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9月, 2016の投稿を表示しています

災害時の職員の安否確認はLINEで?

少し前の話なのですが、電子カルテメーカーさんのユーザー会に参加した時のことです。 今年4月の熊本地震で、実際に被災された病院さんが、当時の状況を説明してくれました。 お話ししてくださったのはシステム担当の方だったのですが、システム担当者としてはもちろん、病院の一職員として様々な情報を生々しく教えたいただき、たいへん貴重な情報でした。 どれも興味深い内容だったのですが、今日はその中から、職員の安否確認について。 複数の病院の方が発表されたのですが、皆さん口を揃えて言っていたのが、「電話がつながらない」ということ。 一方で、以外にも連絡を取りやすかったのが、「LINE」であったとも。 順位をつけるなら LINE > 携帯電話 > 固定電話 だったようです。 その技術的な背景については触れられていませんでしたが、やはり、固定電話よりも携帯電話の方がフレキシブルなのでしょうか。 発表の中で語られていたのですが、自家発電などの災害対策設備を始動させるにあたって、その操作を知る施設課職員が被災して、対応が遅れたとのことでした。 また、別の病院のシステム担当者は、普段から「もしもの時は自分でなんとかする」と決めていたものの、出張中でなにもできず、ご自身の考えのあまさを悔いていらっしゃいました。 医療機関に限ったことではないと思いますが、やはり組織は「人」で成り立っているものです。 仕事を属人化させないために、組織を整え強化するのでしょうが、それが徹底できないのは、日常的には組織も個人もその方が「楽だから」なのでしょう。 こういう発表を聞くと、我に返ります。 さて、当院の緊急連絡網はというと、昔ながら電話リレーです。 個人情報保護がうるさく言われるようになってからは、連絡網を記した資料でさえ、「知る人ぞ知る」になっています。これで、本当に災害が発生した時、対応できるのかと思います。 災害対策、BCPの話になると、どうしても「どこまでお金をかけるのか」という話になります。 もちろん、お金のかけ方については経営判断によりますが、緊急時の連絡手段の確認くらいは見直したいものです。

患者さま向けWifiの整備について

今、患者さま向けのWifiの導入を検討するよう指示を受けて、いろいろと調べています。 仕組みや費用のことはもちろん、「本当に必要なのか」も含めて。 医療機関にメリットがあるのか カフェでネット接続するのはあたりまえ、ホテルやショッピングセンターなどの商業施設、飛行機や新幹線なんかでもフリーで使えるWifiが整備される時代です。 医療機関だって、外来患者さまの診察待ちや、入院患者さまの娯楽に、お見舞いの方の暇つぶしなど、たしかにあれば便利です。 しかし、それなりにお金はかかるわけで…。 月々の通信費はそれほどではないにしても、問題は設備費用です。 どこまでの場所にスポットを設置するかによって違いますが、数十万円からの費用が必要になるでしょう。 ところで、多くの商業施設でWifiを導入するのは、顧客確保のメリットがあるからだと思います。 顧客に選んでもらうため、あるいは、顧客により長い時間滞在してもらうため…。 私も、ホテルを選ぶ時は、かならずWifiが整備されたホテルを選んでいます。 (今時ない方が珍しいですが) 言うまでもありませんが、この点で医療機関では事情が異なります。 患者さま医療機関を選ぶ時、「Wifiがあるから」は、あまり関係ありません。 「Wifiがあって快適だからもう少し病院に滞在しよう」とはなりません。 こう考えると、医療機関が患者さま向けのWifiを整備するのは、純粋に患者さまの満足向上ということになり、医療機関は「持ち出し」になります。 その他、私が思いつく、医療機関側にとってのデメリットはこんなところです。 1.接続方法の問い合わせに対応する職員の負担 フリーのWifiスポットなって、今時珍しくもなんともないですが、病院を訪れる方々にとってはどうなんですかね。SSIDとパスワードを示せば、皆さん勝手にやってくれるのでしょうか。そもそも「ネットワークの設定ってどこにあるのか?」なんて問い合わせになりませんかね。 患者さまがその辺の職員を捕まえて、こんな質問をし始めたら…。 システム部門を呼ぶのは良いのですが、呼ぶこと自体が負担にならないかと…。 2.しっかりやるなら設備機器も高騰するのでは セ

iPhone7に死角なし?ガンバレSONY!

iPhone7/7 Plusが発表されました。 大きな話題になっているのが、 処理能力の向上 防水対応 Felica搭載 デュアルカメラ イヤホンジャックの廃止 新色追加 などなど。もちろん基本性能もアップしています。 (詳しい情報は、その筋のサイトをご覧ください) 情報サイトでは、「想定の範囲内で目新しさはない」とか、「Felicaで盛り上がっているのは日本だけ」など、比較的冷めた記事が多く感じますが、私にとっては十分なインパクトです。 ワタクシ、このブログでも何度となく「SONYファン」を公言しており、もちろん使っているスマホは長らくXperiaシリーズ。 ところが、妻のiPhone6 Plusに触れるたびに、その「プロダクト」としての魅力に心奪われます。 なにをもってスマホの機種を評価するかは個人差があると思いますが、私がiPhoneに感じるのは、「クオリティの高いデザイン」と、それを高い次元で具体化する工業製品としての「高い精度」です。 本当に、素晴らしい「製品」だと思います。 この点では、妻のiPhone6 Plusに比べると、私のXperia Z5は、正直見劣りします。 しかし、Xperiaを使い続ける理由として、いや、iPhoneを使わない理由として、2つの大きな要素がありました。 それは、「防水」と「Felica」。 そして、iPhone7で、とうとうこの2つが搭載されてしまったのです。 仲間内でも、「防水とFelicaが搭載されたら、iPhoneに乗り換えるかも…」なんて軽口を叩いていましたが、これが現実になりそうな…。 スマートフォンの世界市場では、Apple、Samsungはもちろん、HUAWEI、xiaomi、Lenovoなどの中国勢にも押され、すっかり存在感をなくしているSONY。 数がさばけなければ、原価率が上がり、収益率が落ち、開発費はますます苦しくなるでしょう。 PCからの事実上の撤退が記憶に新しいSONY、スマホだけでもなんとか継続してほしいものです。

予定の検査なのに、オーダーを入力するのは前日

今、透析患者の「検査オーダーの履歴を集計する」という仕事に取り組んでいます。 透析患者さまは、ルーティンでいろいろな検査をします。 診療のことは私はよくわかりませんが、超音波(エコー)検査などでシャントの状態を、SPPやCABI等の検査で血管の状態を定期的に補足し、患者さまに問題が新たな問題が発生していないか、細心の注意を払っているようです。 これらの検査は、自覚症状がなくても、当院で定めたルーティンで、定期的に行われます。 今回、相談をいただいたのは、この「定期の検査の入力を簡略化したい」という案件です。 「簡略化したい」とはどういうことでしょう。おそらく、なにか面倒なことがあるのでしょう。 検査の種類ごとに、1年に1回、半年に1回、3ヶ月ごとに1回など、間隔が決まっている。 決められた間隔で検査をするにあたり、患者ごとに各検査を「いつしたか」をExcelで管理している。 Excelに転記するため、患者ごとにカルテを開き、目的の検査の履歴を探すのが「面倒」。 なるほど。 当然ですが、電子カルテには、実施した検査の情報がデータとして蓄積されています。 これを加工すれば、患者さまが、それぞれの検査を、最後にしたのがいつか、を一覧にすることは、簡単なことです。 なんだったら、次の検査の予定を補足することだって、難しいことではありません。 履歴だけでいいんです ところが、「次の検査はいいので、『前回の検査をいつやったか』だけわかれば…」と。 いやいや、「次の検査がいつなのかわかったら、もっと便利なのでは」と押してみるも、それは電子カルテの運用上、ムリなのだそうです。 予定のオーダーは入力しないのだから…。 オーダー入力は前日 正確に言うと、オーダーを入力しないのではなく、オーダーを入力するのが「実施日の前日」なのだそうです。 なぜ、そんな面倒なことをしているかというと、数ヶ月前にオーダーを入力したところで、患者さまの透析の「曜日」が変わることがあるからなのだそうです。 透析患者さまは、多くの場合、週に3回の血液透析をします。2回/週や4回/週の患者さまもいるかもしれませんが、当院ではほとんど3回/週です。 すると、月・水・金で通われる