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職員の電子カルテ情報をどのように守るべきか

この問題で悩む医療機関は多いのではないでしょうか。 病院で勤務する職員は、ほとんどの場合、その病院の電子カルテに自身の情報が登録されます。 「健康だけが取り柄」な人でも、健康診断は避けられないので、病気知らずとはいえ電子カルテに情報は載ってしまいます。 電子カルテだから、基本的に職員であれば閲覧可能になっているわけで、やはりプライバシーの問題になるわけです。 この時代ですから、個人情報をなんらかの企業に預けることは、珍しいことではありません。しかし、それが身内からみられる可能性があるとなると、気持ちのいいものではありません。 私のような(慢性の肩こり・腰痛を除いて)至って健康な人間は、全く気にならないのですが、病院職員の中には女性職員もいたり、デリケートな疾患を持っている(いた)人もいます。 余談ですが、私の周りだけかもしれませんが、ドクターは自分のカルテを見られるのを嫌がる人が多いですね…。 さて本題です。この問題には、前職の医療機関でも経験しており、当院の電子カルテ導入でも、カルテベンダーさんと話を重ねました。 落としどころはこうなりました。 ログを監視する仕組みは、「形だけ」つくる。 監視していることを院内でチラつかせ抑止力とする。 まず、電子カルテの機能として存在する、「閲覧制限」について話し合いました。 ここで問題になったのは、職員でも救急で運ばれてくる可能性が「ないわけではない」ので、その時に、「カルテが開けない!」というのは、あってはならないだろうと…。 「閲覧制限」の千がなくなると、あとは、「見た人」をチェックするしかありません。 もちろん、職員のカルテが開かれたことを、ログからピックアップすることは至簡単なことです。 問題は、それが診療上の必要性があって開いたのか、それ以外の理由で開いたのかを識別することが困難なことです。 気の利いたアルゴリズムを構築して…、例えば、職員のカルテを開いても、オーダーが出ていれば、あるいは、会計が発生していれば問題ない…などのルールでログを自動的に解析できればよいのですが、そこまではカルテベンダーさんも手が回らないようです。 なので、常時監視するのではなく、ランダムにピックアップしてそれらしいものがあったら、閲覧した職員の上司に報告し、閲覧理

PACSの画面、ちゃんと閉じてますか?

電子カルテを導入してもうすぐ2年というところですが、ずっと解決できない問題があります。 最初は簡単にかたづく問題だと思っていたのですが、未だに解決できていません。 それは、「PACSのビューワー画面(以下:PACS)を自動的に閉じたい」というものです。 外来のブースで患者Aを診察しています。ディスプレイは2面構成になっており、片方のディスプレイに電子カルテが、もう片方の縦に見ているディスプレイにはPACSというのが、一般的なレイアウトでしょう。 患者Aの診察が終わり、オーダーを発行し、記録をセーブし、カルテを閉じます。 次の患者Bに診察室に入っていただきカルテを開きます。そこで、問題になるのですが、カルテからPACSを呼び出さない限り、もう一方のディスプレイには、患者Aの画像が開いたままです。 PACSの画像を見て内容がわかる人はそうそういないとは思いますが、だからといって許されるものではありません。 で、当院では、診察が終わるとスタッフが、毎回PACS画面をを「最小化」しています。 なぜ、「閉じる」ではなくて、「最小化」なのかは、再び使う際の起動時間の問題です。 当院が使用しているPACSは、「閉じる」で完全に終了してしまうと、再起動までに時間がかかるのです。その点、最小化なら問題ありません。 この、「電子カルテを閉じる際に、PACSを最小化したい」というのが、電子カルテの導入当初から指摘されていた問題であり、未だに解決できていないのです。 電子カルテ側には、シェルのアプリケーションがあるので、そこでなんらかのコマンドやバッチを起動することはできそうです。 しかし、PACSの側にそれらしきコマンドが用意されていないとのことです。 さて、この問題、当院だけではないはずで、PACSベンダーさんに「他の病院さんではどうしているのですか?」と聞いても、なぜか明確な返答をいただけなくて…。 この件、もともと言い出したのは当院の院長で、当時は、「早急に対応します」なんて引き受けたのですが、たいした進展もなくかれこれ2年。この話題になるたびに、頭をかいています。

マネジメントに悩む

検査予約のトラブル 先日、電子カルテシステムの運用で大きな問題が発生しました。 検査の予約システムで、一度入れた予約をキャンセルした場合、ある見方をするとキャンセルしたはずの予約枠が、予約が入っているように、つまりふさがっているようにみえるという事象です。 カルテベンダーに問い合わせ、すぐに「システムのバグ」であることが判明しました。こ修正プログラムもリリースされているとのことでさっそく適用しました。 さて、現場からの第一報の際に気になったのが、「前にもこんなことがあって◯◯さん(システム部門の職員、仮に職員Aとします)に話したのですが、そのままになっていて…」との情報。 過去のタスクリストを確認してみると、たしかに職員Aが同様の問題に対応しています。 そして、その際リリースされていた修正プログラムを適用していないことも判明。 この半年間、システムの都合で使用されなかった予約枠があったということです。 検査を待っている患者さんに迷惑をかけ、病院経営にマイナスの影響を与えていたわけで、院内各所に謝罪して回った次第です。 システム部門の体制に問題 我々の部署は、各職員が独自に仕事をしています。今回のようなトラブルシューティングも、あるいは開発案件も、基本的に1人の担当者が最初から最後まで対応します。 多くの病院のシステム部門では、仕事が飛び込んでくると、所属長が優先順位や、必要なスキルを判断して、チームの中で誰が対応するか決めているのではないでしょうか。 当院では、このようなコントロールを一切せず、オファーを受けた者が最初から最後まで対応します。 おそらく、このような体制は一般的ではないでしょう。各職員がかなり高いスキルを持ち合わせ、経営的観点から状況判断ができるレベルであれば成立するかもしれません。 なぜこのような体制をとっているかは、システム部門の設立の経緯や、病院の体制など、さまざまな事情があって、なかなか手短には語れないのですが、さまざまな危険性をはらみながらもなんとかやってきたところです。 ですが、ここのところさすがに限界を感じています。 今回のトラブルも、職員Aの対応を複数でチェックする仕組みがあれば、長い期間放置されることはなかったと考えられます。 医療業を営む中で、ITの重要性は高まるばかりです