投稿

2014の投稿を表示しています

Webサイトのリニューアルに向け、制作会社の選定

じつは、少し前から動いていた話なのですが、当院のWebサイトをリニューアルするにあたり、その担当をすることになりました。 かれこれ1年くらい前から話が出ていて、全面的にリニューアルしようということで、Webサイトの制作会社の選定から行いました。 現行のサイトを制作した会社にも声をかけて、全部で4社を比較しました。 Webページは、基本的にはHTMLという共通の言語で記述され(いろいろなスクリプトなどがありますが、それは専門のサイトご覧ください)ます。ということは、制作会社を比較する際、技術的な要素で差別化することは難しくなります。 電子カルテだったら、「他社にはないこの機能が”売り”です」と言えますが、Web制作はそういうわけにもいきません。 当院ではこんな点に着目して、制作会社を比較しました。 医療機関のサイトを作成した経験と、これに基づく提案力 スマートフォンサイトの対応 金額 【医療機関サイトの経験と提案力】 医療関係者の型は皆さんご存じだと思いますが、医療機関のWebサイトには微妙な「制約」があります。 医療法には広告規制 がありますが、Webサイトはこの「規制」の対象外です。しかし、このご時世でそうも言っていられないのでしょう…、厚生労働省は ガイドライン なるものを公開しています。 虚偽はもちろんですが、たとえば「絶大な効果があります!」みたいな客観性に欠ける内容もNGです。「国内最大の」なんていうのもNGです。でも、こういうセリフって、医療以外の業界ではよく見かけます。 そういった中で、情報を伝達するチャネルの一つとして効果を上げるためのノウハウを提供していただける会社にしたかったのです。 また、サイトを運営していく中では、いろいろな課題に直面すると思うので、制作段階だけではなく、継続的にノウハウの提供をしていただける会社にしたかったのです。 現行のサイトは、5年前に全面リニューアルした際、 CMS を採用し、それ以来、ずっと同じデザインのまま、新着情報だけCMSでアップデートしてきたのです。 【スマートフォンサイトの対応】 どれくらいの人たちがWebサイトの閲覧にスマートフォンを使うのか、正確な数字はわかりませんが、おそらく相当な割合なのだろうと思い

結局、VAIO 13Aを手放し、Pro13を購入

前回投稿から、ずいぶんと時間が空いてしまいました。 その間何をしていたかというと、ズバリ、メインPCのリプレイスです。 以前、メインPCとして、 VAIO Fit13A を使い始めたのが、今年(2014年)の2月でした。 このFit 13A、画面がクルッと回って、タブレットにもなるという、独特の構造でデビュー。 当時、タブレットや、タブレットとのハイブリッド機が、今後普及してくるのだろうと考え、システム管理者として、一般職員に先んじて体験しておく、ということでこの機種を選んだのですが、考えていたほど、タブレットとしての出番がなかったのです。 その独特な機構のため、同クラスのPCと比べると重くなるのはしかたないのですが、使わない変形機構のおかげで重くなっているかと思うと、なんともやりきれない気持ちでした。 詳しくは当時の記事をご覧ください。 SONY、PC事業から撤退!の中、VAIO Fit13A レビュー(2014/2/13) そして、2014年12月、思い切って(というほどでもないのですが) VAIO Pro13 に乗り換えてしまいました。 11月下旬、事務系の課長が、きっかけがあってPCを入れ替えなければならなくなったのですが、その課長、「俺も ベルカンポ みたいに、院内で持ち歩けて、デスクではディスプレイとキーボードを接続して使いたいんだけど…、っていうか、 ベルカンポ と同じのがいいんだけど…」と。 ここぞとばかりに私、「だったらコレ、使いますか?」 これぞ「渡りに船」。 「この型はもう生産していないので、市場で見つからないと思うんです。でも、課長がコレを使いたいのであれば…、ぜひ使ってください!」 なんて、「渋々譲る」を演出。 そして、PCを購入する権利が私の元に転がり込んできたわけです。 「何にしようかな~」なんて、一応、価格.COMに目を通しますが、心の中ではすでに決まっています。 Fit13Aを購入してからずっと抱いていた思い、「なんでPro13にしなかったんだ…」を今こそ晴らす時。 Pro13は、SONYから独立したVAIO株式会社で継続して販売しているのですが、若干価格が高い感じがして、結局、SONY時代のモデル、つまり今回手放すFit13A

バーコードの読み取りは、スキャナの精度も関係があるようです

入院患者さまのリストバンドに始まり、検体ラベル、注射ラベル、受付票、会計票…と、さまざまなシーンで活躍するバーコード。 読み取りの精度でお困りの病院はありませんか。 いっそエラーになってくれればいいのですが、「読み違え」は本当に困ります。 一度バーコードの認識が間違うと、それが1万件に1件だろうが、100万件に1件だろうが、「バーコードを読み間違える可能性」を考慮したオペレーションをしなければならなくなるので、現場の業務負担は飛躍的に増えます。 当院では、電子カルテ導入からもうすぐ2年になりますが、たまに読み間違いがあって、インシデント報告であがってきたりします。 報告の「今度の対策」欄に、「必ず目視でも確認する」と書いてあると、システムを司る側としては、心が痛みます。 さて、このバーコードの読み取り精度についてですが、最近、スキャナの精度も関係していることに気づきました。 先日、「検体ラベルが読めない」ということで、連絡を受けました。ほどなくして、原因が、ラベルプリンタにあるということがわかりました。ラベルプリンタの細かいピンが欠けたことにより、白く筋が入るというか、印刷されないラインが入っていたのです。その幅は、肉眼でなんとかわかる程度。 この時、電子カルテのPCに接続している、1本1万円程度のスキャナでは読み取りエラーになるのですが、検査装置に付属している見るからに高そうなスキャナだと、キレイに読み取るのです。 最初は、これって検査装置のスキャナのほうが「大雑把」なのでは…と思ったのですが、メーカーさんに確認したら、これは「バーコードを補正する機能がある」からなのだそうです。 電子カルテ導入の際に機器選定したのは他でもない私なのですが、正直うと、バーコードスキャナに対する認識が低く、「バーコードなんて統一規格なんだから、どれでもいっしょ」くらいの考えでした。むしろ、ハードに扱われるので、消耗品的な考えて、安いもので回したほうがよいと思っていたくらいです。 認識率を向上させるには、他にも、バーコードの印刷を工夫するとか、チェック用の桁を埋め込むとか、いろいろ方法はあるのですが、これから導入を検討されている病院さんは、スキャナの精度も十分ご検討したほうが良いかと思います。

オムロンのスポットチェックモニタが盛り上がっているようです

オムロンコーリンさんの スポットチェックモニタ って、ご存じですか。 患者さまのバイタルを測定して、無線LANでネットワークに送信する装置です。 当院では、電子カルテを導入した2012年12月から使用しています。 EconomicNews「オムロンのスポットチェックモニタ「HBP-1600」の進化は止まらない」(2014/10/16) 電子カルテの導入を検討している時期は、電子カルテの経過表を使うか、それとも今までどおり紙で管理するか、なんていう話題がありました。 今では紙の経過表なんて考えられませんが、当時は真剣に悩んだものです。 ちなみに、その当時、「 温度版に書くか、直接入力するか 」なんていう記事にしたのですが、この記事、今でもポチポチアクセスされているようです。 で、経過表がPCに置き換わると、「自動的に入力できないか」と考えるのが自然です。 それを実現しているのが、このスポットチェックモニタです。 比較的早い時期からsポットチェックモニタを導入していた当院には、たびたび導入検討中の医療機関様から、見学の申し込みがあったりして、こんなイナカまでお越しいただくのに恐縮したります。 システム管理者の集まりでも時折話題に話題になったりして、その時はちょっと鼻が高くなってしまったり…。 このスポットチェックモニタ、ここにきて結構注目を集めているのではないかと感じています。 先日も、「注目を集めている」ことを体感することがありました。 今、当院では、血糖測定器の導入を検討しています。今でも血糖測定器はあるのですが、電子カルテにデータを転送する機能がついたものにリプレイスしたいのです。 (先に書いておきたいのですが、スポットチェックモニタには血糖測定の機能はありません。) 血糖測定器をリリースしているメーカーさんにコンタクトを取って、製品について説明していただくわけですが、その際、「スポットチェックモニタを使用している」と話すと、ほとんどのメーカーさんが「スポットチェックモニタ経由でデータ送信することができるんです」と、声のトーンが一段階上がるのです。 もともとスポットチェックモニタでは、RFIDで各種センサーからデータを取得するのですが、同じく、RFIDを使って転送するもの、USB接続するもの

iPadを使ったプレゼンに感心

先日、当院で新しい施設を建設するための打ち合わせがありました。 打ち合わせの中心に、今回ご担当いただく設計士の先生がいたのですが、その先生、iPadを使ってプレゼンテーションを始めたのです。 今回の記事は、プレゼンの中身ではなく、プレゼンそのもの話です。 私にとって、iPadなどのタブレットを使ったプレゼンは初めてでした。 最初は、こんなふうに思っていました。 たしかにiPadだったら、持ち運びが軽くていいだろう。 でも、資料はPCで作っているはずだから、コンバートするのが面倒ではないか。 専用のコネクタが必要になるのは面倒だな。 と、とりたてて驚くこともなく、淡々とプレゼンは進んでいきました。 ところが、工期のガントチャートを表示したところで、思わぬ感動が…。 1枚のスライドに、これからの2年余りに渡る全工程が入っているものだから、全体を見渡すには良いのですが、今月、来月の話をするには表示が小さすぎるのです。 案の定、話題は「全体の話」から、「直近の課題を議論する」ことに…。 すると、サッと画面をピンチアウト(つまんで広げる操作)して、今月と来月の部分を拡大したのです。位置がずれても、指先でサッと整えて、そのまま議論に入りました。 しばらくしてまた全体の話になったら、サッとピンチイン(つまんで狭める操作)で、全行程を画面に表示しました。 全体のイメージもつかみやすく、ディスカッションの流れを止めることなく、そのまま各論にも入っていける。 「これは、アリだな」 と、感動してしまいました。 ところで、私がメインで使っているPCは、SONYのノートPCで、タブレットスタイルでも使えるタイプなのです。 以前に SONY、PC事業から撤退!の中、VAIO Fit13A レビュー という記事で、その評価を書きました。 その時の結論としては、「今後、タブレットとしての使い道がどれだけあるか」と締めくくったのですが、その後タブレットとして使った回数は正直言って「0回」。ノートPCとタブレットは、まだ別々に考えたほうが良いという思いが日に日に強くなっていました。はっきり言って、ノートPCで良かったと後悔していました。 設計士の先生のプレゼンを参考に、私のVAIOにも、新しい魅力が見つかる

漏電検査で電子カルテサーバーがダウン(後編)

前編 では、電子カルテのサーバー次々にシャットダウンしていくところまで書きました。 もう、頭は真っ白、事態が飲み込めずにいると、ほどなくして今度は各ランプが激しく点灯し始め、けたたましい音でファンが高回転しているのがわかります。「ブーン」どころか、「ウォーッ」みたいな…。 これは、まさにサーバーが起動する「儀式」。 そして、サーバーがシャットダウンしたことを認める私。 PHSが鳴り「うわっ、来た…」と思いながら応答すると、 「なんか、電カルの画面に、通信エラーとか出てるんですけど…」と。 電子カルテベンダーさんに急ぎ電話して、リモートで状況確認していただくも、 「たしかに、一度シャットダウンしているようですが…」とのこと。 「とにかく、なんでもいいから、サーバーよ、早く起動してくれ」と祈る私。 時間の経過がやたらと長く感じます。 こういう時、ベンダーさんの担当者が冷静なのがカチンと来たり…。 結局、シャットダウンからサーバーが完全に起動し、電子カルテは正常を取り戻すまで30分程度の時間が経過しました。 カルテベンダーさんから原因調査の報告をいただいたのはその翌日でした。 原因はUPSの設定ミスであったとのこと。 前編 に書きましたが、停電を検知してから、一定の時間電源供給が回復しないとシャットダウンシークエンスが指導する設定で、通常はこれを240秒で設定しております。 今回、この秒数をキャンセルすることにしたことにより、パラメータを「9999(秒)」に設定したのだそうです。(設定はベンダーさんがリモートでするので、我々は操作しないのです) ところが、この「9999(秒)」は、「停電を感知したら、即時シャットダウンシークエンスを開始する設定」だったのです。 では、シャットダウンさせないようにするには…、パラメータを「0(秒)」にするのです。 なんともまぎらわしいのですが、これがUPSとコントロールソフトの「仕様」なのだから、しかたありません。 これには、カルテベンダーさんも平あやまりでした。 わかってしまえば、なんてことのない些細なミスですが、現場のみんさんには本当に申し訳ないことをしました。 漏電検査は毎年行われるので、つぎしっかり準備したいと思います。

漏電検査で電子カルテサーバーがダウン(前編)

先日、電子カルテサーバーが停止するという、大トラブルがありました。 それは、毎年行われている「漏電点検」の作業中に起きました。 漏電検査では、検査中は商用電源を切り、必要最低限の設備のみ、自家発電機による「非常電源」で稼働させます。 非常電源に切り替えると言っても、シームレスに切り替わるわけではありません。商用電源を呈した後、点検が終わったものから順次非常電源が供給されていきます。 ある程度の時間は、電源供給が停止するわけです。 「点検が終わったものから」非常電源を接続し稼働させるわけですが、電子カルテは「最重要」とされ、サーバー室に通じるルートは一番はじめに点検して、非常電源の接続が行われます。 保安協会の方によると、「最優先」で点検・切換しても、5分程度はかかるとのこと。電気が全く供給されない時間が5分あるわけです。 さて、電子カルテを導入していれば、UPS(無停電源装置)を設置していないことは、まずないと思いますが、その設定は医療機関によってさまざまだと思います。 当院では、電源供給が停止して240秒、つまり4分が経過すると、自動的にシャットダウンシークエンスが開始する仕組みになっています。 言うまでもありませんが、シャットダウンシークエンスが始まったら、元には戻れません。 電源供給の停止時間が5分に対し、UPSの持続時間が4分…ということは、電子カルテサーバーを一度シャットダウンするしかない…と思って、カルテベンダーさんと相談したら、あっさり、「では、シャットダウンまでの時間を10分程度にしておきましょうか」とのご提案。 聞くところによると、当院のUPSは、通常業務中でも1時間程度はサーバーを稼働させるほどのバッテリー容量があるとのことです。 ならば、5分や10分ということでなく、シャットダウンに至る設定そのものを外してしまおうということになりました。 そんな準備をして迎えた漏電検査当日。 念には念を…ということで、カルテベンダーさんにUPSの設定変更が済んでいるかどうか確認。 (ちなみに、設定変更はリモート接続で、ベンダーさんにしてもらいました。) そして、サーバー室で待機。サーバラックの前に陣取り、院内が停電状態に移行するのを待ちます。 院内放送が入り、まもなくサーバー室の照

恥ずかしい…、知ったかぶり

今日は、なんともお粗末な失敗談を。 当院では、食事については、電子カルテでオーダーを入力し、栄養科では別ベンダーの給食システムで処理しています。 栄養科から、「食事のオーダーの一部が給食システムに転送できない」と通報を受け調査に。 ある入院患者さまで、今日まで絶食だったのですが、昼食から食事を出すことになりました。 お昼過ぎに、病棟から栄養科に連絡が入り、この患者さまの食事が出ていないとのこと。栄養士が給食システムを確認したところ、食事の変更オーダーが入っていないとのことで、私が呼ばれたわけです。 電子カルテ側の入力を確認すると、確かに食事変更のオーダーが入力されている。 再度転送を試みるも、やはりこのオーダーだけが転送できない。 栄養科スタッフ:「とりあえず、(PCを)再起動した方がいいですかね…?」 私:「いや、ハードウェアやネットワークの問題だったら、全件が転送できないはずなので、なにか原因があるのだと思います。各ベンダーにも調査協力を依頼して…」 自分のデスクに戻り、システムの仕様を確認していたら、栄養科から連絡が入り、 栄養科スタッフ:「お手数かけましたが、なんとか送れるようになりました」 私:「え゛っ…。なにか、設定でも変えたのですか?」 栄養科スタッフ:「いや、再起動したら送れるようになりました。」 私:「あぁ~、そっ、それは良かったです…。」 その後の調査で、転送アプリケーションの起動に問題があったことがわかりました。実際には、全ての転送ができていなかったのです。 転送アプリケーションは当日を含め、前後数日間のオーダーを転送対象にしているので、「今日」の転送処理がエラーになったとしても、「昨日」転送した分は問題なく転送されています。 つまり、昨日の転送処理をした後に入力されたオーダーのみが、エラーになっていたのです。 PCを再起動することによって、結果的に接続アプリケーションのネゴシエーションが初期化され、通信が再開したということです。 対応してくれた栄養科スタッフが、これまたいい人で、「大きな問題じゃなくて良かったです!」なんて、爽やかに言ってくれるものだから、余計に恥ずかしい…。

職員の電子カルテ情報をどのように守るべきか

この問題で悩む医療機関は多いのではないでしょうか。 病院で勤務する職員は、ほとんどの場合、その病院の電子カルテに自身の情報が登録されます。 「健康だけが取り柄」な人でも、健康診断は避けられないので、病気知らずとはいえ電子カルテに情報は載ってしまいます。 電子カルテだから、基本的に職員であれば閲覧可能になっているわけで、やはりプライバシーの問題になるわけです。 この時代ですから、個人情報をなんらかの企業に預けることは、珍しいことではありません。しかし、それが身内からみられる可能性があるとなると、気持ちのいいものではありません。 私のような(慢性の肩こり・腰痛を除いて)至って健康な人間は、全く気にならないのですが、病院職員の中には女性職員もいたり、デリケートな疾患を持っている(いた)人もいます。 余談ですが、私の周りだけかもしれませんが、ドクターは自分のカルテを見られるのを嫌がる人が多いですね…。 さて本題です。この問題には、前職の医療機関でも経験しており、当院の電子カルテ導入でも、カルテベンダーさんと話を重ねました。 落としどころはこうなりました。 ログを監視する仕組みは、「形だけ」つくる。 監視していることを院内でチラつかせ抑止力とする。 まず、電子カルテの機能として存在する、「閲覧制限」について話し合いました。 ここで問題になったのは、職員でも救急で運ばれてくる可能性が「ないわけではない」ので、その時に、「カルテが開けない!」というのは、あってはならないだろうと…。 「閲覧制限」の千がなくなると、あとは、「見た人」をチェックするしかありません。 もちろん、職員のカルテが開かれたことを、ログからピックアップすることは至簡単なことです。 問題は、それが診療上の必要性があって開いたのか、それ以外の理由で開いたのかを識別することが困難なことです。 気の利いたアルゴリズムを構築して…、例えば、職員のカルテを開いても、オーダーが出ていれば、あるいは、会計が発生していれば問題ない…などのルールでログを自動的に解析できればよいのですが、そこまではカルテベンダーさんも手が回らないようです。 なので、常時監視するのではなく、ランダムにピックアップしてそれらしいものがあったら、閲覧した職員の上司に報告し、閲覧理

PACSの画面、ちゃんと閉じてますか?

電子カルテを導入してもうすぐ2年というところですが、ずっと解決できない問題があります。 最初は簡単にかたづく問題だと思っていたのですが、未だに解決できていません。 それは、「PACSのビューワー画面(以下:PACS)を自動的に閉じたい」というものです。 外来のブースで患者Aを診察しています。ディスプレイは2面構成になっており、片方のディスプレイに電子カルテが、もう片方の縦に見ているディスプレイにはPACSというのが、一般的なレイアウトでしょう。 患者Aの診察が終わり、オーダーを発行し、記録をセーブし、カルテを閉じます。 次の患者Bに診察室に入っていただきカルテを開きます。そこで、問題になるのですが、カルテからPACSを呼び出さない限り、もう一方のディスプレイには、患者Aの画像が開いたままです。 PACSの画像を見て内容がわかる人はそうそういないとは思いますが、だからといって許されるものではありません。 で、当院では、診察が終わるとスタッフが、毎回PACS画面をを「最小化」しています。 なぜ、「閉じる」ではなくて、「最小化」なのかは、再び使う際の起動時間の問題です。 当院が使用しているPACSは、「閉じる」で完全に終了してしまうと、再起動までに時間がかかるのです。その点、最小化なら問題ありません。 この、「電子カルテを閉じる際に、PACSを最小化したい」というのが、電子カルテの導入当初から指摘されていた問題であり、未だに解決できていないのです。 電子カルテ側には、シェルのアプリケーションがあるので、そこでなんらかのコマンドやバッチを起動することはできそうです。 しかし、PACSの側にそれらしきコマンドが用意されていないとのことです。 さて、この問題、当院だけではないはずで、PACSベンダーさんに「他の病院さんではどうしているのですか?」と聞いても、なぜか明確な返答をいただけなくて…。 この件、もともと言い出したのは当院の院長で、当時は、「早急に対応します」なんて引き受けたのですが、たいした進展もなくかれこれ2年。この話題になるたびに、頭をかいています。

マネジメントに悩む

検査予約のトラブル 先日、電子カルテシステムの運用で大きな問題が発生しました。 検査の予約システムで、一度入れた予約をキャンセルした場合、ある見方をするとキャンセルしたはずの予約枠が、予約が入っているように、つまりふさがっているようにみえるという事象です。 カルテベンダーに問い合わせ、すぐに「システムのバグ」であることが判明しました。こ修正プログラムもリリースされているとのことでさっそく適用しました。 さて、現場からの第一報の際に気になったのが、「前にもこんなことがあって◯◯さん(システム部門の職員、仮に職員Aとします)に話したのですが、そのままになっていて…」との情報。 過去のタスクリストを確認してみると、たしかに職員Aが同様の問題に対応しています。 そして、その際リリースされていた修正プログラムを適用していないことも判明。 この半年間、システムの都合で使用されなかった予約枠があったということです。 検査を待っている患者さんに迷惑をかけ、病院経営にマイナスの影響を与えていたわけで、院内各所に謝罪して回った次第です。 システム部門の体制に問題 我々の部署は、各職員が独自に仕事をしています。今回のようなトラブルシューティングも、あるいは開発案件も、基本的に1人の担当者が最初から最後まで対応します。 多くの病院のシステム部門では、仕事が飛び込んでくると、所属長が優先順位や、必要なスキルを判断して、チームの中で誰が対応するか決めているのではないでしょうか。 当院では、このようなコントロールを一切せず、オファーを受けた者が最初から最後まで対応します。 おそらく、このような体制は一般的ではないでしょう。各職員がかなり高いスキルを持ち合わせ、経営的観点から状況判断ができるレベルであれば成立するかもしれません。 なぜこのような体制をとっているかは、システム部門の設立の経緯や、病院の体制など、さまざまな事情があって、なかなか手短には語れないのですが、さまざまな危険性をはらみながらもなんとかやってきたところです。 ですが、ここのところさすがに限界を感じています。 今回のトラブルも、職員Aの対応を複数でチェックする仕組みがあれば、長い期間放置されることはなかったと考えられます。 医療業を営む中で、ITの重要性は高まるばかりです

LANケーブルの圧着ペンチ、お値段15,800円なり

イメージ
今日は、仕事ではないのですが、ドジッた話を。 昨日は休みで、家の中をいろいろと片付けていたのですが、以前から接触不良が気になっていたLANケーブルに手を付けたのです。 コネクタが傷んでいるらしく、ルーターに挿しているケーブルの確度によっては、通信できなくなってしまうのです。壁から直接出ているケーブルなので、新しいケーブルに交換するわけにもいきません。 ということで、傷んでいる端子をカットして、新しく加工することにしたのです。 たまには、家族にカッコイイとこ見せてやるか…と、鼻歌交じりに既存のケーブルを先端部分でカット、外皮をむいて、中の配線をキレイに並べ、コネクタを装着して…と、ここまでは良かったのですが、工具箱の中を探しても、コネクタの圧着ペンチがナイ! このままにしといたら、カッコイイとこどころか、ブーイングだ…と思って、急いで近所のホームセンターに圧着ペンチを買いに行ったのです。 店員さん数名に聞くこと10分、ようやく見つけました。「工具」のエリアではなく、ケーブルや端子類が置かれている、いわゆる「電材」のコーナーにありました。 ペンチを手に取り、いざ会計に…。 「あぁ、良かった…」と、ホッとしていると、「1万7千…になります」と。 聞き間違いかと思い、レジの表示を見直しますが、 「17,818」 と表示。 一緒にレジに出したのは、千いくらのニッパーと、ボディーシャンプーの詰替え用だけなのに、後でレシート見たら、この圧着ペンチ15,800円(税込)なんですね。 たまたま、財布の中にお金が入っていたので良かったものの、いや~びっくりしました。 (いや、払えなくて返品した方が良かったのでは?その場はカッコ悪いけど) 帰って調べてみたら、LANケーブルの圧着ペンチって、ピンからキリまであるんですね。 さて、無事にコネクタの加工が終わり、我が家では快適なLAN環境が戻ってきたわけですが、この1個のコネクタのために、これだけの金額を払ったことを考えると、全然喜べません。 これからは、病院でも自分でLANケーブル加工しようかな…。 ちなみに、これがその圧着ペンチです。 買う人いないと思いますが、一応amazonのリンク貼っておきます。 あと、今回のLANケーブルの加工をするにあたり、参考にしたサンワサ

モダンホスピタルショウで、仮想化技術に確信

7月16日~18日に東京ビッグサイトで開催された 国際モダンホスピタルショウ2014 、このブログをご覧になっている方は、足を運んだ方が多いのではないでしょうか。 思い起こせば、私が初めてホスピタルショウを訪れたのは、’90年台の初め頃だったと思います。病院の購買部門に配属された私は、医療機器の担当になることも多く、職場の課長から、「行ってこい」と命令され、(当時は)池袋のサンシャインに行ったのです。 ホスピタルショウの会場を訪れるたびに、昔のことを思い出します。 そして、出展内容にどんどんITの要素が強くなっていることを感じます。 私の記憶に残っている’90年台のホスピタルショウといえば、まだ電子カルテが登場する前だったと思います。会場で目立つのは、温度板ホルダーやカルテファイルなども含め総合的にデザインされたナースステーションのファニチャー関係、自動でファイルが仕分けられるカルテ棚、クリーンベンチや滅菌器、あとは、ユニホームなんかが多く展示されていたようなイメージがあります。 それが、今では大規模で派手なブースを出店しているのは、ほとんどITベンダーさんだったりします。 こういった光景をみるたびに、医療業を営むことの中で、適切なIT投資とその運用がいかに重要かと思うばかりです。 個人的には、最近気になっていた2つの仮想化「サーバーの仮想化」と「仮想デスクトップ」が、確信になったというか、もう、時代はこの方向なのだろうと思いました。 当院でも、今後は積極的に検討していきたいと思います。 あとは、健診関連の出展が多かったような気がします。内容を見ていくと、単純な効率化だけでなく、健診を「サービス」として高めていくというか、そんな出展が増えたような気がします。 その中でも、ある説明員の方が、「必要に迫られる『診療』と違って、『来てもらう』にはそれなりの工夫が必要」とおっしゃっていたのが印象的でした。

建物の段階的な改修工事の難しさ

当院ではこの夏、分院の建物の改修工事を予定しています。 特に、医療機関としての機能が変わることはなく、患者様に対するアメニティの向上が目的の工事です。 この改修工事で、分院内のサーバー室の場所が変わるため、システム部門としては、今から少し緊張しています。 また、各部屋の間取りが少しずつ変わるため、LANや電話などの線も移動しなければなりません。 そして、このプロジェクトをややこしくしているのが、医療機関としての機能を停止せずに進行するということです。 【システムを止められない】 この施設は、入院設備がないので、24時間稼働というわけではないのですが、一方で、月~土(祝日関係なし)は、透析が動いており、朝から夜遅くまで稼働しています。そんなわけで、大掛かりな工事は、日曜に集中してやるしかないのです。 また、この分院のサーバー室には、本院のサーバー室機能の一部が分散化されています。 いくつかのシステムが入っていますが、そのなかでもヤッカイなのがPACSのサーバーです。コレが停止すると、画像の閲覧ができません。また、各モダリティで撮影した画像を送ることができません。 なので、日曜も入院や救急で稼働している本院のことも考えながらプランニングする必要があります。 【段階工事による弊害】 A室の工事が終わったら、B室の機能をA室に移してB室を工事。B室の工事が終わったら、C室の機能をB室にうちしてC室を工事…、というように、工事は段階的に進みます。 このプロセスの中にサーバー室も含まれているわけで、LAN配線の施工で考えれば、サーバー側と末端側を処理するタイミングが異なるのです。 移動先が近くなるなら余ったケーブルをまとめておけばよいのですが、移動先が遠ざかる場合は延長するか、張り直すことになります。 今回少なくとも、サーバー室は基幹の配線より遠ざかることがわかっており、一度全てのLAN配線を延長しなければなりません。 そして、工事が完了した部屋はすぐさま使いはじめるので、LANや電話も使えるようになってなければいけません。 各部屋の工期と、LAN・電話の施工業者さんのタイミングをきめ細かく調整する必要があるのです。 経験上、こういった工事に「トラブル」はつきものです。どんなに時間を変えてプランニングしても、単純に気づかない

VAIO株式会社が始動しましたね

SONY、PC事業から撤退!の中、VAIO Fit13A レビュー という記事を書いたのが、今年2月のこと。 あれから5ヶ月、この先VAIOはどうなることかと思っていましたが、ついに新体制が発表されました。 最初は、Pro11/13、Fit15Eという、2つのモデルで始めるとのことです。 私はもともとSONY好きなのですが、それを差し引いたとしても、VAIOシリーズには魅力的なモデルがたくさんありました。 中でも、期待していのは Tap21 という、「基本デスクトップで、持ち運びも可能」という機種でした。 省スペースで、無線LANを内蔵し、そしてバッテリー内蔵で停電にも強いということで、私にはなんとも魅力的でした。 2013年末から、一部の病棟に導入してテストし、全く問題無いと判断、いよいよデスクトップPCをこのTap21に置き換えようと思っていた矢先の撤退でした。 今回の発表で、生産販売を手がける2機種、Pro11/13は「これぞVAIO」といえるモデルではないでしょうか。そして、「Fit15E」はスタンダートモデルとして、あえて言えば「特徴がないことが特徴」というモデル。 ある程度セールスが期待できるモデルに絞ってきたわけで、私が熱望するTapシリーズの復活は可能性低いですね。 と、いろいろな思いがありますが、まずはVAIOが継続されることになって、ほんとに良かったです。 Pro13買ってみようかな…。

「スマホで呼び出すITナースコールシステム」-福井大学病院

先日、電話とITは切り離せなくなるという趣旨の記事を書いたばかりですが、そんな中、興味深いニュースが目にとまりました。 スマホで呼び出すITナースコールシステム、電子カルテと連携も(IT Pro by 日経コンピュータ) ユニアデックス社の製品で、ナースコールをスマートフォンで受けるという仕組みです。 記事によると、すでに福井大学病院さんで導入が決定しているそうです。 電話線を引かず、LANだけで構成する 今年稼動する新棟はそもそも電話線を引いておらず、情報を全てLAN上でやり取りする。 これは、大学の山下准教授のコメントとして取り上げれていますが、大いに拍手を送りたいです。 なんとなく、「緊急時に電話が繋がらなくなるのは困る 」として、電話だけは…、なんというか保守的であり、つながることが何よりも大事で、機能やコストは二の次…、みたいな感覚はありませんか。 最近、私がお話した電話設備の会社の担当者の方も、「電話はそもそも電電公社の時代に作られた基準に基づき…」というお話をされていました。こういう話を聞くと、「やっぱり電話についてはあまり冒険しないほうが良いのか…」とも思います。 ところが、「電話さえつながれば、LANは使えなくても良いか」というと、そんなことは全然ありません。少なくとも、当院ではもう、”そういう感覚”です。例えば、停電などの影響で、ネットワークが使えなくなる場所が発覚すると、「これは大問題」ということになり、すぐさまその場所に自家発電対応の工事が入ります。 今や、病院の中で「ネットワークが使えなくても、電話は通じる」場所って、事務方や会議室などのバックヤードをのぞけば、ほとんどなくなっているように感じます。それだけ、LAN環境も、「止まらないこと」が求められ、実際にそのように整備しています。それを考えると、音声通話もLANに一本化することのリスクって、ほとんどなくなってきているのではないかと思います。 コストダウン スマートフォンの価格が下落しており、現在では1台2万円以下で購入できる。PDA(通常5~10万円)に比べればかなり安い。しかもPHSシステムを廃止できるので、さらなるコストダウンが見込める こちらのコメントは、なるほどと思いました。 これまで、電話のIP化ならびに、スマートフォンによる高機能

サーバーの仮想化に興味が出てきました

先日、取引のあるITベンターさんから、「仮想化って、興味ありませんか」と声をかけられました。 その時は即答で「ありません」と答えました。 ネットワーク系の雑誌を読んでいると、たしかに「仮想化」という言葉が頻繁に出てくるので、それがトレンドなのであろうという認識はありましたが、どうも私にはピンときませんでした。 理由はいくつかあるのですが、大きいのはこの2つです。 【部門システムのベンダーが承諾するか】 いろいろな医療機器が単体で動こくとはもはや珍しく、何らかのデータ通信が必要になり、すると、「機器」ではなく、「システム」となります。電子カルテシステム以外に、PACSや、調剤システム、生体情報の管理システム、検体検査システムなどなど、病院の中で「システム」と名のつくものをあげたらキリがありません。 そして、「システム」とくれば、そこには確実に「サーバー」が存在します。 当院も、数えきれないほどのサーバーがあり、これを「仮想化」で集中できたらいいのに、とはよく思うのですが、はたして、各システムのベンダーさんがそれを許してくれるか疑問です。 まだ、各ベンダーさんと本格的に「仮想化」の話をしたわけではありませんが、どうも難しいのではないかと思っています。例えば、保守用のリモート回線ですが、当院では1ベンダー1回線です。回線がA社は光、B社はISDNという場合は、仕方ないかと思うのですが、A社もB社ISDNだったら、なんとか共有しえもらえませんか、という話になります。これまで、それで快く協力していただいたケースがありません。皆さん、「トラブルの際の切り分けが難しくなるので」や、「お互いに、知られたくないこともありますから…」などの理由で、断られてしまいます。 (中には、直接的なライバル関係もあるので、わからない気がしないでもありませんが…。) と、保守回線ひとつとってもこんな感じなので、物理的にセパレートできないなんてことは、到底お認めにならないのではないかと…。 【トラブルが起きた時に自分たちの手に負えるか】 もう一つは、やはり物理的に確立されていないと、トラブルが発生した時に、どこをどういじればよいのだろうと心配になります。 私のように、知識と技術がない者にとっては、さながらブラックボックスになってしまいそうで…。 「サーバーを切り離す」→L

電話回線を整理したい

今日は、「電話」の話です。 当院では、我々システム部門で、外線・内線を含め「電話」の管理もしています。 私はこれまでいくつかの医療機関に在籍してきましたが、どこの医療機関でも、「電話」に関しては、システム部門ではなく、総務課で管理していました。 当院では、システム部門が総務課から派生する形で誕生したのですが、どうも、その時に電話を管理していた者が、システム部門の担当になり、そのまま今に至るらしいのです。 いわゆる、「人に仕事がつく」というヤツですね。 ところで、医療機関に限らず、そこそこの規模の会社であれば、「電話料金の見直しを…」という電話が結構な頻度でかかってくるのではないでしょうか。 「御社の電話回線の使用状況から最適の…」、「このたび、新しいサービスが開始され、手数料などかからず、手続きするだけで月々の基本料が…」など、切り口はいろいろありますが、こういう電話を1本/月くらいで受けているような気がします。今月は、1本/週くらいで受けているような…。 私は、自分が「電話」に関して、あまり知識ないこともあって、この手の電話がかかってきた際は、なるべく時間をとって、直接お話を聞くようにしています。 各社で重複する話も多く、時には少し乱暴な話をいただくこともあるのですが、それでも「確かにそれは重要だ」という話をいただくこともあります。 【電話の見直しをやらねば】 それにしても、電話って、本当に複雑ですね。 まず回線の種類が、一般、ISDN、それから光(ファイバー?)、それぞれに得意不得意、できるできないがあって、それぞれに料金体型がある。提供している会社も、NTT系、KDDI系、ソフトバンク系とあって、もうなにがなんだか…。 一方で、請求書は回線ごとに来たりするものだから、全体が把握しにくく、1枚あたりの金額は高くても数万円だから、淡々と支払処理がされて、事務長の厳しい(?)チェックも通過しやすい。 ところが、全ての請求書を積算すると、結構な金額になります。当院では、100まではいかないものの、それに近いくらいの回線数があるのです。 電話ばかりは、毎日使うものなので、このコストを削減できれば、かなり経営に貢献できるはずです。 【システム部門で電話を担当すべきか】 冒頭で、これまで私が

麻酔記録の酸素濃度の単位が間違っていた問題

先日、電子カルテの麻酔記録で、「なんか、変なデータが入っている」と、院内で大騒ぎになりました。 麻酔記録の酸素濃度が、モニタに表示されている数値と、微妙に違うというのです。 酸素濃度と酸素分圧 これは大変、ということで、手術室で使用している生体情報モニタのメーカーさんに来ていただき調べていただいたところ、あっさりと原因がわかりました。 生体情報モニターから出力されているのは、酸素濃度ではなく、「酸素分圧」なのですと。 酸素濃度は%の単位を使いますが、酸素分圧は、mmHg(ミリメートルエイチジーと読むらしいです。人によっては、ミリミリエイチジーとも)という単位を用います。 酸素濃度と酸素分圧は、全くの無関係ではないらしいのです。ある公式によって計算すると、酸素濃度から酸素分圧が、酸素分圧から酸素濃度が計算できるらしいです。 私は専門的な知識がないので、詳しいことはお調べください。 なぜ、今まで気づかなかったのか 今回の問題は、1件の手術で発生した現象ではありません。前述のとおり、モニタが出力している値が異なっていたのだから、このシステムを採用して以来、今までずっと、ということになります。 では、なぜ今まで気づかなかったのでしょうか。 麻酔医は術中、電子カルテの画面を見ることはほとんどありません。頼りにしているのは生体情報モニタに表示されているデータです。 そもそも、電子カルテの方は数分おきの記録であり、また、値が反映されるまでに数十秒のタイムラグがあるので、リアルタイムの状況判断には使えないのです。 今回は、緊急の手術であったため、いつもとは別の医師が麻酔を担当しました。普段やらないことを担当するため、いろいろと確認しながらやっていく中で、この問題を発見することができました。 桁が違う 「普段見ないから」ということもありますが、もう一つこの問題をややこしくしていたのが、モニタから送られてくるデータが、そもそも「1桁少ない」ということです。 例えば、40%の酸素濃度だとして、これを酸素分圧にすると、だいたい300mmHgちょっとになるらしいのです。 「40」と表示されるべき項目に「300」と表示されたら、さすがにおかしいと思うでしょう。(しかも単位は%だし) それが、1桁少なく「3

電子カルテの書き込み権限がまったく整理されていなかった問題

ブログの更新がすっかり滞ってしまいましたが、やっと保険改正を含む「年度更新作業」が落ち着いてきたので、また少しずつ記事をアップしたいと思います。 今回の話題は…、年度更新作業の中で、電子カルテの書き込み権限を見直すことがあり、開けてみてびっくり…という話です。 当院では、今年度、医師事務作業補助体制加算を見直すことになりました。 申請にあたり、いくつかの書類を提出することになっているのですが、その中に、 院内規定文書の写しを添付し、併せて、院内における電子カルテシステム(オーダリングシステムを含む。)における「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン]に規定する真正性、見読性、保存性の確保に係る取組がわかる資料及び各入力項目についての入力権限、許可権限がわかる一覧表を添付すること。 とあります。 一応、電子カルテを運用する上での規程類は定めてあるので、これを提出すればよいのですが、困ったのが、「 入力権限、許可権限がわかる一覧表 」です。 こでまで、忙しさにかまけて、こういった基本的なことを確認したことがありませんでした。 あまりに基本的なことだからこそ、ここに矛盾や欠陥があれば、もっと大きな問題になっているはず…、という、逆説というかヘリクツというか…。 そんなわけで、改めて、各資格に対し、「何ができて、何ができないのか」を、調べることにしました。 その方法は、至ってシンプル。当院で運用されている資格ごとに、ダミーのユーザーIDを作り、一つ一つチェックしていくというものです。 すると、いろいろな問題に気づくことができました。 カルテ記事を代行入力した場合に、指示医師(代行される側)の名前が一般のユーザーにはわからないこと、 放射線技師でもないのに、レントゲンオーダーの代行入力ができる、検査技師でもないのに、検査オーダーの代行入力ができるなど(なぜか処方は薬剤師と医師事務作業補助者に限られていました)、 これまで、よく問題にならなかったものだと、正直驚きました。 思えば、我々システム部門の職員が、今回のような基本的な操作を一つ一つ確認していくというのは、あまり機会がありませんでした。 電子カルテ導入の時には、一通りの操作説明を受けるのですが、その頃は、紙カルテから電子カルテに置き換わること自体が大きな変化であ

年度がわりは、保険改正以外にもいろいろな仕事があります

年度またぎの1周間は、雑多な仕事が多く、なんともいえない疲労感が残りました。 以下、この1周間でやったこと。 【保険改正・消費税変更】 ずっと前から取り組んでいたことなので、この1周間でやっていることは、実際に稼働してみて発生する問題を潰す作業ですね。 カルテメーカーさんが提供したプログラムにいわゆる「バグ」があったり、こちらで設定したマスタが思わぬ動きをして設定にミスがあったことに気づいたり…、バタバタとやってます(進行形) 【新入職員のユーザー登録】 新入職員が電子カルテが使用できるよう、ユーザー登録します。 事前にある程度準備できるのですが、部署によっては、直前にならないと配属が決まらない…、なんてことがあります。 ひどいのは、大学の医局から派遣されてくる非常勤の先生です。本人が来ないとわからない、つまり当日先生が来たらその場で登録するのです。 【非常勤医師の操作説明】 そして、初めて当院で診察する先生には、外来診察に出る直前に操作説明をします。今どきの先生方は、電子カルテは大学でも使いこなしているので、メーカー固有の特徴を説明すれば、すぐ使いこなします。当院で使用している薬剤や、入院申し込みの細かいルールなどは、現場のスタッフがやってくれます。 【導入オリエンテーションの準備】 看護部などの大所帯の部署では、OJTではなく、集合研修で電子カルテの使い方を説明します。 その時、意外と面倒なのが、テスト用のデータを作っておくことです。ダミーの患者データは、もちろん使いまわしなのですが、各部署の電子カルテ委員がいろいろとテストで使うため、中にはすぐに使用できないこともあります。そんな患者データをキレイ?な状態にしておきます。 その他、入院の処理をするために、ダミーの病棟の空けておきます。そして、準備した患者データに入院申し込みをしておきます。 なにせ数が多いので、この処理だけで1日がかりだったりします。 【セキュリティの講習】 新入職員全体のオリエンテーションの中で、我々システム部門は情報セキュリティについて、講義を行います。 最近少し落ち着いてきましたが、一時期「バカッター騒動」なんてものがあったので、今年は特に、SNSやブログの利用について力を入れて説明しました。 【新任医師のPC手配】 新しく着任された先生のI

オーダーと同時に文書が印刷されるのは、ジャマになることもある

電子カルテを導入して1年が経過し、導入直後は「ありがたい」機能だったのが、「ウザく」なることがあります。 最近、当院で見直しを検討しているのが、オーダーに文書作成を関連付ける機能です。 検査や入院など、内容の説明や同意 確認で、患者様と文書を取り交わすことは少なくありません。インフォームド・コンセントの流れから、取り扱う文書の量は増えることはあっても、減ることはないでしょう。 (たぶん、多くのメーカーさんのもそうだと思いますが)当院で使用している電子カルテでは、この大量に発行する文書を、オーダーマスタに登録しておくことができます。「この検査にはこの同意書」というのが、スタッフが全て覚えていなくても、検査オーダーを入力すれば、システムが自動的に出力してくれます。 「書類を渡しそびれることがなくなる」、「用紙のストックが必要なくなる」ということで、電子カルテ導入時はとても画期的だと思われたこの機能、ここにきて見直す動きがあります。 理由は、「診療の流れをさまたげる」ことです。オーダーするたびに「Excelが起動し、文書が生成され…」となり、これを完結しないと、次の操作に進めないのです。正確には、完結させなくても、ある程度のところで保存しておけばよいのですが、オーダーのたびにExcelが起動し、文書が生成され…というのは、慣れてくると、じれったく感じるものです。 ほとんどの書類は 医師が完結させなくてもスタッフでカバーできるので、なおさらです。 現場はなんとかして医師の負担を軽減しようと努力しています。そういった意味では、この仕組みは見直しの時期に来ているのだと思います。 思えば、マウスによるオペレーションが直感的で馴染みやすく「初心者にもとっつきやすい」のに対し、PCの操作に習熟しているほど、ショートカットキーを駆使して、ほとんどマウスを使わなかったりします。 これと同じく、電子カルテシステムも、ユーザーの習熟度に応じて、インターフェースを見直すことが必要なのかもしれません。 現在は、診療終了のタイミングで文書をまとめて生成できないか、カルテメーカーさんと打ち合わせているところです。

予約のキャンセルをフォオローする(に取組中、先はまだ長い…)

医療業において、予約のキャンセルというのは頭の痛い問題です。 ひとつは経営上の問題です。 医療の業界では、ホテルやレストランなどのように、「キャンセル料」という感覚が、病院側にも、患者様にもありません。ですから、キャンセルする方は簡単にキャンセルできます。すると、病院側はよほど上手にやりくりしないと、せっかくそろえたスタッフや高額な医療機器が、生産性を発揮できなくなってしまいます。 前述のホテルやレストランみたいに、完全自由競争の業界ではなく、規制産業としてある意味では守られている部分もなるので、しかたのない部分であるとは思いますが、こういう部分をどのようにケアするかが、病院経営にいくらか影響するのではないかと考えています。 大型の機器を使用する検査や、リハビリ、あと、歯科クリニックなんかでは、かなり苦労されていると思います。 この点は、現在いくつかの取り組みをしているので、いずれ記事としてアップしたいと思っています。 もう一つは、医療上の問題です。 経営とは全く関係ありません。例えば、重い疾患の疑いがあり、精密検査をする必要があったとします。取り急ぎ検査を予約したものの、当日になって患者様からキャンセルの電話が入ります。 患者さんにしてみれば、いろいろ事情はあるでしょう。雨や雪が降っただけでも、お年寄りや具合の悪い方には辛いでしょうし、あるいは、事情があって患者様ご本人に病状の深刻さを伝えていないこともあります。 問題は、このキャンセルに対応した、次の手段が取れないことにあります。 当院では、予約の電話は基本的に事務スタッフが対応します。医療上の判断が必要であれば看護師に、看護師で迷うようであれば医師に指示を仰ぐ仕組みになっています。 それでも、漏れが出るということで、現場では、日々いろいろなアイディアを検討しています。 さて、今日の記事は、我々システム部門でこの「医療上の問題」に取り組んでいることをご案内します。 まず考えたのは、日々発生する「キャンセル」を補足して、それが、 A.すでに予約が予約が入っている B.予約は入っていないので、フォローの必要あり C.予約は入っていないが、フォローの必要なし に仕分けして、関係するスタッフに提供できないかと追うこと。 当院で採用している電子カルテのベンダーは、デ

Webプログラミングの勉強始めました

今、医療機関のシステム部門で仕事をされている方、また、それに関わる仕事をされている方は、保険改正の仕事で、日々過酷な生活を送っておられるのではないでしょうか。 当院では、電子カルテを導入してから、初めての大規模改正です。ある程度予測はしていましたが…、とにかくガンバルしかありません。 そんなビッグイベントがあっても、日常業務は動いているわけで、「改正で大変だから後回しにしてくれ」なんで言い訳が通用するはずもありません。(たまにダメモトで言ってみたりしますが) さて、そんな忙しい日々ではありますが、また一つ新しいことに取り組もうとしています。 表題にもある通り、Webの技術を使って、HIS上で情報共有を促進しようと考えています。 経緯はいろいろあるのですが、当院で採用した電子カルテでは、ちょっとした情報でもメニューを手繰って行って開かないといけないので、Webサーバを介して簡単にアクセスできないものかと考えはじめたたのです。 用途は、主に予約関係です。予約をともなう検査や、リハビリなどでは、キャンセルが発生すると売上がその分減少します。 ホテルやレストランと違って、キャンセル料を取るような業種ではないので、「キャンセル」については、どこの医療機関さんでも困っているのではないでしょうか。 私は、過去に歯科の経営を担当していたことがあるのですが、その時は本当に深刻な問題でした。 電子カルテのシステムで予約管理をしているので、このデータを公開することができれば、キャンセルで空いた予約枠に、臨時のオーダーを入れられるのではないか、と考えています。 ただ、電子カルテのインターフェイスが重いのです。メニューから予約サーバーを起動して、目的の検査項目を指定して…、なんてことを現場の人達にしてもらうわけにいきません。 そこで、Webサーバーを立て、SQL Serverのデータを直接見に行き、結果をリアルタイムにHTMLで表示する仕組みをつくろうと考えています。 じつは、このたび2014年度のシステム部門の年間目標として、「データの二次利用を推進すること」を掲げております。 勉強しなければいけないことが次から次へと増えますが、コツコツと取り組みたいと思っています。

スイッチングハブの設置場所が問題

今日は、朝一番で分院から呼び出されました。 「薬品の発注に使っているPCがネットワークに繋がらない。午後に発注かけるからそれまでに何とかして!」と。 その分院には明日用事があって行くことになっていたのですが、そんなわけで1日前倒して今日行ってきました。 事前に情報は入っていたのですが、「どうも昨日、透析室でステーションのレイアウト変更したらしく、そこが怪しい」とのこと。なぜ透析室…? 分院では、サーバー室はもちろん、専用のハブボックスなどがないため、透析室の中にフロアのLANが集約されているとのことなのです。 到着するなり、問題の透析室に出向くと、PCデスクの足元に、スイッチングハブが無造作に置かれ、何本ものLANケーブルが集中しているではありませんか。 スイッチのランプを確認すると、これがほとんど点いていない! でもって、刺さっているLANケーブルには、一応ネームタグが付いているのですが、その中に「薬局」がない! この時点で「昼飯抜き」を覚悟し、それからは、1本1本、刺しては抜いて反応を確かめるの繰り返し。 やっとの思いで薬局につながっているケーブルを探し当てたのですが、そこには全然関係ないネームタグが…。聞くところによると、その部屋を薬局として使い始めたのは、ここ数年(私がこの病院に勤務する前)のことなのですと…。 まあ、その他にも、一応スイッチに刺さっているものの、反対がなにもつながっていないケーブルなど、ループにならなかったのが奇跡と思えるようなLANケーブルの束。 今回は、バックヤードのLANだったからよかった(よくない!)のですが、基幹業務のLANだったらと思うとゾッとします。 現場で勝手にLANをいじってこのようなことにならないよう、日々、「LANはシステム部門で配線するので、たとえちょっとした配置換えでも声をかけてください」とアナウンスしています。 しかし、今回は現場だけを責められません。そもそもの配線があまりに無造作すぎて、これでは、現場の人達に緊張感が伝わりません。我々システム部門の仕事の緩慢さが招いたトラブルということを自覚しました。 なんとか薬品の発注に間に合い事なきを得たのですが、改めて分院のLAN配線を見なおさなければいけないと覚悟した1日でした。

病歴の集計をするのに、ICD10の病名マスタを探しています

当院で採用している電子カルテには、オプションで「病歴管理システム」があります。 以前は、富士通システムズの 病歴大将 を使っていましたが、電子カルテを導入する段階で、電子カルテの純正システムを採用したのです。 電子カルテが稼働し、半年くらい経った頃だと思います。医事課から「そろそろ病歴の統計を出したいのだが…」と。「半年も放ったらかして…」と怒られそうですが、それほど、現場も我々システム部門も、カルテの稼働直後はあわただしかったのです。 当院では「病歴の統計」といっても、簡単な帳票を出しているだけなので、同じ部署の職員にお願いしておりました。 それから3ヶ月ほど経過したある日、医事課長から突然、「来年度の予算に、病歴管理システムを計上しておきたいんだけど…」と相談を持ちかけられました。 医事課長によると、電子カルテ純正のシステムが使いこなせないので、新しいものを購入したいとのことなのです。 お願いしたまま、途中経過を確認していなかった私も悪いのですが、にしても「だから新しいものを買う」ってのは、ちょっと行き過ぎかと…。 と、こんないきさつがあって、それからは私自身が直接担当することにしました。 実際に着手すると、すぐに純正システムの「不親切さ」に気がつきました。 操作は、集計する期間を指定して、出力する項目を指定するだけ。何らかのキーでソートしたり集計することもなく、ただ生データをcsvで出力するだけなのです。印刷する機能もありません。 つまり、「データを出力するから、あとはExcelなりでお好きなように加工して」ということなのです。 なんというか、釈然としない所がありますが、当時の見積もりを思い出すと、妙に価格が安かったような気が…。 気を取り直して、自分で集計をしようとしたら、ひとつ問題が。 当院では、ICD10の中分類を使って集計することが多いのですが、このICD10の情報を持ち合わせていない。メーカーさんに問い合わせても、とりあってもらえず…、 MEDISのサイト を案内され、そちらでダウンロードしてくれと。 で、ダウンロードは簡単にできたのですが、これが意外にも使いづらい。病名基本テーブルはいいのですが、その中にあるICD10の分類がわからない。 例えば、病名基本テーブルで「20058359 急性喉頭気管

SONY、PC事業から撤退!の中、VAIO Fit13A レビュー

前回 の記事でお伝えしましたが、普段使いのPCを買い替えました。 SONYをこよなく愛する私が、はじめてPCのレビュー記事を書いてみようかと思っていた矢先、 ソニー、パソコン事業を売却へ なんとも切ない気持ちですが、VAIO Fit13Aを購入しようと考えている人がいたら、少しでも参考になればと思います。 これまで使用していたPCは、同じくVAIOのZシリーズで、似たようなサイズの VAIO Fit13A を選択しました。 購入のきっかけは、 前回の記事 でも書いたのですが、少しずつ各部署にWindows8のPCが導入され、システム部門に対する問い合わせも、Windows8に関係する話題が多くなってきためです。 答えに窮することがぼちぼち出始め、年貢の納め時?とばかりに、気に入っていたZを手放すことになりました。  【タブレットモードと引き換えに重くなった】 最初に書いてしまいますが、今のところ「失敗したかな~」と思っています。 この機種、液晶ディスプレイがクルッと回ってタブレットとして使えるというのが”売り”なのですが、それゆえに多少の犠牲も払っているわけで…。 購入前から、タブレットしての使い道はあまり想像できていませんでした。打ち合わせで、自分のPCの打面を他人に見せるときに、クルッと回ったらいいな~と思っていたくらいで…。 それでも、実際に手にすれば今までにはなかった発見があるかもしれない、と思ってチョイスしました。 ですが、10日ほど使用しましたが、まだ一度もタブレットの出番なしです。 (なんか、見せびらかすようで恥ずかしい感じも…) こうなると、ディスプレイの回転機構と引き換えになった、「重さ」が恨めしくなります。 前のZはディスプレイ部が極薄で、かさばらないし軽いし、だったのですが、Fit13Aは手にするとズッシリきます。 【ディスプレイは鮮やかに 】 ディスプレイは解像度が上がり(Zは1600×900、Fit13Aは1920×1080)、とてもキレイな映像になりました。 「高解像度になると、文字がアイコンが小さ過ぎで使いにくいのでは」という心配もありましたが、そこは、Windows8の仕様なのだろうと思いますが、あまり気にならず…というか、むしろ大きすぎで、「解像度を無駄にしていないか」と感じる

Windows8になれるために、PC買い替えました

ここのところ、すっかりブログの更新が滞っております。 電子カルテを導入してから、かれこれ1年が過ぎたのですが、各部署の皆さんがだいぶ慣れてきたので、システム部門に「こんなことできないか」という問い合わせがとても多くなっています。 問い合わせのレベルは、導入直後よりも、かなりハイレベルな要求が多くなっており、電子カルテの特性を活かすためのものが多くなっております。 経営に直結するような統計資料、それから、今日の予約状況をひと目で把握するための画面など、電子カルテの純正アプリケーションだけでは行き届かない、でもこれがあったらすごく便利、というアイディアが、毎日のようにウチの事務所に飛び込んできます。 この手の案件は、「どうしたら本当に現場にとって使いやすいものになるのか」を我々システム部門のスタッフが考える必要があります。 トラブルシューティングのように、「欲する結果」が明確な場合は、あまり悩む必要(余地)がないのですが、その分大変な仕事です。 そんな忙しい中ではありますが、先日、メインのPCを買い替えました。これまで、SONYの VAIO Z を使用していたのですが、今回は、同じくSONYの Fit 13A にしました。 Zでも自分で使う分には、全然問題なかったのですが、Windows8に対応していないのです。いや、正確に書くと、Windows8にアップデートしてしまうと、 Power Media Dock という、Z最大の魅力が、単なるDVD-ROMドライブに成り下がってしまうのです。 デスクではPower Media Dock経由で、24インチの液晶ディスプレイと、Microsoftの最新キーボード Sculpt Ergonomic Desktop 、マウスはLogicoolの M500 で、ひとたびデスクを離れればZの機動性が遺憾なく発揮され、とっても使いやすい環境でした。 ところが、システム部門で働くものとして、さすがに「Windows8は使っていないのでわかりません」は通用しません。なんとかここまで粘ってきたのですが、いよいよ買い換えることにしました。 Fit 13Aの感想については、改めて。

年末年始は落ち着いていました

あけましておめでとうございます。 医療機関は今日から本格稼働というところが多いと思います。当院でも、昨年12月29日から、昨日1月3日まで年末年始の休診(もちろん入院、救急、透析などは別)でした。 我々システム部門としては、じつに「6連休」という、長いお休み。 さて、その間もしITシステムにトラブルがあったら…ということで、緊急時のサポート体制をとりました。 昨年は電子カルテ導入直後ということで、ベンダーさんの窓口についても公開しました。 ちなみに、これはベンダーさんの立場からすると、異例なことなのだそうです。当院のカルテベンダーさんは、システム部門からの問い合わせを想定しており、現場職員からの問い合わせには、通常は対応しないのだそうです。 さて、昨年末の電子カルテ委員会。ことしは、ベンダーさんから「必ずシステム部門を通してほしい」という意向を聞いているので…、と説明したところ、各部署とも反対する意見は一切ありませんでした。 むしろ、「各部署から電話がいったら、ベンダーさんのサポート窓口が大変だろう」と理解ある言葉が…。 それだけ、病院全体がシステムに慣れてきたということなのでしょう。なんとも頼もしいかぎり。 というわけで、今年は我々システム部門の携帯電話番号を、看護部の管理当直と、医事課の管理職に案内しただけで、年末年始休新に突入しました。 結果は、排他制御の誤動作の解除で1回、私ではなく他の職員が出勤しましたが、まさにそれだけ。 おかげさまで、ゆっくりやすませてもらった年末年始でした。 来週からエンジン全開で頑張ります。