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部門システムの周辺機器を揃える

今回の電子カルテの導入に合わせ、各部門のシステムが新しくなることは、何度もこのブログでお伝えしています。 で、いよいよその「部門システム」の購入が具体的になってたのですが、メーカーと契約をする前に、我々電算部門が一仕事します。 各部門システムの見積を精査すると、プリンタなどの汎用的な周辺機器があります。これらの機種を病院の標準に合わせられると、その後に大きなメリットがあります。 【消耗品の管理・調達コストが下げられる】 電子カルテの機器構成として、大量のプリンタを導入します。プリンタ本体もそうなのですが、その消耗品についても、特価を出してもらっています。当院ではCanonのプリンタに統一するのですが、メーカーが違ったり、あるいは機種が違っても、特価は出しにくいでしょう。 また、購買部門でも多くの種類の消耗品を管理しなくて良くなり、また在庫コストの圧縮も可能になります。 【保守をまとめる】 保守契約をまとめてコストダウンすることも可能ですが、当院では電子カルテで導入するプリンタは保守を組みません。 当院では、予備機を用意しておいて、「トラブったらすぐ交換→修理はその妥当性を見極めて」という形を取ります。このような仕組みができるのも「スケールメリット」ということでしょう。部門システムでも、機種が同じで、メーカーが設定方法などの情報を公開してくれるなら、同じ対応が可能になります。 レーザープリンタ以外にも、ラベルプリンタやドキュメントスキャナ、ともするとPCも対象になるかもしれません。

ハードウェアはいつ現場に設置するか

ハードウェアの手配は、かなり綿密な計画を立てる必要があります。 カルテメーカー:早く設置してモチベーションを高めたい、操作に慣れてほしい。 現場:そんなこと言ったって、置く場所がない。 と、こんな構図なのですが、どうやって折り合いをつけるか。 また、数百台の規模になると、ハードウェアメーカーもそれなりの納期になります。 特に、当院ではクライアントPCはDELL社のものを採用することもあって、注文してから納品まで3週間~1ヶ月がかかります。 なので、「スペース空けたよ」と声をかけられても、そう簡単に配置できるわけではないのです。 もちろん、そうならないようにある程度の台数を在庫するのですが、あまりスペースがないので、まさに「ヤリクリがたいへん」なのです。 本番に向けての設置はどうなるかというと、事前に置けるものはできるだけ配置しておきます。現場の職員に無理をお願いして置いていきますが、ざっと考えても事前配置できるのは全台数の3分の1程度だと思われます。 残りの3分の2は、病棟は前日の夜に、外来は朝までに配置するのです。考えただけでもゾッとします。 さて、そんな打ち合わせの中、「なんかホントに”綱渡り”って感じですね」と言ったら、カルテメーカーから「何を言っているんですか、そんなの大したことないですよ」と。 カルテメーカーによると、本当に綱渡りなのは、当院のような新規導入ではなくリプレイス案件なのだそうです。なるほど、新規導入なら”ない”ところに置くのですが、現状運用している電子カルテを置き換えるのであれば、まさにピンポイントでPCを入れ替えていくので、少しでも事前に配っておくことが難しいのだそうです。 先日、このブログにリプレイス案件を抱えている方からコメントをいただきましたが、その気苦労をお察しします。

検体検査のラベルをどちらで発行するか

電子カルテの導入にともない、さまざまな医療機器が買い替えになります。 当院では検体検査の管理システムもその一つです。 じつはこの検体検査管理システムに限らず、サーバーの構築が必要な機器は少なくありません。 サーバーを組むとなると、その構築にそれなりの期間がかかるので、早い時期に発注する必要があります。 この検体検査管理システムも多分に漏れず、「1日でも早く契約を」とメーカーから言われている案件です。 で、この案件は数日前に「ほぼ決定、あとは契約手続きをするだけ」ということで安心していたのですが、今日ちょっとしたきっかけがあって、契約が保留になっていることがわかりました。 その原因は、電子カルテシステムと、検体検査管理システムの「どちらで検体ラベルを発行するかが決まっていない」というものでした。 医師が検体検査のオーダーを入力するのは、もちろん電子カルテ側です。一方、その結果は検体検査管理システムで一括管理し、また電子カルテに返します。 検体ラベルは、検査に必要なスピッツ(容器)に応じて出力します。どの検査にはどのスピッツが何本必要なのかマスタに登録する必要があります。 電子カルテ側からラベルを発行するとなると、このマスタ管理を電子カルテシステムと検体検査管理システムの両方で行う必要がありますが、検体検査管理システムから出力するならば、少なくとも電子カルテ側ではマスタ管理の必要がなくなります。 一方、電子カルテシステムの端末は院内全体に配備され、検体検査管理システムは主に検査室のみに配置されます。例えばラベルに血液が付着してしまった場合に、電子カルテならどこからでも操作できますが、検体検査管理システムは検査室でないと操作できません。 つまり、どちらのシステムからラベルを出力するかは、マスタのメンテナンスをシンプルにするならば検体検査管理システムから、日常の運用を考えるならば電子カルテシステムから、ということになります。 検査科の判断ではマスタのメンテナンス性を優先し、検体検査管理システムからラベルを出力するようですが、早くこの問題を決定しシステム構築を急ぎたいと思います。

病理検査は鬼門

先日、「 スキャナ取り込みは魔法の杖ではない 」という記事を書きました。 安易にスキャナ取り込みを多用するのはどうかと思う…、という内容だったのですが、もちろん、避けられないものもあります。 その中で致命的なのが病理検査です。 検査委託会社にお願いするときに、データ化しやすい検体検査と違って、病理検査は紙の伝票で依頼することが多いと思います。 電子カルテの中では、医師は自分でオーダーを入力します。その後オーダーの内容を加味の伝票に書き写すだけでも、結構がっかりします。 その上、検査結果が紙で帰ってきて、スキャナで取り込んで…、というのでは2重にがっかりです。 今後、検査委託会社を巻き込んで、大いに検討しなければなりません。

書類の検討が始まりました

電子カルテになると、いろいろな文書を半自動で出力することができるようになります。 例えば紹介状を書くとき、患者様の、氏名や生年月日、住所などを、いちいちワープロ入力しなくても良くなります。 さらに造りこめば、検査結果の内容や、カルテの所見欄をプリントすることもできるようになります。 このような機能は、たぶんすべてのメーカーの電子カルテに標準で備わっていると思います。 ただ、使いこなすには医療機関に合った形に造りこむことが必要ですし、それができれば、大幅に業務を効率化することができます。 さて、そんなわけで当院でも、今ある文書をどのように電子化していくかという検討が始まりました。 今までは、各診療科や部署で管理してきた文書を、どのように移行していくか、専門のワーキンググループを編成し、ひとつひとつ確認していきます。 医療業以外の方はどのようにイメージされているかわかりませんが、診療現場は今や大量の書類が必要です。 このブログを読まれている方の中にも、入院や手術の経験があるのではないかと思いますが、その時に何枚も説明書を渡されたり、たくさん同意書にサインをさせられたりしたのではないでしょうか。 このような書類を全部集めて、電子化するのか、紙のまま残すのか、内容は偏っていないかなど、電子カルテでどう扱うか以前に現状の見直しから始まります。