サーバーの仮想化に興味が出てきました

先日、取引のあるITベンターさんから、「仮想化って、興味ありませんか」と声をかけられました。
その時は即答で「ありません」と答えました。

ネットワーク系の雑誌を読んでいると、たしかに「仮想化」という言葉が頻繁に出てくるので、それがトレンドなのであろうという認識はありましたが、どうも私にはピンときませんでした。

理由はいくつかあるのですが、大きいのはこの2つです。

【部門システムのベンダーが承諾するか】

いろいろな医療機器が単体で動こくとはもはや珍しく、何らかのデータ通信が必要になり、すると、「機器」ではなく、「システム」となります。電子カルテシステム以外に、PACSや、調剤システム、生体情報の管理システム、検体検査システムなどなど、病院の中で「システム」と名のつくものをあげたらキリがありません。
そして、「システム」とくれば、そこには確実に「サーバー」が存在します。
当院も、数えきれないほどのサーバーがあり、これを「仮想化」で集中できたらいいのに、とはよく思うのですが、はたして、各システムのベンダーさんがそれを許してくれるか疑問です。
まだ、各ベンダーさんと本格的に「仮想化」の話をしたわけではありませんが、どうも難しいのではないかと思っています。例えば、保守用のリモート回線ですが、当院では1ベンダー1回線です。回線がA社は光、B社はISDNという場合は、仕方ないかと思うのですが、A社もB社ISDNだったら、なんとか共有しえもらえませんか、という話になります。これまで、それで快く協力していただいたケースがありません。皆さん、「トラブルの際の切り分けが難しくなるので」や、「お互いに、知られたくないこともありますから…」などの理由で、断られてしまいます。
(中には、直接的なライバル関係もあるので、わからない気がしないでもありませんが…。)
と、保守回線ひとつとってもこんな感じなので、物理的にセパレートできないなんてことは、到底お認めにならないのではないかと…。

【トラブルが起きた時に自分たちの手に負えるか】

もう一つは、やはり物理的に確立されていないと、トラブルが発生した時に、どこをどういじればよいのだろうと心配になります。
私のように、知識と技術がない者にとっては、さながらブラックボックスになってしまいそうで…。
「サーバーを切り離す」→LANケーブルを引っこ抜く
「サーバーを停止する」→電源ランプが全部消える
なんて感覚、いくらなんでも原始的ですかね…。


と、こんなイメージがあり、本格的に仮想化を考えたことはありませんでした。

じつは、冒頭のITベンダーさん、積極的に「仮想化を提案したい」というのではなく、最近、複数の病院から「仮想化」について問い合わせを受けることが多く、取引のある病院に興味の程をインタビューして回っているのだそうです。

「そうなんですか…?」(私)
ということで、ネットでいろいろ調べてみると、たしかに医療機関でも採用事例が増えてきているようです。
出てくる記事はビッグネームの病院ばかりで、我々のような中小規模の病院にはもう少し先のことかもしれません。しかし、当院が、電子カルテの導入と同時に、各部門システムを一気に導入・リプレイスしたのは、1年半前。サーバーの耐用年数が5年と考えると、次の大規模リプレイスは3年半後。その頃には、当院の規模でも、仮想化は十分現実的な選択肢になっているかもしれません。いや、私が知らないだけで、現在でも採用している病院はあるのかもしれません。

参考記事リンク
 【解説】医療情報システムの仮想化-医療情報システム創成機構 
あさぎり病院 ブレードサーバーと仮想化で医療機関に求められる高可用性を実現-日本ヒューレット・パッカード

たしかに、ハードウェアとしてのサーバーのコストは「下がるところまで下がった」感があります。いくら消費者が「性能はそこそこで良いからもっと安く…」と求めても、絶対的な価格をこれ以上下げるのは、商品パッケージとして成り立たないのかもしれません。
であれば、ハードウェアとしては、コストパフォーマンスのバランスが優れたレンジの製品を購入し、仮想化技術によってその性能を使い切るというのは、理にかないます。

まだ当院のサーバー群のリプレイスには時間がありますが、これから色々と調べていきたいと思います。


























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