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電子カルテが音声で操作できれば良いと思うのだが

医療機関で発揮される「音声AI」の真価ーー声で病院の事務作業時間を60%削減する「Notable」が300万ドルの資金調達 (2018/6/12 THE BRIDGE / Takashi Fuke ) 上のリンク先の記事で紹介されているのは、驚くことに、患者さんと医師の音声を読み取って、AIがカルテを記載するというもの。 記事にもあるとおり、最終的には医師が承認するプロセスがあり、その承認率が98%にもなるというのですからさらに驚きです。 今回紹介した記事のように、診療プロセスの効率化など、医療分野にはAIの用途がたくさんあると思います。が、以前にもこのブログで述べたとおり、医療でAI活用が話題になるのは、もっぱら「診断」のことです。 おそらく「ビジネスになるか」、ビジネスになるとすればどれだけの「利益」を生むか企業にとっては重要で、よりビッグビジネスになる可能性を秘めている「AI診断」が話題になるのでしょう。 音声で電子カルテが操作できた良いと思うのだが 数ヶ月前から、私自身、自宅でAIスピーカーのGoogle Homeを使っているのですが、有効な用途を見つけられず今日に至っています。 対応するリモコンなども買って、エアコンやテレビを操作できるようにしてみたものの、何かしようとすると反射的にリモコンを手にしてしまいます。 そんな中、常々思っているのが、「これ診察室で使えないか」ということ。 音声で呼びかけて、電子カルテが操作できたらどうでしょうか。 医師は面倒くさがり 他の医療機関の先生はわかりませんが、とにかく当院では、医師がカルテを操作するのを面倒くさがります。 何かをするたびに、マウスでクリックすることが面倒なのですと。 電子カルテによくある機能の一つが「メモ」です。ベンダーにより「メモ」とか「付箋」とか呼び名は違いますが、カルテを開いたときに「特別なこと」や「忘れてはならないこと」を職員間で共有するために、コメントを表示するものです。 例えばアレルギー情報だったり、他院での受診の予定だったり、「次回受診時〇〇検査」だったり、診療を円滑に進める上で必要な情報が書き込まれます。 しかし、これから診察する医師に関係する情報ばかりではありません。 例えば、保険請求に関

論理的に、決断して、情報をそぎ落とす

以前の記事 で「情報は『多ければ良い』ということではない」ということで、少し意見を述べさせていただきました。 情報が多すぎるとかえって何も伝わらないこと、必要最小限の情報に絞り込むことでデザイン的にも洗練されること、そして情報を絞り込むには合理的に考えること必要であることをお伝えしました。 今日は、いくつかそのエピソードを紹介したいと思います。 ナンバリングしない部屋も 「 配色とナンバリング(2018/5/7) 」の記事にも書いたのですが、今回のサイン改修で、診察室以外の、検査室やリハビリテーション室などにも番号を振りました。 患者さんに、「〇番の検査室の前でお待ちください」と案内する想定です。 当初、外来のフロアにある部屋、全てに番号を割り当てたのですが、番号が多過ぎてマップが見づらいということに。 それで、患者さんが直接行くことがない部屋は省こうと。 「直接行くことがない」とは、職員が同行するような部屋です。 例えば、言語療法室。当院では、リハビリテーション室とは別の場所に言語療法室があるのですが、患者さんはまずリハビリテーション室を訪れ、言語聴覚士と一緒に言語療法室に行きます。 なので、言語療法を受ける患者さんが、言語療法室を「探す」ことはないはずです。 だったらナンバリングも要らないだろう、と。 エレベータ横のフロア案内 エレベータ横の限られたスペース情報を詰め込むのも至難の業です。 当院は、フロアごとの機能はザッとこんな感じです。 3階~:入院病棟 2階:リハビリテーション室、検査室の一部、手術室、薬局など 1階:受付・会計、外来診察室、各検査室、各相談室 例えば1階の「各検査室」。 CT室、MRI室、一般撮影室、採血室、採尿室、超音波検査室、心電図室、眼底検査室…これらを限られたスペースに書き出すことは所詮ムリな話。 そこで考えました。そもそもエレベータの前に立つ人はそのフロアから離れようとしている人。 1階のエレベータの前に立つ人は、検査室には用がない人です。 一方、入院病棟からエレベータに乗る患者さんは、何らかの検査をしに1階に行くことが十分考えられます。しかし、その場合は職員が同行するので、〇〇室がど