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4月, 2016の投稿を表示しています

データ分析のハードルが日に日にあがってゆく

ここのところ、データ分析の仕事がドカドカと飛び込んできております。 私は、いまや「システム担当者」ではないので、診療報酬改定でも「たいしてすることもない」と、平穏な日々を送れると思っていたのですが…、改訂の内容が具体化されるにしたがって、いろいろな部署から「シミュレーション」を依頼されるようになり、忙しい日々を送っています。 最近は、依頼される内容がどんどん高度化しており、データ活用を推進したい私としては、うれしい半面、忙しすぎるのと、「はたして自分の算出結果が正しいのか」という不安にかられることがあります。 例えば、過去に遡った分析。 「年度別の患者数を、過去5年にわたって調べる」 というようなオファーは、そんなに悩まなくて良いのですが、これが、 「年度別に、 市区町村別の 患者数を、過去5年にわたって調べる」 となると、とたんにハードルがあがります。 過去5年ともなると、引っ越している患者さんもいます。 すると、今年のデータには今年の住所、5年前のデータには5年前の住所で集計しなければなりません。 もちろん、電子カルテのデータには変更履歴を保存しているので、できないことはないのですが…。 いろいろな案件をこなすたび、あちこち調べ回り、ノウハウが蓄積するのはいいのですが、あまり複雑になると、算出した結果が「これで合っているか?」と不安になります。 ましてや、私一人でやっているので、上司でも同僚でもいればまた違うのでしょうが、相談相手といえば、電子カルテベンダーのサポート窓口くらいで…。 本当に、体制を整えないとヤバいと思う、今日この頃です。 余談ですが、最近は、Excel、Accessにとどまらず、SQL文(データベースを扱うための言語です。ご興味ある方はネットで検索を)を書けるようになってきました。 それにしても、お仕事でSQL文を書く人は、みなさん、どうしているのでしょう。 Accessなどと違い、気の利いたビジュアルツールがないので、画面のテキスト、「SELECT 〇〇 FROM~」から、頭の中で構造をイメージして、ii証券名でバックやっています。 複雑なものになると、一つのクエリで1日中悩んだり。 プロ

IT業界から医療機関のシステム部門への転職について(2/2)

先日、IT業界でご勤務されている方から、このブログのコメントに、医療機関のシステム部門、経営企画部門への転職について質問をいただきました。 前回に引き続き、この方(以下、「質問者」とします)の質問に答える形で、「IT業界から医療機関のシステム部門への転職」について思うところを書いてみます。 前回の記事では、「本当に医療機関のシステム部門に転職することが良いのか、じっくり検討してみては?」という内容でした。 今回は、いよいよ「ITスキル」について書いてみたいと思います。 ITスキルのカテゴリ ITのスキルと言っても、いろいろですよね。 私自身は、「IT業界の人」ではないので、頭の中に、世の中のITスキルの全てが網羅されているわけではありません。そして、そのカテゴライズもあいまいです。 そんな私ですが、思いつくものをザックリと分けるとこんな感じです。 ネットワーク プログラミング・データベース WindowsやOfficeソフトなどの操作 ハードウェア(PC、サーバー、プリンタなどの周辺機器…) システムの企画(プランニング) 以下、これらのカテゴリで、どのようなスキルが役に立つか考えてみました。 【ネットワーク】 ケーブルの配線施工や、LAN機器の設置は「工事」なので、むしろ自前でやらない方がいいです。 ネットワークを設計する上では、TCP/IPの知識があった方がいいですが、知らなければそういうベンダーさんが質問してくれるのでそれに答えていけばいいのです。ネットワークベンダーさんのツテがなければ、HISベンダーさんが紹介してくれます。 むしろ、ネットワーク系の資格があっても、自分だけで設計せず、基本的にネットワークベンダーさんに任せ、自身は要件定義に勤めた方がいいと思います。 そもそも「ネットワーク」とは今や欠かすことのないインフラであり、「試行錯誤」の余地がない分野です。 医療機関のシステム部門の一担当者が蓄積できるノウハウには限界があり、これを生業としている専門のベンダーさんの経験値とは比べものになりません。 ここは、専門的な知識を持っていたとしてもベンダーさんと協力した方がいいし、専門的な知識がなければベンダーさんにいろいろ教えてもらえば良いと思います。 【プログラミング・データ

IT業界から医療機関のシステム部門への転職について(1/2)

先日、ブログにコメントをいただきました。 はじめまして。私はとある業界の企業にて顧客データ分析をしています。 DBシステムから、SQL、ExcelVBAを使用し、データ分析、レポート作成をしていますがワンマン企業ということもあり、また自分の説得力がないこともあり限界を感じ退職することを考えています。 ひょんなことから、病院のシステム関係に興味が出てきて病院のシステム部への転職を考えています。(病院関係のシステム、データ分析に強い興味があります) 病院のシステム部、病院企画経営部への転職にて必要なスキルをぜひ教えていただきたいです! コメントをいただいた方は、医療機関のシステム部門、あるいは経営企画部門への転職をお考えとのことで、「必要になるスキル」というご質問です。 今回は、この方(以下、「質問者」とします)の質問に答える形で、医療機関のシステム部門への転職について書きたいと思います。 なお、いただいた質問には、システム部門だけでなく、経営企画部門についてもふれられていますが、企画部門は病院によって役割が大きく違い、これだけで大量の記事になるので、またの機会にしたいと思います。 給料、安いです まずは、「転職するには」の前に、その転職が質問者にとって本当に良いものかどうか、そこから書いてもいいでしょうか。 質問者のコメント「 DBシステムから、SQL、ExcelVBAを使用し、データ分析、レポート作成をしていますが 」から、現在、プログラマやSEとして活躍されているのだとお察しします。 この方が現在「SE」としてのお給料をもらっているならば、医療機関に転職は、かなり収入レベルが下がるのだろう思います。 このブログでたびたび書いていますが、医療機関のシステム部門の職員は「事務員」にカテゴリされます。 大学病院や地域の中核病院、あるいはグループでやっている医療法人の本部組織などでは、SEとして採用されているという話を聞きますが、中規模以下のクラスの病院では、1人の事務員として採用されます。 医事課や総務部門の事務員と同じ給与体系です。 実際に、事務系職員の中で「パソコンに詳しいから」言われてシステム管理者になった(させられた?)、という人も少なくないと思います。 その一方で、IT人材の人件費が高