当院でもにわかに活気づいてきた「データの活用」(前編)

2016年度の診療報酬改定の概要について、かなり詳細な情報が出回ってきました。
前回、2014年度改定は、システム部門の責任者だったので大変な思いをしましたが、今回の改定は気が楽です。


さて、今日から2回にわたって、「HISに蓄積されているデータを活用しようという気運が高まってきた」という話を書きます。


「データ活用」に対する抵抗感

ワタクシ、常々こんなことを思っています。
ITシステムの導入効果は、運用で半分、蓄積されたデータを活用して半分、両方こなしてこそシステムのメリットを享受できる。

これは、医療に限らず、他の業種でも同じ事がいえると思います。

システムに蓄積されているデータを分析することにより、新しい事実や傾向を発見し、現場にフィードバックすること、少し大げさですが、システムに携わる者の「醍醐味」だと思っています。


話は当院にもどります。

当院では、「データ活用」を叫んでも、あまり響きません。
ともすると「あざとい」なんて言われそうな雰囲気。どうも、データ活用=重箱の隅をつつく、ようなイメージがあるみたいです。

「より効率の良い仕事ができるように」とか、「安全な仕事ができるように」とか、そういうつもりなのですが、長い時間をかけて形成された病院の風土ということもあり、これまで「データの活用」を積極的に推進してきませんでした。


「玉砕」を傍観

そんなある日、ある部署の長(ここでは「科長」としておきましょう)が、会議の席で「データ活用」を呼びかけたのです。

科長の説明はこうです。

各部署では、電子カルテの使い勝手の悪い部分を、自らの部署で補っている。
電子カルテの画面を見ながら、データをExcelに入力したり、紙に書き写したりしている。
さらに問題なのは、そのデータが「部署のモノ」になっており、そのような有効なデータがあることを他の部署が知らない。
そして、同じような仕事を隣の部署でもやっている。

私は心の中で叫びました。
「そのとーーーーーり!」

科長は続けました。

今後、我が部署ではデータを活用するため、なんらかの仕組みを構築しようと思っている。
これは我が部署単独のモノでなく、院内で広く共有できればと考えているが、なにかアイディアや要望があれば、言ってほしい。

そして、しばらくの間、会議室が静寂に…。

無反応…。
科長の玉砕を、ただただ黙ってみている私でした。


できることからコツコツと

会議の翌日には科長ののもとを訪れ…。
会議参加者から反応がなかったことは残念だが、とても有意義な提案であり、私も積極的に協力させてもらいたいと話をしました。

とはいうものの、先日の会議の席で、「データ活用」があまりに”響かない”ことを目の当たりにしたばかり。

病院全体を巻き込むムーブメントに…とはほど遠く…。科長も私も、「できることからコツコツとやっていくしかないよね」と。

先日の会議で、概念だけ説明しても理解が得られないことがわかったので、簡単でいいから、画面でもプリントでも、具体的なアウトプットを作ってみよう、ということになったのです。


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