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「データ活用」の勉強会開催とその後

「当院でもにわかに活気づいてきたデータ活用」と題して、 前編 、 中編 、 後編 に分けて記事を書いたのが、2~3週間前。 今日は、開催した勉強会のことを書いておきます。 勉強会は、私がデータ活用について語る第一部と、データウェアハウス(DWH)ベンダーさんによる製品説明の第2部で構成しました。 この勉強会を開催する目的は、 「データの利活用のために、プラットフォームに高額なコストをかける必要があるか」 を判断することです。 そして、その判断のポイントは、「有効な使い道がどれだけあるか」というころになります。 強制参加という形はとらなかったのですが、声をかけた人たちは全員参加してくれました。 中には、部署の中堅職員を連れて参加してくださる方も。 賛成・反対は別にして、皆さん、関心はあるのだろうと…。 第一部、私のプレゼンは、だいたいこんな構成です。 電子カルテ導入から3年が過ぎ、なぜ今さら「データ活用」なのか 各部署で独自にデータを溜め込むことの功罪 データ活用事例・アイディアいろいろ プラットフォームによるメリット/デメリット ポイントは、3つめの「データ活用事例・アイディアいろいろ」でして…、最初に書いたとおり、「有効な使い道がどれだけあるか」を募るには、現場の人たちが、「なるほど!ウチの部署でこんな使い方ができるはず…」というイメージを持ってもらわなければなりません。 一生懸命説明しましたが、なにせ時間が限られていたもので…、とイイワケしておきます。 私の話に続き、DWHベンダーさんから製品説明をしていただき、勉強会は終了しました。 さて、今回の勉強会で一番興味を示してくれたのが、糖尿病の先生。 勉強会が終了してからも、かれこれ1時間近くDWHベンダーさんに質問攻め。 糖尿病は、検査データの管理や、検査のスケジュール管理など、データ活用が求められる分野だとは思っていましたが、これほどとは…。 医師がデータ活用推進派になってくれるなら、DWH導入に向けて強力な味方になりますが、導入してからのオーダーがスゴそうです。

グーグル、写真共有サービス「Picasa」を終了へ--「Google Photos」に一本化

グーグル、写真共有サービス「Picasa」を終了へ--「Google Photos」に一本化(CNET Japan)  忘れた頃にやってくる、Googleの「サービス終了」。 Googleフォトがリリースされた時点で、うすうすそんな気がしていましたが、やっぱりPicasa 、終了してしまうんですね。 私はPicasaを、PC内の写真を整理するアプリとして、ガッツリ使用しています。リリースされて間もなくこのサービスを知り、それ以来ずっと使っていました。 もともとプライベートの写真を整理するのに使っていたのですが、最近では仕事でも必要になり、便利に使っていました。 先日、「 2大クラウドフォトストレージの破壊力 」という記事にも書きましたが、 Googleフォトは無料で使用するためには、(いまのところ)1枚の写真の容量が1600万画素に制限される Amazonプライムフォトは、インターフェースが今ひとつ と、どちらも「あと一歩」ということで、やはり写真整理のベースはPicasaで、GoogleフォトとAmazonプライムフォトは、いずれも本格的に「移行するにはまだちょっと…」という幹事でした。 「Picasa ウェブアルバム」のサービスはいらないけど、デスクトップアプリの「Picasa」だけでも存続してもらえないかと思ってしまいますが、まずそんなことにはならないでしょう。 なんともいえないモヤモヤ感の中、こんなブログ記事を見つけました。 Picasaの終了と、10年続くウェブサービスの少なさ(Lifehacking.jp) ブログ管理人の、堀 E. 正岳さんが書かれている、 「あれはダメだ、次はこれだ」といつまでもフラフラしていては何も積み上がらない。何か基礎が座っていて、そこに新しいものを付けてゆくほうがいい については、大きくうなずいてしまいます。 もっとも、サービス提供側にすれば、古い設計に引っ張られて限界を感じることもあるのでしょう。 継続性を重視すれば革新性が発揮しにくく、革新性を求めれば切り捨てなければならないものも出てくる…、難しいですね さて、ここから息抜き、プライベートの話です。 カメラがデジタルになって20年ほど経つでしょうか。静止画も動画もデジタルに

当院でもにわかに活気づいてきた「データの活用」(後編)

HISのデータを2次利用したい、と日々思うものの、保守的な当院でなかなか言い出せずにいたところ、あるきっかけで大きく変わろうとしています。 このページにジャンプしてこられたかは、ぜひ「 前編 」、「 中編 」からご覧ください。 部長、鋭いッス… 部長先生(以下:部長)、私が密かに開発していたガジェットに、この上ない興味を示してくれました。 聞けば、データの活用については、ずっと考えていだのだそうです。 話していると、いろいろなアイディアが出てきます。医師として、それから管理者として、私には思いもつかない活用方法のアイディアに、思わずうなってしまいます。 定期検査が滞っている患者を抽出したい 医師別に(同じ目的で)異なる薬剤を使うことがあるが、その傾向を知りたい 院内感染(が起きてしまった場合~)その感染経路を補足したい 要員計画に反映するため、病棟の負荷率を計算したい 他にもいろいろ…、とても勉強になります。 そして、部長も懸念しているのが、各部署が独自にデータを持つこと。 各部署にそんな気はないでしょうが、情報という有効な「資産」が、囲い込まれてしまい、他の部署の職員はその存在すら知らない…。 その状況をなんとかしたいという、強い思いがうかがえます。 何度も書きますが、当院、とっても保守的なので、「データを活用して…」なんて考えてるのがバレたら、怒られかねないと思って、今まで慎重に考えて、考えて、考えて…考えた末に行動できず、だったのが、強力な味方の登場に、心強い限りです。 データウェアハウスを提案 ここは部長を信頼し、データを活用するにあたりいくつかの課題について説明。 そのうちの一つが、「どんなプラットフォームを使用するか」であることをお話ししました。 「 中編 」に書いたことを丁寧に説明しました。 ExcelやAccessなどでもできないことはないが、いろいろな意味で限界があること Webシステムは技術的に高度で、開発スキルの習得に多くの時間を費やすであろうこと。 いずれにしても、開発体制から検討しなければならないこと。 そして、DWH(データウェアハウス)製品の導入を提案しました。 DWHは、たしかに莫大な初期費用がかかりますが、その分、開発に携

当院でもにわかに活気づいてきた「データの活用」(中編)

HISに蓄積されたデータの活用をずっと考えていたのですが、保守的な組織の当院ではどうも抵抗感があるようで…。 ところが、思いがけないきっかけがあり、状況が変わろうとしています。 この記事に直接たどり着いたかたは、ぜひ「 前編 」からご覧ください。 プラットフォーム選択の悩み 「できることからはじめよう」と言ったわりには、どうしても先のことを考えてしまいます。 お金をかけずになんらかの仕組みを構築することはもちろん可能ですが、どうせなら構築したモノをムダにしたくない、という「色気」がでてきます。 開発環境と言うべきか、データベースエンジンと言うべきか、ここでは、仮に「プラットフォーム」と呼びますが、テスト的な開発でも、それなりに時間と労力はかかるので、できるものなら最初から本番と同じプラットフォームを使いたいところです。 せっかく作ったものが、プラットフォームが変わるので、また作り直し…は、できるなら避けたい。 じつは、データの活用については、今まで本業の合間でコツコツいろいろなモノを試してきました。 当院が採用している電子カルテのベンダーは、データの活用には寛容です。ただ、あまりサポートは受けられません。 「テーブル情報は公開しているから、読み取り専用なら好きにしていいよ」というスタンス。 まずは、ExcelやAccessでODBC接続し、いろいろいじってみました。 一応、実用化してもいいレベルのものもできています、公開には至っていませんが。 誰かから、「ウチの部署がやっていることにケチつける気か」なんて言われそうで…。 全部お蔵入りとはもったいない話ですが、構築していく中でいろいろとわかってきたことがあります。 処理能力の問題 ExcelやAccess(とVBA)は、最も手軽なプラットフォームの一つです。 しかし、できあがったアプリケーションを、「せっかくだから、院内で広く共有しよう」となると、排他制御や処理能力など、いろいろと問題が出てきます。 クライアント側で処理するので、データ量が多くなると急激に遅くなります。あるいは、「仕様」で一定量のデータは「読み込めない」なんてことも。 そんなとき思い出すのは、データウェア

当院でもにわかに活気づいてきた「データの活用」(前編)

2016年度の診療報酬改定の概要について、かなり詳細な情報が出回ってきました。 前回、2014年度改定は、システム部門の責任者だったので大変な思いをしましたが、今回の改定は気が楽です。 さて、今日から2回にわたって、「HISに蓄積されているデータを活用しようという気運が高まってきた」という話を書きます。 「データ活用」に対する抵抗感 ワタクシ、常々こんなことを思っています。 ITシステムの導入効果は、運用で半分、蓄積されたデータを活用して半分、両方こなしてこそシステムのメリットを享受できる。 これは、医療に限らず、他の業種でも同じ事がいえると思います。 システムに蓄積されているデータを分析することにより、新しい事実や傾向を発見し、現場にフィードバックすること、少し大げさですが、システムに携わる者の「醍醐味」だと思っています。 話は当院にもどります。 当院では、「データ活用」を叫んでも、あまり響きません。 ともすると「あざとい」なんて言われそうな雰囲気。どうも、データ活用=重箱の隅をつつく、ようなイメージがあるみたいです。 「より効率の良い仕事ができるように」とか、「安全な仕事ができるように」とか、そういうつもりなのですが、長い時間をかけて形成された病院の風土ということもあり、これまで「データの活用」を積極的に推進してきませんでした。 「玉砕」を傍観 そんなある日、ある部署の長(ここでは「科長」としておきましょう)が、会議の席で「データ活用」を呼びかけたのです。 科長の説明はこうです。 各部署では、電子カルテの使い勝手の悪い部分を、自らの部署で補っている。 電子カルテの画面を見ながら、データをExcelに入力したり、紙に書き写したりしている。 さらに問題なのは、そのデータが「部署のモノ」になっており、そのような有効なデータがあることを他の部署が知らない。 そして、同じような仕事を隣の部署でもやっている。 私は心の中で叫びました。 「そのとーーーーーり!」 科長は続けました。 今後、我が部署ではデータを活用するため、なんらかの仕組みを構築しようと思っている。 これは我が部署単独のモノでなく、院内で広く共有できればと考えているが、なにかアイディアや要望があれば、言ってほしい。 そ