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医療機関のサーバー仮想化は時代の流れなのか

先日、医療機関のシステム管理者が集まる私的な研究会に参加した時のことです。 いくつかの興味深いテーマについて、プレゼンあり、意見交換ありの、たいへん有意義な会でした。 その中で、システムのリプレースについて話し合われた時のことです。 テーマは「ベンダーロックに、いかに対応するか」です。 ベンダーロックとは、既存のシステム、あるいは、すでに導入が決定しているシステムのベンダーにより、ユーザー側の自由度がなくなってしまうことを言います。 例えば、一定期間使っていたシステムを、他ベンダーに移行しようとした場合、データ移行の協力を既存ベンダーに申し出ると、法外な費用を提示された、なんてことは、システムに関わる人なら一度や二度経験しているのではないでしょうか。 そんな「ベンダー主導」にならないように、我々医療機関側はどんな対策ができるか、ということで意見が交わされました。 その中で気になったのが、大病院ではサーバーの仮想化が前提で話をされていることです。 「システムインテグレーターに、Hiper-Vの採用を打診したら、VMwareでなければダメだって断られた」 「各部門システムが、(仮想サーバー環境下での)自社の割り当てリソースに、法外な値を要求してくる」 「(仮想サーバー環境下での)動作検証費用が膨らんで予算を圧迫する」 などなど、こんな会話が、普通に交わされています。 もう、「(従来の)物理サーバーか、仮想サーバーか、」という話は、そこにはありませんでした。 これらの話は、いずれも大病院、ベッド数で言えば、最も少ない病院でも400床くらいだったと思います。 もちろん、当院はそこまでの規模ではありません。 しかし、レセコン(古い?)にせよ、オーダリングにせよ、電子カルテにせよ、大病院が導入し、その後中小病院にも普及していった歴史があります。 当院のような中小病院でもサーバーを仮想化するのは、時間の問題なのかもしれません。 実際に扱ったことがないからわかりませんが、サーバーの仮想化と言えば、これを使いこなすにはそれまでとは異なるスキルが求められることでしょう。 逆に、仮想化をシステムベンダーに丸投げしてしまうようでは、それこそコストだけが膨らんでしまうのでしょう。 あと何年後になるかわかりません

年末に向けて予算申請の準備が本格化、DWHは予算化できるのか?

当院では、来年度の予算立案に向けて、各部署が12月までに、必要な備品や設備などについて申請するルールになっています。 過去記事 「HIS系システムの中長期計画を立てることになりました」(2016/5/17) で書いたとおり、私は、各システムのリプレースのとりまとめをする仕事があり、各部署とメーカーさんからの情報収集、そして院長・事務長への説明に追われる日々です。 なんといっても、来年度2017年は、当院が電子カルテを導入した2012年から数え丸5年を経過します。 5年と言えば、システム見直しの一つの目安であり、特にサーバー関係の保守契約が満了することで、一部・あるいは全部のリプレースを迫られます。 各部署とメーカさんへの一次ヒアリングは終了しており、今のところ一部の部門システムを除いては、大きく動くことはなさそうです。 そして今、悩みに悩んでいるのが、他でもない、私が使用するDWH/BIツールの購入を申請するかどうか。 なんだかんだで、1年がかりで温めている案件。 話が出た当時は少し盛り上がったのですが、なんとなく院長に話すには自信がなく、時間ばかりが経過してしまいました。 最近、データ分析のオファーが殺到しており、かなり活気づいてはいるのですが、「導入費用の元が取れるのか?」と突っ込まれると、そこまでの材料は持ち合わせていません。 予算申請まで1ヶ月少々、データ活用の実績を積み上げ、なんとか来年度予算にねじ込みたい…。

情報の収集と拡散、私が目指す経営企画室

先日、あるダイレクトメールに目がとまりました。 「ESA製剤適正化ソフト」なるものです。 当院は大規模な透析施設を運営しております。血液透析は当院の収益構造の柱の一つと言えます。 血液透析の中である種の薬品、「ESA製剤」を使って透析患者さまの状態をコントロールするのですが、このESA製剤、たいへん高価なのです。 高価な一方、種類が豊富にあり、患者様の状態に合わせ適切なものを使用すれば良いのですが、過剰に投与することは本来病院が得られる収益を圧迫することになります。 それを解決するのが、この「ESA製剤適正化ソフト」ということです。 当院ではどうなっているのか、情報がバラバラ 当院では、長いこと血液透析に取り組んでいるので、当然このような取り組み(ESA製剤の適正化)は行われているのだろうと思いますが、念のため、現場に確認することにしました。 すると、「もちろんやっている」、「昔はやっていたけど今はやっていない」、「いや、仕組みはあるけど普及していないだけ」と、もう聞く人(部署)によってバラバラ。 「やっている」派の人も全ての人が同じ見解ではなく、「あの部署がやっている」という「部署」が違ったり、使っているデータの出どこが違ったり、これまたバラバラ。 こんな疑念が湧いてきます。 本当はESA製剤の投与量が正しくコントロールされていないのではないか されていたとしても、複数の部署で同じような仕事をしているのではないか いずれにしても「残念」なことです。 この件は、今後しっかりと調査しようと考えています。 バーコードがある同意書、ない同意書 もうひとつ、「残念」な事例を。 紙の同意書をスキャンして保存することは、今や珍しいことではなく、当院でも4年前(2012年)の電子カルテ導入と同時に取り組んでいます。 先日、人事異動で、医事課の職員が健診部門に移ってきた時のこと。 「健診の同意書って、こんなに面倒なんですか?」と。 通常、同意書には全てバーコードが印刷されており、複数の同意書をまとめてスキャナにかけても、患者別フォルダ別に自動的に仕分けされます。 ところが、健診で発行している同意書にはバーコードが設定されておらず、一人ずつ患者様のカル