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医療機関のWebサイト運営

このブログをご覧の方で医療機関に在職している、していた方がいらっしゃいましたら、情報、ご意見お寄せくださいませ。 本日のテーマは、「医療機関のWebサイト運営、どうしていますか?」 当院では、どうもWebサイトの更新が滞りがちで、ふと気がつくと、「なんか情報古いな~」と思うのです。 利益に直結しない 当院のことをお話しする前に、医療業界共通の事情を考えてみます。 自由市場の業界であれば、自社の製品やサービスを上手にアピールしないと致命的なロスになります。 では、医療業界はどうでしょうか。 まず、そもそも参入障壁が高く、誰でも簡単に開業できるわけではありません。 そして、国の制度設計の中、地域の中核になる大病院、当院のような中規模・小規模病院、そしてクリニックと、疾患やケガのステージによって、医療機関それぞれの持ち場が分かれています。 また、通院・入院されるのは、基本的に医療機関が存在する地域の患者さまです。 たいていは通院手段の問題から、患者さまは「通える範囲」の医療機関にいきます。 急性期では遠くの医療機関に行くことはあっても、回復期、維持期となれば「地元」に転院するものです。 さらに、保健医療は基本的に全国一律の価格です。そこに、割引や、ワケあり価格などというモノは存在しません。 参入が難しく 医療のステージごと 地域ごとに、持ち場が分かれていて、 価格競争がない ということで、顧客(患者さま)が流動しにくい業種ということです。 郊外に行けば、医療機関の数が少なくなり、その傾向は強くなります。 つまり、競争原理が働かず、Webサイトの情報を充実させたところで、あるいは、最新の情報をタイムリーに掲載したところで、増収につながるわけではありません。 じつは、医療業界ではおなじみなのですが、厚生労働省が「医療広告ガイドライン」なるものを定めておりまして、そもそもこの業界で商業的な広告活動は御法度なんですね。 医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省Webサイト) それでも情報発信が必要だと思う理由 では、利益、つまり増患につながらないからと言って、Webサイトを放置して良いのでしょうか。 私がWebサイトによ

電子カルテに、ビューワー機能の追加を検討しています

このブログ、病院に迷惑がかかるといけないので、病院名は伏せています。 病院名につながってしまうかもしれないので、「どこのベンダーさんの電子カルテを使っているか」の情報も隠しているのですが、今日の記事で、カルテベンダーはわかってしまうかもしれませね...。 さて本題です。 当院が使用している電子カルテ(以下:カルテ)のベンダーさんから、「統合ビューワー」なるものがオプション機能として発売されました。 ザックリいうと、「カレンダー表示機能を洗練させたもの」です。 どこのベンダーさんのカルテでも、カレンダー表示がないカルテはないと思います。 しかし、当院のカルテはこの「カレンダー表示」がとっても使いにくいと、特に医師からの評判が悪いのです。 既存のカレンダー機能の問題点はこんなところです。 問題①スクロールが遅い 1画面に表示する日数はある程度調整できます。しかしそれも限界があり、収まりきれない前後の情報は、左右の矢印ボタンでさかのぼっていきます。 それが「スクロール」ではなく、「描画」なのです。その都度、サーバーに問い合せている感じで、ハッキリ言って「遅い」んです。 当院は、一応「急性期」ということになっていますが、大学病院や、地域の基幹病院と違い、在院日数が長いし、地域の外来患者も多く受けています。 すると、一人の患者さまを長い期間で見るので、スクロールが遅いと、作業効率が低下するどころか、ヘタすると大事な情報を見落としかねません。 問題②表示できる項目が限られている カルテのカレンダー画面は、基本的にオーダー情報を表示するものなので、そこにバイタルや検査結果は表示できません。 もちろん、バイタルを経時的に見たければ「経過表」の機能がありますし、検査結果の閲覧画面には、複数回並べてその推移を見る機能があります。 そこで、よく先生方から不満の声を聞くのが、「相関関係がわかりにくい」ということです。 例えばこんなことです。 検査結果を時系列で見ると、ある時期、大きく変化している。 もしかしたら、このとき投薬内容を変更したのではないか?(仮説) 薬歴の画面に切り替えるため、 検査結果が変動した「日」を覚えて 、検査結果の画面を閉じる。 薬

サーバー仮想化の見通し

少し、システム関係の話を。 最近、HISサーバーの仮想化の流れをヒシヒシと感じます。 つい先日うかがった大学病院さんでも、サーバーの仮想化がいかに有益であるか、なるほどと思うお話を聞くことができました。 サーバーの仮想化、私が思って”いた”、メリット/デメリットはこんな感じです。 メリット デメリット リソースの有効活用 安定稼働 古いOSの延命 電気代やスペースなどの節約 コスト 導入運用管理にスキルが必要 他にもいろいろあるかもしれませんが、私が思っていたのはザックリこんなところです。 ところが、いろいろお話を伺っていると、事情が変わってきているようです。 下がりはじめてきた「コスト」 見学に伺った病院さんで聞くのが、「コストメリット」のお話しです。 サーバーを集約すると、電力や無停電装置、空調、そしてスペースなど、様々な要素が集約できることはわかっていました。 問題は、「仮想化」システムそのものの費用。これが高額で、圧縮できる費用を、仮想化の費用が上回ってしまうイメージがあったのですが、おそらくシステムの費用が下がってきたのでしょう。 ここのところ感じているのが、Microsoft社のHiper-Vの台頭です。 これまでは、「仮想化といえばVMware」と思っていましたが、思えばここ最近ご紹介いただくのはHiper-Vの事例ばかりです。 競争原理が作用し、価格がこなれてくるのは、ユーザーの立場からするとありがたいものです。 もしかしたら、サーバーの仮想化は、 コストをかけて利便性や安定性を高める技術 ではなくて、 利便性や安定性を高めながらコストをセーブする技術 になっているのかもしれません。 いろいろな医療機関の事例紹介を聞いていると、そんな気がしてきます。 技術の壁 問題は、これを管理する職員のスキルでしょうか。 ハードウェアにとらわれず、仮想環境で稼働するサーバーを管理することが、はたしてどんな仕事になるのか、正直、あまり想像がつきません。 しかし、医療業界のIT化は、大病院から中小病院に波及するものです。 歴史的に、レセプトコンピュータや、PACS、そして電子カルテがそうだったように、いずれ当院クラスの中小規模病院でも、「サーバーの仮想