「スマホで呼び出すITナースコールシステム」-福井大学病院

先日、電話とITは切り離せなくなるという趣旨の記事を書いたばかりですが、そんな中、興味深いニュースが目にとまりました。

スマホで呼び出すITナースコールシステム、電子カルテと連携も(IT Pro by 日経コンピュータ)
ユニアデックス社の製品で、ナースコールをスマートフォンで受けるという仕組みです。
記事によると、すでに福井大学病院さんで導入が決定しているそうです。

電話線を引かず、LANだけで構成する

今年稼動する新棟はそもそも電話線を引いておらず、情報を全てLAN上でやり取りする。
これは、大学の山下准教授のコメントとして取り上げれていますが、大いに拍手を送りたいです。
なんとなく、「緊急時に電話が繋がらなくなるのは困る 」として、電話だけは…、なんというか保守的であり、つながることが何よりも大事で、機能やコストは二の次…、みたいな感覚はありませんか。
最近、私がお話した電話設備の会社の担当者の方も、「電話はそもそも電電公社の時代に作られた基準に基づき…」というお話をされていました。こういう話を聞くと、「やっぱり電話についてはあまり冒険しないほうが良いのか…」とも思います。
ところが、「電話さえつながれば、LANは使えなくても良いか」というと、そんなことは全然ありません。少なくとも、当院ではもう、”そういう感覚”です。例えば、停電などの影響で、ネットワークが使えなくなる場所が発覚すると、「これは大問題」ということになり、すぐさまその場所に自家発電対応の工事が入ります。
今や、病院の中で「ネットワークが使えなくても、電話は通じる」場所って、事務方や会議室などのバックヤードをのぞけば、ほとんどなくなっているように感じます。それだけ、LAN環境も、「止まらないこと」が求められ、実際にそのように整備しています。それを考えると、音声通話もLANに一本化することのリスクって、ほとんどなくなってきているのではないかと思います。


コストダウン

スマートフォンの価格が下落しており、現在では1台2万円以下で購入できる。PDA(通常5~10万円)に比べればかなり安い。しかもPHSシステムを廃止できるので、さらなるコストダウンが見込める
こちらのコメントは、なるほどと思いました。
これまで、電話のIP化ならびに、スマートフォンによる高機能化は、「得られるメリット」と「コスト増」という、相反する要素をどのようにバランスさせるかだと思っていました。
ところが、この記事では、むしろ「コストダウンできる」としています。たしかに、PHS設備を思い切って省くことができれば、コスト増どころか、コストダウンも視野に入ってくるということですね。


あとは、余談になりますが、今回の記事のベンダーである、「ユニアデックス」さん、日本ユニシス系で、ITのサポートをされている会社とのこと。
ネットワークの相談をできる会社をあまり知らなので、今度問い合わせしようと思っています。

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