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内視鏡画像の管理方法が決まりました

5月31日の記事、「 内視鏡画像の取り込み方法 」として、どうやって内視鏡の画像を管理していくのか検討中であることを書いたのですが、ようやく決まりました。 結局、PACSで管理することは見送り、独自にサーバーを立てることになりました。 電子カルテメーカーやPACSメーカーはもちろん、専用サーバーのメーカー4社5商品を提案していただきました。 内視鏡医師とメーカーの間に立って、いろいろ情報をやり取りさせてもらったので、いい勉強になりました。 電子カルテ+PACSで構築することが最も安価で済むので、最初はこの選択肢から検討しました。 この時点で、医師はレポートの作成の簡便性、作成したレポートのクオリティにかなりこだわっていました。となると、汎用である電子カルテやPACSのレポート機能は、やはり内視鏡専門に作られているシステムとは、決定的な差があり、早々にこの電子カルテ+PACSは選択肢から外れました。 そこから、毎週のように各メーカーのデモを見学し、デモ中に質問し、デモが終わってメールで質問し、他メーカーのデモを受けると、新たな疑問が湧いてきてまた質問…、2ヶ月ほど繰り返しました。 【洗浄管理】 ここではメーカー名は伏せますが、結局、大手メーカーに決まりました。 中小メーカーで安いところはあったのですが、「洗浄管理」のオプションがなく、選択肢から外れました。 内視鏡医師いわく、「今後、内視鏡は洗浄管理が必須になるだろう」とのことです。 洗浄管理システムを加えると、どの検査(患者様)に、どのスコープを使って、それがいつ洗浄されたのか、を記録として残すことができます。 もちろん、現在でも洗浄はやっていますが、これをより正確なデータベースとして蓄積できるようになります。 今回は洗浄管理システムを導入するには至りませんが、いずれ医療機関の義務として求められた場合、このオプションを購入すればそれが達成できます。 【先生、お疲れさまでした】 当院の内視鏡室は、専属の技師がいません。ですから、内視鏡室は医師と、外来の看護師のみで構成されます。 私見ですが、医師が細かい使い勝手にこだわるのは、必然だったのかもしれません。専属の技師がいれば、ある程度のことは医師が直接操作しなくても済むし、あるいはあまり機械が得意でな看護師のことを心配しなくて

ペンタブレットの検討

当院で電子カルテの導入が決まった後、比較的早い段階で話題になったのが、シェーマを「どのように描くか」です。 【医療業界以外に方に】 シェーマというのは、図のことです。例えばお腹の痛い患者様がいて、カルテに「どのへん(部位)か」を示すのに、文書では限界があり、いっそ絵にしてしまったほうが早いのです。 このシェーマが簡単に、また意図したとおりにかけるかどうかが、医師にとってはとても重要なのです。 当初、カルテメーカーに相談し、タッチペンタイプのディスプレイを試してみました。デモ機を借りることができたのですが、結果としてあまり医師の反応はよくありませんでした。 見ていると、タッチペンの性能よりも、ディスプレイの性能が問題であるように思えました。借りられた機種が少し古いこともあってか、解像度が低く、その割に筺体が大きく、スマートな印象がありません。隣にフルHD(1920×1080)が並んでいるのだからなおさらです。 また、「ペン入力を必要とするのはピンポイント」という点も考えなければなりません。 ディスプレイに直接ペン入力する場合は、ディスプレイを手元に、また、できるだけ水平に近い状態で置きたいものです。シェーマを書くときだけペンが使えれば良いわけなので、そのために常にディスプレイが”近すぎる”というのは、全体的に見たら作業効率を落としかねません。 ちなみに、今時フルHDのディスプレイが2万円前後で買えるのに、同じサイズのタッチペンのディスプレイだと20万円前後、文字通り一桁違います。これを各診察室にといったら、とんでもない金額になります。 で、結局、タブレットを試してみることになりました。手元においてマウスの代わりに使うタイプのものです。 結果はまた報告します。

デジカメの画像を電子カルテに取り込むには-デバイス管理

電子カルテの運用検討が本格化していく中で、「デジタルカメラの画像を電子カルテに貼り付けたい」という要望が出てきました。 どこの医療機関でも同様だと思いますが、デジカメは手軽に記録を残す手段として、医療現場では一般的に使用されています。 病棟では褥瘡の写真をとって記録したり、外来でもプリントしたものを紙カルテに貼ったりしています。 さて、電子カルテに画像を貼り付けることは、特に問題がありません。むしろ、紙運用していた時代よりも、デジタル同士、親和性が高く取り扱いも簡単です。 問題は、「デジカメの画像をいかにしてPCに取り込むか」ということです。 ポイントは、デバイス管理です。 基本的に電子カルテで使用するPCは、CD-ROMドライブやUSB端子を止めた状態で設置します。 USB端子は、物理的に止めるわけではなく、接続するデバイスによって許可することも可能です。 (でないと、キーボードやマウスが…) ただし、病院の各部署に散らばっている、それぞれメーカーや型式の違うデジカメを、どのようにコントロールてきるかは、今後調査が必要です。 【端末管理ソフトの導入】 ここのところ、毎日のようにネットワークに接続する機器が増えています。サーバーやクライアントPCはもちろん、プリンタなどの周辺機器、医療機器もデータやオーダーをやりとりするものは、軒並みLAN接続し、あたりまえですが、IPアドレスを割り当てなければなりません。 これまでは、なんとかExcelでやってきたのですが、いよいよ限界を感じていたところ、世には「資産管理ソフト」なるものがあるといいいます。各PCにソフトを常駐させ、TCP/IPの情報だけでなく、ウィルスソフトのバージョンや、デバイスの管理ができるというではありませんか。 こういったソフトで、効率的にUSBデバイスを管理することで、デジカメの接続も管理できないかと模索中です。 【無線LAN接続】 もう一つ、デジカメに特化した話ですが、ネットで色々調べている中で、 長野市民病院様 で興味深い取り組みをされていることがわかりました。 キモは「デジカメを無線LANで接続する」というものです。確かに、無線LANで接続すれば一定のセキュリティが保てます。USBデバイスとして細かく制御する必要もありません。 写真を撮影する前に、患

修理と買い替えの判断をするための取り組み

前回の記事、 部門システムの周辺機器を揃える で、ご質問をいただきました。 前回記事は、「ハードウェアトラブルが発生した時、まず予備機と交換し、引き上げたものについては修理の妥当性をゆっくり判断する」という仕組みを紹介しました。 いただいた質問は、「では、修理の妥当性をどう判断していくか」というものでした。 特別なノウハウがあるわけではないのですが、最近取り組んでいるのが、トラブルの情報をデータベース化するというものです。 「修理不能なので新しく買うしかない」という場合はわかりやすいというか、そもそも選択肢がありません。 面倒(と言ってはいけませんが)なのは、「修理すれば使える」というものです。たいていはこちらです。 単純に、「壊れたから買ってくれ」を「贅沢な行為」として取り締まる(?)のではなく、修理を繰り返すことのほうが「振り返ってみれば高い買い物をしていた」ということにならないよう、修理依頼を買い換えに促すことも必要です。 修理か買い替えか悩む機器の代表が「プリンタ」ではないでしょうか。 完全に動かなくなるまでではないけど、「最近紙詰まりが頻繁に起こる」とか。紙詰まりをリカバリーするために、まだ十分残っているとなカートリッジを無駄にしたとか。 私が当院に着任したときは、システム部門は現場から呼び出され、特に能動的な関わりはせず、淡々と修理対応し、必要に応じてメーカーに依頼するという仕組みでした。私は、電子カルテの導入で、保守業務は免除されているのですが、横目に見ながら、「我々はITのプロなのだから、もっと積極的に関わっても良いのでは」と、「トラブル情報のデータベース化」を提案しました。 トラブルの部署・場所 トラブル発生の日時 トラブルの内容・原因 トラブルの影響 どのような対応をしたか どれくらいの時間、費用がかかったか を、Googleドキュメントのスプレッドシートに書き溜めるようにしました。 ポイントの一つは、具体的な費用がかからずに済んだものも記載するということです。これまでは、修理費用が発生するものに関しては、院内で相応の書類が必要になりますが、システム部門の職員だけで解決したものは記録として残っていませんでした。 もう一つは、トラブルが現場に与えた影響を記録することです。 医