漏電検査で電子カルテサーバーがダウン(前編)

先日、電子カルテサーバーが停止するという、大トラブルがありました。

それは、毎年行われている「漏電点検」の作業中に起きました。

漏電検査では、検査中は商用電源を切り、必要最低限の設備のみ、自家発電機による「非常電源」で稼働させます。
非常電源に切り替えると言っても、シームレスに切り替わるわけではありません。商用電源を呈した後、点検が終わったものから順次非常電源が供給されていきます。
ある程度の時間は、電源供給が停止するわけです。

「点検が終わったものから」非常電源を接続し稼働させるわけですが、電子カルテは「最重要」とされ、サーバー室に通じるルートは一番はじめに点検して、非常電源の接続が行われます。
保安協会の方によると、「最優先」で点検・切換しても、5分程度はかかるとのこと。電気が全く供給されない時間が5分あるわけです。

さて、電子カルテを導入していれば、UPS(無停電源装置)を設置していないことは、まずないと思いますが、その設定は医療機関によってさまざまだと思います。
当院では、電源供給が停止して240秒、つまり4分が経過すると、自動的にシャットダウンシークエンスが開始する仕組みになっています。
言うまでもありませんが、シャットダウンシークエンスが始まったら、元には戻れません。

電源供給の停止時間が5分に対し、UPSの持続時間が4分…ということは、電子カルテサーバーを一度シャットダウンするしかない…と思って、カルテベンダーさんと相談したら、あっさり、「では、シャットダウンまでの時間を10分程度にしておきましょうか」とのご提案。

聞くところによると、当院のUPSは、通常業務中でも1時間程度はサーバーを稼働させるほどのバッテリー容量があるとのことです。

ならば、5分や10分ということでなく、シャットダウンに至る設定そのものを外してしまおうということになりました。

そんな準備をして迎えた漏電検査当日。
念には念を…ということで、カルテベンダーさんにUPSの設定変更が済んでいるかどうか確認。
(ちなみに、設定変更はリモート接続で、ベンダーさんにしてもらいました。)
そして、サーバー室で待機。サーバラックの前に陣取り、院内が停電状態に移行するのを待ちます。

院内放送が入り、まもなくサーバー室の照明がダウン。停電が始まりました。

すると、なにやらサーバーのランプがめまぐるしく光りはじめたではありませんか。心なしか、ファンの回転も激しくなったような…。
「まさか…、そんなわけないよな…」
と、自分に言い聞かせるも、ついに来ました…サーバー停止。

ラック内のサーバーが、1台1台ランプが消えていき、ついには全サーバーが停止。

目の前で起きていることが信じられない私。
「何かの間違いだよな…」
「ちゃんと打ち合わせもしたし…」
「もしかして、停電中は消費電力をおさえるために、最小限の稼働しているからランプも消してしまうとか…、そうだ、停止しているように見えて本当は動いているのでは…」
なんて、もう、パニックを通り越して、妄想の世界です。

長くなってしまったので、続きは次回の記事に。

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