投稿

3月, 2015の投稿を表示しています

災害時の透析患者さまのフォローについて

イメージ
先日、 EMIS(広域災害救急医療情報システム) の勉強会に参加してきました。災害発生時に、各医療機関が被害状況や診療の稼働状況を発信・共有するためのものです。 災害時に被災した都道府県を越えて医療機関の稼動状況など災害医療に関わる情報を共有し、被災地域での迅速且つ適切な医療・救護に関わる各種情報を集約・提供することを目的としている。(Webサイトより) 情報共有はITの得意とするところなので、こういう取り組みはどんどん整備されていけば良いと思っています。 ところで、当院で災害対策について話し合われるとき、いつも話題に上るのが透析患者さまの安否確認についてです。 透析患者さまは2~3日に1回、血液透析を受けています。これが滞るとどうなってしまうのか、医療の知識は私にはありませんので、この場で説明することはできませんが、それが患者さまにとって重大な問題であることは容易に想像できます。 そこで、そのような事態が発生したときに、どうやって血液透析を継続するか、ということになります。 一つの問題は、他院への紹介です。仮に、当院も被災して血液透析が継続できない自体になったとき、他の医療機関に頼るしかありません。患者さまとコンタクトがとれて、転院先の医療機関に過不足なく情報提供できれば良いのですが、はたして有事の際にスムーズにできるのか、という問題があります。 もう一つの問題は、透析患者さまに災害に見舞われ、例えば近隣の避難施設などに身を寄せている場合、我々医療機関は連絡のとりようがありません。 多くの透析患者さまは、自立通院できず、病院で送迎バスを出しおり、どこに迎えに行って良いのかわからなくなってしまいます。 当院でこの話が出るたび、いつも具体的な解決策に至らないまま話が終了します。 私自身勉強不足で、国や地方自治体には何らかの解決策があるのかもしれませんが、今後、情報収集していきたいと思います。

はじめて自分の病院で受診しました

先日、初めて自分が勤務する病院で外来受診しました。 医療機関の職員には、気軽に受診する人が多いのではないでしょうか。 待ち時間がやりくりできたり、顔見知りの安心感だったり、私の周りの職員は頻繁に受診する人が多いように感じます。 ところが、自分自身はどうかというと、知り合いばかりの中でというのは、かえって落ち着かないというか恥ずかしいというか、今の病院に就職してから3年ほど経ちますが、今まで健康診断以外で受診したことがなかったのです。 そんな中、私の子供が「マイコプラズマ肺炎」の診断を受けまして…、さすがに検査を受けないわけにはいかないだろうと、重い腰を上げたわけです。 で、自分で受診してみると、電子カルテを含めたシステムのことを含め、業務の流れやいろいろなことが気になります。 【待ち時間】 最初は一般の患者さんと同じように、待合室で呼び出しを待っていたのですが、予約時間が来てもなかなか呼ばれず、結局自分のデスクに戻って電子カルテをひらきました。すると、手に取るように予約した先生の診察がどれくらい遅れているかわかります。 「医療機関で患者さまの不満で一番多いのは待ち時間」というのはもはや定説ですが、改めてこれを感じました。 私のように、診察の進み具合が詳細にわかればその分イライラしなくて良いし、待ち時間の間自分の仕事ができるのだから、これ以上の時間の有効活用はありません。一般の患者さんの気持ちで考えると、やはり待ち時間はストレス以外の何者でもありません。 【自動精算機】 2年前の電子カルテ導入の時、再来受付機や自動精算機などの機器が設置されました。 高齢の患者さまに機械で手続きしていただくことについて、個人的にはあまり良い印象がなかったのですが、実際に自分が使ってみて、思っていたよりも簡単なことに気がつきました。 「高齢の方にバーコードを読み取らせるなんて」って思っていましたが、皆さんなれたもので、スイスイ精算処理をこなしていました。 【待合室のイスの配置】 システムとは関係ないのですが、待合室のイスの配置によっては、なんとも落ち着かない場所になることがわかりました。 駅のホームみたいに、座っている人に対し、通行人が右から左、左から右に移動する位置関係だとあまりに気にならないのですが、座っている人の正面から通行人が

外来の予約枠数の設定はアンタッチャブルだそうで

当院では、どうも電子カルテ(のデータ)を経営に活用するということは全くなかったのですが…電子カルテ導入から2年が経過した今、ようやくオーダーが入りました。 「外来の予約枠がどれくらい埋まっているのか、稼働率を集計しろ」と。 なにやら話を聞くと、非常勤の先生が思ったほど稼働率が上がっていないのだそうです。 電子カルテには、それっぽいツールがいろいろと用意されているのですが、どうも当院で求められているものとは若干のずれがあるようで、自分でデータを加工することにしました。 私は、昔からMicrsoft社のAccessというデータベースソフトを使っております。電子カルテのデータベースにAccessから接続できれば…と、これが意外にもあっさりOK。 じつは、本番のデータベースに直接接続するのではなく、認められているのは、レプリケーションしているバックアップのデータベースでした。 というわけで、環境さえ整えば外来の患者数を集計するくらいは簡単な仕事です。 さて、今回のお題は「稼働率」ということなので、設定されている「予約枠数」に対し、どれだけの診療数だったのか、あるいは、どれだけ予約が埋まっているのかで、「稼働率」を算出します。 案の定、著しく稼働率が低い先生がいます。 といっても、これは先生だけの問題ではありません。というか、先生がどうにもならない構造上の問題の方が大きいように感じます。患者さまへの告知が不足していたり、予約を調整するスタッフに情報が浸透していないのだと思います。 もう一つは、「そもそも、設定されている予約枠が適切なのか」ということです。同じ患者数をこなしても、あらかじめ設定している予約枠が少ないなら、「カツカツ」に、多めに予約枠を設定していれば「スカスカ」になってしまいます。 集計結果の報告の際に、これらの問題もあわせて説明したところ、「予約枠のことは、(本人に)あんまり言えないんだよな~」と副院長。 その理由までは聞きませんでしたが、副院長の気苦労、お察しします…。