患者さま向けWifiの整備について

今、患者さま向けのWifiの導入を検討するよう指示を受けて、いろいろと調べています。

仕組みや費用のことはもちろん、「本当に必要なのか」も含めて。


医療機関にメリットがあるのか

カフェでネット接続するのはあたりまえ、ホテルやショッピングセンターなどの商業施設、飛行機や新幹線なんかでもフリーで使えるWifiが整備される時代です。

医療機関だって、外来患者さまの診察待ちや、入院患者さまの娯楽に、お見舞いの方の暇つぶしなど、たしかにあれば便利です。

しかし、それなりにお金はかかるわけで…。

月々の通信費はそれほどではないにしても、問題は設備費用です。

どこまでの場所にスポットを設置するかによって違いますが、数十万円からの費用が必要になるでしょう。

ところで、多くの商業施設でWifiを導入するのは、顧客確保のメリットがあるからだと思います。

顧客に選んでもらうため、あるいは、顧客により長い時間滞在してもらうため…。

私も、ホテルを選ぶ時は、かならずWifiが整備されたホテルを選んでいます。
(今時ない方が珍しいですが)

言うまでもありませんが、この点で医療機関では事情が異なります。

患者さま医療機関を選ぶ時、「Wifiがあるから」は、あまり関係ありません。

「Wifiがあって快適だからもう少し病院に滞在しよう」とはなりません。

こう考えると、医療機関が患者さま向けのWifiを整備するのは、純粋に患者さまの満足向上ということになり、医療機関は「持ち出し」になります。




その他、私が思いつく、医療機関側にとってのデメリットはこんなところです。

1.接続方法の問い合わせに対応する職員の負担

フリーのWifiスポットなって、今時珍しくもなんともないですが、病院を訪れる方々にとってはどうなんですかね。SSIDとパスワードを示せば、皆さん勝手にやってくれるのでしょうか。そもそも「ネットワークの設定ってどこにあるのか?」なんて問い合わせになりませんかね。

患者さまがその辺の職員を捕まえて、こんな質問をし始めたら…。
システム部門を呼ぶのは良いのですが、呼ぶこと自体が負担にならないかと…。

2.しっかりやるなら設備機器も高騰するのでは

セキュリティや、アクセスコントロール、ログの管理などを求めるようであれば、やはりそれなりの機器が必要になりますね。

3.有料テレビとのバランス

当院では、病室でのテレビ視聴は有料になっています。「テレビカード」なるものを購入していただく、「課金制」です。

そこで、タブレットなどで動画を見ている患者さまが現れたとします。動画を見ていただくのは構わないのですが、「TV視聴」と「インターネット動画」の区別ができない患者さまに、「これは有料で、あれは無料」の説明をすることが職員の負担になると思われます。

まあ、有料テレビの収入がどれだけ病院経営に貢献しているのかわかりませんが…。

先日、親族が入院した病院では、各部屋にネットが使えるモニタがセットされていて、「Huluでずっと韓国ドラマ見てる」って言っていました。



他にもあげればいろいろあるのかもしれませんね。


少し話はそれますが、日本に対する外国人観光客の不満としてよく話題になるのが、この「無料Wifiの整備状況」についてです。

ということは、海外では無料Wifiが至るところで整備されているということなのでしょうか。

日本では無料のWifiを提供しているのは、もっぱら商業目的だと思っていますが、社会インフラとして行政が整備しているということなのでしょうか。

少し調べてみようと思います。






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