によってクレームの温度差が激しかったこと。 ある病棟は、「これがないと仕事にならないから、早くなんとかしてくれ」と。 全病棟に一斉に導入したから、他の病棟でもさぞお困りのことかと思いヒアリングしてみると、別の病棟では、「そんなこともあったかも…」くらい。 夜間のために温存 もう一つ気になったことがあります。 看護師:「電池がもたなくて、仕事にならないんだけど」 私:「ちゃんと充電されてます?」 看護師:「昼

DWHとBIツール

「電子カルテに蓄積したデータをいかに活用するか」 ここのところ、私にとって最もホットなテーマです。 データ活用の有効性に目覚め、ExcelやAccessを使って様々な資料やアプリケーションを作ってきたのですが、これに限界を感じ、なんらかの「プラットフォーム」が必要だと思っています。 とはいえ、どんなプラットフォームにしても、一介の事務員がぶち上げるには、「職命を賭す」といってもいいような費用が発生します。 決して失敗はできない状況で、導入する製品の選定には慎重にならざるをえません。 今日は、製品の市場調査を、データウェアハウス(以下、DWH)にとどまらず、BIツールにまで範囲を広げてます、という話です。 DWHで分析した結果を共有したい DWHのベンダーさんに話を聞いているときに、いつも思っていたのが、「分析結果をどうやって公開するのか」ということ。 「なぜ公開する必要があるのか?」と思われる方もいるでしょう。 ここで、前回の記事、「 データ活用のヒアリングで思ったこと...大きく分けると①定型、②分析、③現状認識 」で書いた、3つのデータの活用方法について、DWHとの相性を考えてみます。 前回記事では、データの活用方法を以下の3つに分類しました。 定型資料の作成 分析業務 現状認識 これらをDWHで実現するとしたら…。 「1.定型資料の作成」とは、いわゆる月報など、定期的に一定の方法で集計した資料を提出する業務です。特に難しいことではありません。 「2.分析業務」こそ、DWHの本領が発揮できる仕事でしょう。お話を聞いたDWH製品は、そのほとんどが、夜間など負荷の低い時間帯に各システムからデータを複製します。ここで重要なのが、データを「再構築」することです。各システムのデータは私たち素人がパッと見ても解釈するのにとても時間がかかります。DWHに「わかりやすい」形に再構築することで、分析作業をするユーザーの負担が軽減できます。そして、この再構築とデータベースエンジンの性能により、処理スピードの高速化されるのだと思います。 こうして、ユーザーた使いやすい形に加工されたデータ群は、選択するフィールドや、集計のパラメータを、次々と変化させるときに力を発揮します。規則性を見いだしたり、仮説を検証するのは

データ活用のヒアリングで思ったこと...大きく分けると①定型、②分析、③現状認識

シリーズで書いております、「データ活用のヒアリングで思ったこと」。 前2回が、ハッキリ言って「現実を知って落胆した」内容でした。今回は少しまともな記事にしたいと思います。 データ活用のアイディアは大きく分けて3種類 私がヒアリングしたところ、活用方法のアイディアは大きく3種類に分かれます。 定型資料の作成 分析業務 現状認識 活用方法①:定型資料の作成 毎月、毎週、決まった形で提出される資料。 中には、既存のシステムで出すことができない、当院独自の集計表があり、これをなんとか自動的に出せないかと。 集計方法は難しくないのですが、システムから一発で出せないので、似たようなリストから、情報を拾って集計する、これを「データ活用」といって良いのかはわかりませんが、多くの部署から、同様の意見が寄せられました。 最近では、QI(クオリティ・インディケーター)が話題になっていますね。 当院では本格的にQIを進めていませんが、もしやるとなったら、たいへんな仕事になりそうです。 活用方法②:分析業務 私のような企画業務に就く者が「経営」の観点で、あるいは、医師が日常業務や学会発表に役立てるために...。 条件を変えながら大量のデータを集計する。 ①と違うのは、「条件を変えながら」という部分。 なんらかの「仮説」を検証するために、なにかの「規則性」を見いだすために、条件を変えながらデータを集計する仕事。 これが、データ活用の醍醐味かもしれませんね。 活用方法③:現状認識 上記2つとは、少し毛色が違うのですが、リアルタイムに情報を確認したい、というニーズがあります。 例えば、「予約枠の空き状況」。 大型の検査機器は、遊ばせておくだけで損失です。予約枠の状態をリアルタイムで共有できれば、「空き」に気づいた医師が、オーダーを出せるかもしれません。 例えば、「感染情報の把握」 「〇度以上の発熱や、下痢症状を訴える患者が急に増えた」など、データを監視して、場合によっては積極的に通知する。それによって、院内感染の兆候をいち早くキャッチすることができるかもしれません。 より実践的で、診療現場の職員に直接メリットをもたらすのが、この「現状認

データ活用のヒアリングで思ったこと…使い道がわからない資料

一応…、シリーズになっております、「データ活用で思ったこと」。 この資料で何が見えるのか? とにかく驚いたのがコレ。 話をしたのは、事務系の課長のうちの一人。 課長:「例えばこの資料、毎月けっこうな手間がかかってるんですけど、そのDWHとやらで出すことができますかね? 」  私:「どれどれ、ん、なんですかコレ?」 なんとも、不思議な資料です。集計する軸が不自然なのです。 あまり詳しくは書けませんが、例えるのは簡単です。 例えば、売り上げ資料。縦軸が「月」、横軸が「診療科」…と思ったら、突然「自費」と出てきます。 各診療科の中に、子項目として「社保」、「国保」…、「自費」とあるわけではなく、診療科の並びにあるのです。 一般内科、〇〇内科、△△内科、□□外科、▽▽外科、自費、救命救急科… なんともトリッキーな資料。これは、クエリではできませんな。必ず「人」が介入する必要があります。 私:「あの、これどうやって見るんですか、横の合計は正しいんですよね?」 課長:「だと思いますが…」 何のための資料なのか、作成者が知らない まあ、実際に資料を制作しているのは課長ではなく、その下の職員でしょう。 それにしても、この資料はどうやって見れば良いのか…。 話をしていると、こんなやりとりが…。 私:「この資料って、どのレベルまでまわるんですかね?この資料で毎月何を見てるんですかね?」 課長:「私も知らないんですけど、長年コレでやっているので、上はコレが見やすいのかと。」 これ以上の対話を続ける気力はありませんでした。 DWHベンダーさんと話をしていると、こういうケースは、グループ病院や、公立の医療機関で多いそうです。 本部で指定したフォーマットで資料を提出するので、電子カルテのリプレースの時に、カルテベンダーさんが対応できない場合は、DWHベンダーさんが請け負ったりすることがあるのだそうです。 まあ、ここまでひどいケースは当院だけでしょうが、意外と、「何に使われているかわからない」という資料、多いのではないでしょうか。

データ活用のヒアリングで思ったこと…人力集計をいとわない風土

以前、院内でデータ活用のアイディを募るため、各部署にヒアリングをしたときのことです。 データ活用のアイディア、部署により温度差(2016/3/8) このときの記事では、人によって、仕事に対するモチベーションが様々であることを書きました。 このヒアリングを通して、いろいろな気づきがあったわけですが、一方で、当院はまだまだ「データ活用」について声を上げる人が出てきただけで、前途多難であることを思い知らされました。 今回から、「データ活用のヒアリングで思ったこと」をシリーズで書いてみます。 驚愕の人力集計 データ活用と聞いて、どんなアイディアがあるかいろいろな人に聞いて回りました。 中には、思わずうなってしまう、「なるほど!」と言えるものがありました。ユニークな発想で、かつ効果も大きいであろうもの。 それに対し、違う意味で驚いたのが、「いま手作業で作成している資料を自動化したい」というもの。 何に驚いたって、「まさか、それ、手作業でやってるの?」という…。 例えば、血液検査のある項目の数値で、ある疾患の「予備軍」が判定できるとします。 「このままではいずれ…」という段階ですね。 こういった人たちが、深刻な状態になるのをなんとかして防ぎたい…、いわゆる「予防医療」。 とっても良い取り組みだと思うのですが、問題はそのやり方。 データを集計する機能がないので、検査科が臨床検査システムから一定期間の検査結果リストを「紙で」出して、これを看護師が目視でチェックしているのだと。 やらされている看護師もたいへんだけど、やらせている方はどう考えているのか? 貴重な看護師の人件費をこんなことに使えるとは、ある意味平和というか…。 医療機関が、もともと「トップダウン」の文化であることも影響しているのかも…。 その資料を作るのにどれだけの人件費がかかっているのか、資料を手にしている人はおそらくそれを知らない。

電子カルテのデータ活用、DWH、BIツール、グループウェア…何を使えば良いのか

久しぶりにデータ活用の話題です。 データ活用のために何らかのプラットフォームを導入して…、と考えているわけですが、難航しています。 どうやって院長の決済を得るか…、ということももちろん重要なのですが、最近困っているのは、どんなプラットフォームを選べば良いか、つまりベンダー選定です。 当初から検討していたDWHベンダー以外に、いくつかのベンダに声をかけたました。 理由は、2つあります。 一つは、交渉相手が1社だけでは、フェアに価格交渉できないこと。 もう一つは、検討しているベンダーさんの製品が、今ひとつ機能が物足りないことです。 DWH、BIツール、グループウェア…何を使えば良いのか 検討していたベンダーさんと具体的な話を詰めていくと、DWHを使って様々なデータの分析ができることはわかりました。 問題は、アウトプットをどのようにエンドユーザーの手に届けるか、その方法です。 ベンダーさんのお話を聞いていると、多くの導入事例では、システム部門や経営企画部門に導入し、そこでアウトプットしたリストや、それを加工したグラフなどを交えた資料を経営サイドに提出する、という仕組みをとっているそうです。 これは、少し思い描いていたイメージと違いました。 私は、多くのユーザーがデータに触れられるような仕組みを想定していました。 いわゆる「ダッシュボード」的な…。 ポータルサイトに、必要な情報があって、それが常に更新される…みたいな。 もちろん、月次の統計資料も必要なのですが…、これは困った。 それからいろいろ調べていくと、製品のジャンルとして「BIツール」というものに行き着きました。 調べてみると、DWHとBIツールのカテゴリは非常に曖昧です。 ザックリ言うと、DWHが様々なデータを一定の形式に整え高速に処理できるようにしたもの、BIツールはデータを処理し気の利いたレポートを作成し共有するためのもの、といった感じでしょうか。 つまりDWHが入力に、BIツールが出力に重点を置いているように思えます。 ところが、DWHと名乗っていてもしっかりしたアウトプットができる製品もあるし、BIツールと名乗っていても高速に複雑な処理ができる製品もあります。 これまでDWHということで市場調査をしていたのですが、B

HIS系システムの中長期計画を立てることになりました

当院は、2012年の12月に電子カルテシステムが稼働しました。 来年、2017年には、めでたく「電子カルテ導入5周年」を迎えます。 「5年」はシステムのリプレース一つの目安です。 当院では、2012年の電子カルテ導入と同時に、ほとんど部門システムも導入、あるいは何らかのリプレースが行われました。 つまり、来年には、多くのシステムが一斉にリプレースのタイミングを迎えるわけです。 多くのシステムのリプレースを無駄なく効率的に行うには、様々な情報を収集し、計画的に進める必要があります。 そして、このたび、「システムリプレースの中長期計画を策定する」という仕事を拝命したのです。 なんで足を洗ったはずの私が? 以前から、このブログを読んでいただいている方は不思議に感じているかと。 私は、以前は病院のシステム管理部門に在籍していましたが、今は経営企画部門。 システム関係の案件は、私の担当ではないはず。 じつは、システム部門を抜けた私ですが、経営企画の立場として、たびたび、「病院全体で計画的にシステムのリプレースを行う必要がある」と提案していました。 ところが、私が抜けた後のシステム部門は、私に代わって企画業務を担当する人材が入らず、この手の仕事がずっと後回しになっていたのです。 というわけで、「必要なことだったら、おまえがやれ」と。 もちろん、経営企画室の仕事をこなしながら。 まあ、中小規模の病院の人事なんてこんなもんです。 それまで使っていた「中規模病院のシステム管理者のブログ」の名前を、2015年11月から「中規模病院の経営企画室のブログ」に変更したわけですが、はやくもシステム関係の記事を書くことになりました。 ぶれまくりのブログですが、今後ともよろしくお願いします。

広報における「目的」設定の重要性と、伝えるための工夫

今日は、広報関係の話を。 連休明けということもあり、久しぶりにデスクの整理をしています。 溜め込んだ紙の資料を、かたっぱじからドキュメントスキャナーに読み込ませて処分しているのですが、その中で目に留まった資料。 この資料が配付された講演は、とても得るものが多く、大きかったので記事にしておきます。 東北大学病院広報誌「hesso」 資料は、3月25日に行われた、 公益社団法人日本広報協会 主催の「 第12回医療機関広報フォーラム 」で配布されたもの。 当日、4題の講演が行われたのですが、その中で、とても印象に残ったのが、この演題。 「大学病院と地域をつなぐ広報戦略~広報誌・Webマガジン『hesso』を中心に」 東北大学病院 東北大学病院さんの広報誌「hesso」の紹介と、制作のポイントや、そこから生まれた取り組みなど、じつに興味深い内容でした。 文書で表現するのは難しいのですが、なんとも凝った作りで、写真一つとっても、医療機関の広報誌とは思えない、クオリティの高さ。 患者さん目線で校正された文章、内容をイメージしやすい図、誌面を柔らかくするイラスト、とても参考になります。 東北大学病院さんのWebサイトにPDFが掲載されていますので、ぜひご覧ください。 東北大学病院Webサイト 東北大学病院Webマガジン「hesso」 いかがでしょうか、このクオリティ。 待ちの印刷屋さんのレベルをはるかに超えて、もう、このまま書店で並んでいてもいいレベル。 明確な目的 このクオリティの紙面を製作するため、同院では広報に7人の職員を採用しているとのことです。(と講演でお話しされていたような気が…) さすが大学病院、というところでしょうか。地方の中央病院では、そこまでの人数はかけられません。 とはいえ、人数が多ければクオリティの高いものができるわけではないと思います。 講演の中で、「刺さった」のが、病院長の指示。 大学病院の 敷居が高い という印象を払拭してほしい (配付資料より引用) 広報誌やWebサイトを制作しているものの、担当者がネタ探し&執筆依頼に奔走する医療機関は多いのではないでしょうか。 当院もまさしくこの通りで、たまに事務長が全体会議で、各部署にページの更新を

データ分析のハードルが日に日にあがってゆく

ここのところ、データ分析の仕事がドカドカと飛び込んできております。 私は、いまや「システム担当者」ではないので、診療報酬改定でも「たいしてすることもない」と、平穏な日々を送れると思っていたのですが…、改訂の内容が具体化されるにしたがって、いろいろな部署から「シミュレーション」を依頼されるようになり、忙しい日々を送っています。 最近は、依頼される内容がどんどん高度化しており、データ活用を推進したい私としては、うれしい半面、忙しすぎるのと、「はたして自分の算出結果が正しいのか」という不安にかられることがあります。 例えば、過去に遡った分析。 「年度別の患者数を、過去5年にわたって調べる」 というようなオファーは、そんなに悩まなくて良いのですが、これが、 「年度別に、 市区町村別の 患者数を、過去5年にわたって調べる」 となると、とたんにハードルがあがります。 過去5年ともなると、引っ越している患者さんもいます。 すると、今年のデータには今年の住所、5年前のデータには5年前の住所で集計しなければなりません。 もちろん、電子カルテのデータには変更履歴を保存しているので、できないことはないのですが…。 いろいろな案件をこなすたび、あちこち調べ回り、ノウハウが蓄積するのはいいのですが、あまり複雑になると、算出した結果が「これで合っているか?」と不安になります。 ましてや、私一人でやっているので、上司でも同僚でもいればまた違うのでしょうが、相談相手といえば、電子カルテベンダーのサポート窓口くらいで…。 本当に、体制を整えないとヤバいと思う、今日この頃です。 余談ですが、最近は、Excel、Accessにとどまらず、SQL文(データベースを扱うための言語です。ご興味ある方はネットで検索を)を書けるようになってきました。 それにしても、お仕事でSQL文を書く人は、みなさん、どうしているのでしょう。 Accessなどと違い、気の利いたビジュアルツールがないので、画面のテキスト、「SELECT 〇〇 FROM~」から、頭の中で構造をイメージして、ii証券名でバックやっています。 複雑なものになると、一つのクエリで1日中悩んだり。 プロ

IT業界から医療機関のシステム部門への転職について(2/2)

先日、IT業界でご勤務されている方から、このブログのコメントに、医療機関のシステム部門、経営企画部門への転職について質問をいただきました。 前回に引き続き、この方(以下、「質問者」とします)の質問に答える形で、「IT業界から医療機関のシステム部門への転職」について思うところを書いてみます。 前回の記事では、「本当に医療機関のシステム部門に転職することが良いのか、じっくり検討してみては?」という内容でした。 今回は、いよいよ「ITスキル」について書いてみたいと思います。 ITスキルのカテゴリ ITのスキルと言っても、いろいろですよね。 私自身は、「IT業界の人」ではないので、頭の中に、世の中のITスキルの全てが網羅されているわけではありません。そして、そのカテゴライズもあいまいです。 そんな私ですが、思いつくものをザックリと分けるとこんな感じです。 ネットワーク プログラミング・データベース WindowsやOfficeソフトなどの操作 ハードウェア(PC、サーバー、プリンタなどの周辺機器…) システムの企画(プランニング) 以下、これらのカテゴリで、どのようなスキルが役に立つか考えてみました。 【ネットワーク】 ケーブルの配線施工や、LAN機器の設置は「工事」なので、むしろ自前でやらない方がいいです。 ネットワークを設計する上では、TCP/IPの知識があった方がいいですが、知らなければそういうベンダーさんが質問してくれるのでそれに答えていけばいいのです。ネットワークベンダーさんのツテがなければ、HISベンダーさんが紹介してくれます。 むしろ、ネットワーク系の資格があっても、自分だけで設計せず、基本的にネットワークベンダーさんに任せ、自身は要件定義に勤めた方がいいと思います。 そもそも「ネットワーク」とは今や欠かすことのないインフラであり、「試行錯誤」の余地がない分野です。 医療機関のシステム部門の一担当者が蓄積できるノウハウには限界があり、これを生業としている専門のベンダーさんの経験値とは比べものになりません。 ここは、専門的な知識を持っていたとしてもベンダーさんと協力した方がいいし、専門的な知識がなければベンダーさんにいろいろ教えてもらえば良いと思います。 【プログラミング・データ

IT業界から医療機関のシステム部門への転職について(1/2)

先日、ブログにコメントをいただきました。 はじめまして。私はとある業界の企業にて顧客データ分析をしています。 DBシステムから、SQL、ExcelVBAを使用し、データ分析、レポート作成をしていますがワンマン企業ということもあり、また自分の説得力がないこともあり限界を感じ退職することを考えています。 ひょんなことから、病院のシステム関係に興味が出てきて病院のシステム部への転職を考えています。(病院関係のシステム、データ分析に強い興味があります) 病院のシステム部、病院企画経営部への転職にて必要なスキルをぜひ教えていただきたいです! コメントをいただいた方は、医療機関のシステム部門、あるいは経営企画部門への転職をお考えとのことで、「必要になるスキル」というご質問です。 今回は、この方(以下、「質問者」とします)の質問に答える形で、医療機関のシステム部門への転職について書きたいと思います。 なお、いただいた質問には、システム部門だけでなく、経営企画部門についてもふれられていますが、企画部門は病院によって役割が大きく違い、これだけで大量の記事になるので、またの機会にしたいと思います。 給料、安いです まずは、「転職するには」の前に、その転職が質問者にとって本当に良いものかどうか、そこから書いてもいいでしょうか。 質問者のコメント「 DBシステムから、SQL、ExcelVBAを使用し、データ分析、レポート作成をしていますが 」から、現在、プログラマやSEとして活躍されているのだとお察しします。 この方が現在「SE」としてのお給料をもらっているならば、医療機関に転職は、かなり収入レベルが下がるのだろう思います。 このブログでたびたび書いていますが、医療機関のシステム部門の職員は「事務員」にカテゴリされます。 大学病院や地域の中核病院、あるいはグループでやっている医療法人の本部組織などでは、SEとして採用されているという話を聞きますが、中規模以下のクラスの病院では、1人の事務員として採用されます。 医事課や総務部門の事務員と同じ給与体系です。 実際に、事務系職員の中で「パソコンに詳しいから」言われてシステム管理者になった(させられた?)、という人も少なくないと思います。 その一方で、IT人材の人件費が高

Xperia TabletのWi-Fiモデル出荷完了のお知らせ

少し古い話なのですが、SONYのハイスペックandroidタブレット、 Xperia Tablet Z4のWi-Fiモデル が出荷完了とのお知らせ。 Xperia Tabletの現行Wi-Fiモデル出荷完了(2016/2/1 『店長のつぶやき日記。。。』より) ネットでは、「事実上の、SONY、タブレット撤退」という情報が多く目につきます。 じつは、あまり多くを書けないのですが、当院のベッドサイドでテレビに置き換えてタブレットを採用する計画がありまして…。 何社かと打ち合わせしているのですが、そのうち1社がこの、Xperia Tablet Z4でご提案いただいています。 このブログで何度か書いていますが、ワタクシ、大のSONYファンでして、今回のコンペでなんとかXperia Tablet Z4のベンダーさんを採用したかったのですが、これはイタい…。 ベッドサイドにタブレット ちなみに、この「ベッドサイドにタブレット」の話、かるく触れておきます。 現在、ベッドサイドで使っている液晶テレビがだいぶくたびれてきているので、そろそろリプレイスの時期。そこでこんなアイディアが…。 「ホテルのテレビみたいに、『お知らせ』のコンテンツを流せないか」 なにを患者様にお知らせするかというと、 緊急時の避難経路 保険証の確認 Q&Aなど ちょっとしたことだけど、知っておいてほしいことを、強制的に流すことができないかと。 すると別のアイディアが… 「もし、オリジナルコンテンツが流せるのなら、患者様用の教育ビデオを流せないか」 なるほど。 たしかに、薬品メーカーさんが提供してくれるDVDにはクオリティの高いものが多く、種類も豊富。 一方で、困るのは大量のDVDの管理。 youtubeを使うように動画コンテンツを簡単に管理、再生できるなら…。 そして「タブレットなら…」のアイディアにたどり着いたわけです。 この件は、具体的に動くのはもう少し先のことになりそうです。 また改めて書きたいと思います。 瀕死のTablet Z(私物) ここからは、プライベートの話です。 ワタクシ、自宅でも Xperia Tablet Z を使っていました。

医療期間のWebサイトに「ご意見」フォームはありますか

当院では、患者様のための「ご意見箱」を設置しております。 この「ご意見箱」、医療期間によって名称は「患者様の声」、「投書箱」などいろいろな呼び方があると思いますが、多くの病院が設置していると思われます。 当院では、院長・副院長をはじめ経営に近いメンバーだけで開く定例会議があるのですが、この会議でご意見箱に寄せられる投書への対応が毎回話し合われているそうです。 (私は、この会議に出ていないので、事務長から話を聞くだけです) Webサイトにご意見フォームを設置してみるか? と、そこで思うことがあります。 リアルのご意見箱だけでなく、Webサイトにもご意見フォームを設定したみたら…。 本当に真摯に患者様の声に耳を傾けるなら、この時代ですし、ネット経由のチャネルも必要なのではないかと。 誹謗中傷が増えるかも しかし、ネットに窓口を設けることによって、建設的でない、誹謗中傷のたぐいも寄せられるのは、想像に難しくありません。 私個人の意見としては、誹謗中傷を避けるために、コミュニケーションの敷居を下げられないことの方が医療期間にとって不利益なのではないかと思います。 ネット社会に流れる多くの情報に、イノベーションのきっかけになるものから、取るに足らないものまで、あるあゆるレベルのものが混在していることはいうまでもありません。 それを見分けるスキルを磨けば良いと思うのですが…。 意外に少ない、医療期間のご意見フォーム より幅広い患者様のご意見を聞くために「ご意見フォーム」を設けるか、心ない投稿を避けるため今のままにするか、悩むところですが他の医療期間はどうしているのでしょう。 近隣の医療期間のWebサイトを思いつくままに調べたのですが、意外にもこういった窓口を設けているさいとは見つかりませんでした。 範囲を広げても全然見つからないので、いっそGoogleで「病院 ご意見」、「医療期間 問い合わせ」などのキーワードで検索。 すると、関西方面の大学病院にいくつか見つけることができました。丁寧に探せばあるのでしょうが、それにしても…、少ない。 ここまで少ないと、なにか致命的な問題…、例えば法的な規制であったり、あるいは以前に大きなトラブルがあったなど、私の知らないことがあるのかも…。 と

東日本大震災から5年、当時を振り返る

あれから5年経つんですね。 私は当時、現在勤めているのとは別の医療機関で勤務していました。 このブログでは素性を伏せて書いておりますが、この記事を書くのに最低限、関東圏に居住しており現在勤めているのも、以前勤めていた病院も関東圏だということだけ記しておきます。 地震が発生したときのことは今でもハッキリと覚えています。 当時、院長が15:00からの外来診療に出る前の30分ほど、ほぼ毎日二人で打ち合わせをする時間になっていました。 その日も、いつも通り忙しくあれこれと打ち合わせをしている中揺れが始まり、私はそのうちおさまるだろうと、資料の説明を続けました。 しかし、院長が「これは大きい、普通じゃない…」と言って、二人で顔を見合わせたのをハッキリと覚えています。 院内を一通り回って気がついた被害は、壁に掛けていた絵画が落ちていたこと、エレベータが止まって動かなくなったことくらい。 幸にも、落ちてきた画でケガをした人もいなく、エレベータも空だったことがわかり、たいした被害はありませんでした。 (数日後に、外壁に一部破損が見つかりましたが) たいへんだったのは、その後の輪番停電の対応。 我々の地域は、輪番停電の指定になり、外来の予約のやりくりや、職員の勤務調整など、まったく予定が立たない日々が続き、精神的にも肉体的に疲労しました。 そして、事務長として、減収が経営に与える影響を推測し、対応策を考えることに追われました。 今日、どうしても綴っておきたいことがあります。 それは、医療従事者の使命感。 あの時ほど、病院が単なる労働力の集まりではないことを痛感した日はありません。 医療以外の職に就く人ももちろんいろいろな思いを抱いていると思いますが、やはり医療という職に就く人の志は尊いものがあると思いました。 全ての職員が、自分の家庭もたいへんだろうに、なんとか出勤して職務を全うする姿…、身内ながら心を打たれたものです。 現在の私の仕事は、データの分析が大きなウエイトをしめます。 データ分析の仕事は、あらゆる現象を論理的に解明することに夢中になってしまうことがあります。 いままで幸運にもそれで現場の職員の心を傷つけたことはありません(と思います)が、今後もデータだけに偏ることのないデータ分析を心がけたいと思います

データ活用のアイディア、部署により温度差

最近、データ活用の話題ばかりになっています。 電子カルテのデータを使って病院の運営に貢献したい、ということで始まったプロジェクト。 院内で「データ活用」が少しずつ盛り上がりを見せている中、今、ホットな話題は「どんなプラットフォームを使うか」。 お金をかけなくてもできないことはない、しかし、それなりのことをやるには、それなりの環境が必要…ということで、DWH(データウェアハウス)システムの導入を画策している私。 高額なDWHを導入してもらうためには、それを使い倒すための「アイディア」を多く集めて、院長に掛け合いたい。 先日、 「データ活用」の勉強会 を開催し、改めて院内の意識を刺激し、現在は、各現場を回って、データ活用の具体的なアイディアがないか、ヒアリングをしています。 前置きが長くなりましたが、今日はヒアリングの中で感じることを書いてみます。 反応はおおむね良好 ヒアリングは、全体の2/3くらい消化して、あと1/3はこれからです。 ここまでヒアリングした部署の反応とその割合はこんな感じです。 積極的な意見:「絶対ほしい、アレもコレもやりたい…」 → 7割 慎重な意見:「確かにあれば便利だけど、金額次第かな…」 → 2割 消極的な意見:「ウチの部署は、統計といってもあんまり…」 → 1割 ところで、ここだけの話ですが、じつは私、今回のヒアリングを通して、対象者を「観察」をしています。 ヒアリングの対象者は各部署の所属長。 私は、この病院に入って、まだ4年ほどです。さまざまな部署の所属長と一緒に仕事をさせてもらった一方、中にはまだよく知らない人もいます。 「よく知らない」といっても、「たぶん、こんな人かな…」とイメージはあるわけで、今回はそれを確かめる良い機会になりました。 積極的な意見の人 DWH導入を画策している私としてはたいへんありがたい存在です。 話を聞いていると、やはり手作業のデータ集計が、病院の至るところで行われていることを実感します。 また、「実績を集計したりいろいろやるべきことはあるが、じつは日常業務に追われて手つかず…、どうしたらいいんでしょう!」と、さながら「懺悔」のムードになってしまったことも…。 多くの人が、いろいろな課題を抱えながらも現

「データ活用」の勉強会開催とその後

「当院でもにわかに活気づいてきたデータ活用」と題して、 前編 、 中編 、 後編 に分けて記事を書いたのが、2~3週間前。 今日は、開催した勉強会のことを書いておきます。 勉強会は、私がデータ活用について語る第一部と、データウェアハウス(DWH)ベンダーさんによる製品説明の第2部で構成しました。 この勉強会を開催する目的は、 「データの利活用のために、プラットフォームに高額なコストをかける必要があるか」 を判断することです。 そして、その判断のポイントは、「有効な使い道がどれだけあるか」というころになります。 強制参加という形はとらなかったのですが、声をかけた人たちは全員参加してくれました。 中には、部署の中堅職員を連れて参加してくださる方も。 賛成・反対は別にして、皆さん、関心はあるのだろうと…。 第一部、私のプレゼンは、だいたいこんな構成です。 電子カルテ導入から3年が過ぎ、なぜ今さら「データ活用」なのか 各部署で独自にデータを溜め込むことの功罪 データ活用事例・アイディアいろいろ プラットフォームによるメリット/デメリット ポイントは、3つめの「データ活用事例・アイディアいろいろ」でして…、最初に書いたとおり、「有効な使い道がどれだけあるか」を募るには、現場の人たちが、「なるほど!ウチの部署でこんな使い方ができるはず…」というイメージを持ってもらわなければなりません。 一生懸命説明しましたが、なにせ時間が限られていたもので…、とイイワケしておきます。 私の話に続き、DWHベンダーさんから製品説明をしていただき、勉強会は終了しました。 さて、今回の勉強会で一番興味を示してくれたのが、糖尿病の先生。 勉強会が終了してからも、かれこれ1時間近くDWHベンダーさんに質問攻め。 糖尿病は、検査データの管理や、検査のスケジュール管理など、データ活用が求められる分野だとは思っていましたが、これほどとは…。 医師がデータ活用推進派になってくれるなら、DWH導入に向けて強力な味方になりますが、導入してからのオーダーがスゴそうです。

グーグル、写真共有サービス「Picasa」を終了へ--「Google Photos」に一本化

グーグル、写真共有サービス「Picasa」を終了へ--「Google Photos」に一本化(CNET Japan)  忘れた頃にやってくる、Googleの「サービス終了」。 Googleフォトがリリースされた時点で、うすうすそんな気がしていましたが、やっぱりPicasa 、終了してしまうんですね。 私はPicasaを、PC内の写真を整理するアプリとして、ガッツリ使用しています。リリースされて間もなくこのサービスを知り、それ以来ずっと使っていました。 もともとプライベートの写真を整理するのに使っていたのですが、最近では仕事でも必要になり、便利に使っていました。 先日、「 2大クラウドフォトストレージの破壊力 」という記事にも書きましたが、 Googleフォトは無料で使用するためには、(いまのところ)1枚の写真の容量が1600万画素に制限される Amazonプライムフォトは、インターフェースが今ひとつ と、どちらも「あと一歩」ということで、やはり写真整理のベースはPicasaで、GoogleフォトとAmazonプライムフォトは、いずれも本格的に「移行するにはまだちょっと…」という幹事でした。 「Picasa ウェブアルバム」のサービスはいらないけど、デスクトップアプリの「Picasa」だけでも存続してもらえないかと思ってしまいますが、まずそんなことにはならないでしょう。 なんともいえないモヤモヤ感の中、こんなブログ記事を見つけました。 Picasaの終了と、10年続くウェブサービスの少なさ(Lifehacking.jp) ブログ管理人の、堀 E. 正岳さんが書かれている、 「あれはダメだ、次はこれだ」といつまでもフラフラしていては何も積み上がらない。何か基礎が座っていて、そこに新しいものを付けてゆくほうがいい については、大きくうなずいてしまいます。 もっとも、サービス提供側にすれば、古い設計に引っ張られて限界を感じることもあるのでしょう。 継続性を重視すれば革新性が発揮しにくく、革新性を求めれば切り捨てなければならないものも出てくる…、難しいですね さて、ここから息抜き、プライベートの話です。 カメラがデジタルになって20年ほど経つでしょうか。静止画も動画もデジタルに

当院でもにわかに活気づいてきた「データの活用」(後編)

HISのデータを2次利用したい、と日々思うものの、保守的な当院でなかなか言い出せずにいたところ、あるきっかけで大きく変わろうとしています。 このページにジャンプしてこられたかは、ぜひ「 前編 」、「 中編 」からご覧ください。 部長、鋭いッス… 部長先生(以下:部長)、私が密かに開発していたガジェットに、この上ない興味を示してくれました。 聞けば、データの活用については、ずっと考えていだのだそうです。 話していると、いろいろなアイディアが出てきます。医師として、それから管理者として、私には思いもつかない活用方法のアイディアに、思わずうなってしまいます。 定期検査が滞っている患者を抽出したい 医師別に(同じ目的で)異なる薬剤を使うことがあるが、その傾向を知りたい 院内感染(が起きてしまった場合~)その感染経路を補足したい 要員計画に反映するため、病棟の負荷率を計算したい 他にもいろいろ…、とても勉強になります。 そして、部長も懸念しているのが、各部署が独自にデータを持つこと。 各部署にそんな気はないでしょうが、情報という有効な「資産」が、囲い込まれてしまい、他の部署の職員はその存在すら知らない…。 その状況をなんとかしたいという、強い思いがうかがえます。 何度も書きますが、当院、とっても保守的なので、「データを活用して…」なんて考えてるのがバレたら、怒られかねないと思って、今まで慎重に考えて、考えて、考えて…考えた末に行動できず、だったのが、強力な味方の登場に、心強い限りです。 データウェアハウスを提案 ここは部長を信頼し、データを活用するにあたりいくつかの課題について説明。 そのうちの一つが、「どんなプラットフォームを使用するか」であることをお話ししました。 「 中編 」に書いたことを丁寧に説明しました。 ExcelやAccessなどでもできないことはないが、いろいろな意味で限界があること Webシステムは技術的に高度で、開発スキルの習得に多くの時間を費やすであろうこと。 いずれにしても、開発体制から検討しなければならないこと。 そして、DWH(データウェアハウス)製品の導入を提案しました。 DWHは、たしかに莫大な初期費用がかかりますが、その分、開発に携

当院でもにわかに活気づいてきた「データの活用」(中編)

HISに蓄積されたデータの活用をずっと考えていたのですが、保守的な組織の当院ではどうも抵抗感があるようで…。 ところが、思いがけないきっかけがあり、状況が変わろうとしています。 この記事に直接たどり着いたかたは、ぜひ「 前編 」からご覧ください。 プラットフォーム選択の悩み 「できることからはじめよう」と言ったわりには、どうしても先のことを考えてしまいます。 お金をかけずになんらかの仕組みを構築することはもちろん可能ですが、どうせなら構築したモノをムダにしたくない、という「色気」がでてきます。 開発環境と言うべきか、データベースエンジンと言うべきか、ここでは、仮に「プラットフォーム」と呼びますが、テスト的な開発でも、それなりに時間と労力はかかるので、できるものなら最初から本番と同じプラットフォームを使いたいところです。 せっかく作ったものが、プラットフォームが変わるので、また作り直し…は、できるなら避けたい。 じつは、データの活用については、今まで本業の合間でコツコツいろいろなモノを試してきました。 当院が採用している電子カルテのベンダーは、データの活用には寛容です。ただ、あまりサポートは受けられません。 「テーブル情報は公開しているから、読み取り専用なら好きにしていいよ」というスタンス。 まずは、ExcelやAccessでODBC接続し、いろいろいじってみました。 一応、実用化してもいいレベルのものもできています、公開には至っていませんが。 誰かから、「ウチの部署がやっていることにケチつける気か」なんて言われそうで…。 全部お蔵入りとはもったいない話ですが、構築していく中でいろいろとわかってきたことがあります。 処理能力の問題 ExcelやAccess(とVBA)は、最も手軽なプラットフォームの一つです。 しかし、できあがったアプリケーションを、「せっかくだから、院内で広く共有しよう」となると、排他制御や処理能力など、いろいろと問題が出てきます。 クライアント側で処理するので、データ量が多くなると急激に遅くなります。あるいは、「仕様」で一定量のデータは「読み込めない」なんてことも。 そんなとき思い出すのは、データウェア

当院でもにわかに活気づいてきた「データの活用」(前編)

2016年度の診療報酬改定の概要について、かなり詳細な情報が出回ってきました。 前回、2014年度改定は、システム部門の責任者だったので大変な思いをしましたが、今回の改定は気が楽です。 さて、今日から2回にわたって、「HISに蓄積されているデータを活用しようという気運が高まってきた」という話を書きます。 「データ活用」に対する抵抗感 ワタクシ、常々こんなことを思っています。 ITシステムの導入効果は、運用で半分、蓄積されたデータを活用して半分、両方こなしてこそシステムのメリットを享受できる。 これは、医療に限らず、他の業種でも同じ事がいえると思います。 システムに蓄積されているデータを分析することにより、新しい事実や傾向を発見し、現場にフィードバックすること、少し大げさですが、システムに携わる者の「醍醐味」だと思っています。 話は当院にもどります。 当院では、「データ活用」を叫んでも、あまり響きません。 ともすると「あざとい」なんて言われそうな雰囲気。どうも、データ活用=重箱の隅をつつく、ようなイメージがあるみたいです。 「より効率の良い仕事ができるように」とか、「安全な仕事ができるように」とか、そういうつもりなのですが、長い時間をかけて形成された病院の風土ということもあり、これまで「データの活用」を積極的に推進してきませんでした。 「玉砕」を傍観 そんなある日、ある部署の長(ここでは「科長」としておきましょう)が、会議の席で「データ活用」を呼びかけたのです。 科長の説明はこうです。 各部署では、電子カルテの使い勝手の悪い部分を、自らの部署で補っている。 電子カルテの画面を見ながら、データをExcelに入力したり、紙に書き写したりしている。 さらに問題なのは、そのデータが「部署のモノ」になっており、そのような有効なデータがあることを他の部署が知らない。 そして、同じような仕事を隣の部署でもやっている。 私は心の中で叫びました。 「そのとーーーーーり!」 科長は続けました。 今後、我が部署ではデータを活用するため、なんらかの仕組みを構築しようと思っている。 これは我が部署単独のモノでなく、院内で広く共有できればと考えているが、なにかアイディアや要望があれば、言ってほしい。 そ