Webサイトのリニューアルに向け、制作会社の選定

じつは、少し前から動いていた話なのですが、当院のWebサイトをリニューアルするにあたり、その担当をすることになりました。

かれこれ1年くらい前から話が出ていて、全面的にリニューアルしようということで、Webサイトの制作会社の選定から行いました。

現行のサイトを制作した会社にも声をかけて、全部で4社を比較しました。

Webページは、基本的にはHTMLという共通の言語で記述され(いろいろなスクリプトなどがありますが、それは専門のサイトご覧ください)ます。ということは、制作会社を比較する際、技術的な要素で差別化することは難しくなります。

電子カルテだったら、「他社にはないこの機能が”売り”です」と言えますが、Web制作はそういうわけにもいきません。

当院ではこんな点に着目して、制作会社を比較しました。
  1. 医療機関のサイトを作成した経験と、これに基づく提案力
  2. スマートフォンサイトの対応
  3. 金額

【医療機関サイトの経験と提案力】

医療関係者の型は皆さんご存じだと思いますが、医療機関のWebサイトには微妙な「制約」があります。
医療法には広告規制がありますが、Webサイトはこの「規制」の対象外です。しかし、このご時世でそうも言っていられないのでしょう…、厚生労働省はガイドラインなるものを公開しています。
虚偽はもちろんですが、たとえば「絶大な効果があります!」みたいな客観性に欠ける内容もNGです。「国内最大の」なんていうのもNGです。でも、こういうセリフって、医療以外の業界ではよく見かけます。
そういった中で、情報を伝達するチャネルの一つとして効果を上げるためのノウハウを提供していただける会社にしたかったのです。

また、サイトを運営していく中では、いろいろな課題に直面すると思うので、制作段階だけではなく、継続的にノウハウの提供をしていただける会社にしたかったのです。
現行のサイトは、5年前に全面リニューアルした際、CMSを採用し、それ以来、ずっと同じデザインのまま、新着情報だけCMSでアップデートしてきたのです。

【スマートフォンサイトの対応】

どれくらいの人たちがWebサイトの閲覧にスマートフォンを使うのか、正確な数字はわかりませんが、おそらく相当な割合なのだろうと思います。
特に、医療機関のWebサイトの目的の一つである「採用稼働」では、その対象者である「若者」は、むしろスマートフォンで閲覧することの方が多いかもしれません。

さて、スマートフォンの対応ですが、今回オファーした4社とも対応可能でした。
興味深いのは、スマートフォンサイトについての「考え方」が、制作会社によって異なることです。
  • CMS+スタイルシートで自動的に作成
    CMSで投稿すると、PC用・スマホ用それぞれのスタイルシートでページを自動的に作成するというものです。
  • スマホ用ページは別に制作
    この提案をしてきた制作会社によると、医療機関のサイトは、コンテンツの種類で構成が大きく異なるので、すべてをスタイルシート任せにするのが難しいとのこと。
    おそらく、ショッピングなど、大量の商品を決まったフォーマットで紹介するページはスタイルシートを使用する方法は適しているのでしょう。逆に、医療機関のWebサイトは、画像や表が入ったり、よほどスタイルシートを意識しておかないと、レイアウトが崩れてしまうとのことです。
    そのため、スタイルシートを個別に用意するにしても、自動的に生成するのではなく、レイアウトを確認しながら制作する必要があるとのことです。
    ただし、ダブルメンテナンスになってしまうので手間がかかります。そこで、この会社の提案は、すべてのPC用ページをスマートフォン用に焼き直すのではなく、スマートフォンでの閲覧で効果が見込めるページに限定して制作する、というものでした。
  • スマホ用ページは不要なのでは
    この提案をしてきた会社は、基本的には「CMS+スタイルシート」なのですが、担当者と話すと「本当にスマホ用が必要なのか、考えてみても良いのでは」というのです。
    この方が言うには、前述の2社が言うとおり、「CMS+スタイルシート」ではレイアウトが乱れる可能性があり、「PCサイトとは別に制作する」では、すべてのページ作成したら手間がかかり、かといってページを絞れば、スマホユーザーが目的のページが用意されていなかったときにがっかりする、とのことです。
    最近はスマートフォンの画面は大型化しており、PCサイトを閲覧してもそれほどストレスにならないのでは、というご意見も確かに一理あります。
スマートフォン対応の件は、いろいろな考えがあって、クオリティと作業負担をどこで折り合いをつけるかの判断が必要です。

【金額】

金額については、制作費用も、そしてその後のメンテナンスにかかる費用も、大きく違いませんでした。
単純に見積書を比較すると、各社の金額は大きく異なるのですが、金額の高い会社はカスタムメイドでフルサービス、安い会社は、テンプレートを選んでそれを修正、その後も基本的にコンテンツのアップデートはユーザー側で行う。
そして、各社とも「とりあえず」自社のスタイルで見積もり提示いただきましたが、話を聞くと、「いかようにも」とのこと。フルサービスで提案いただいている会社も、CMS対応できるし、その逆の会社も。
結局、この「金額」というのは、制作会社選定の決定的な要素にはならないようです。

【結論】

最終的には、医療機関の実績を重視して制作会社を選定しました。

制作会社の選定を勧めると同時に、院内では「どのようなサイトにするか」という検討をしていたのですが、検討が具体的になってくると「患者さまはどんな情報を欲しているのか」、「医師や看護師に採用情報を見てもらうためにはどうしたいいのか」という疑問が話題に上ってきました。
おそらくそれは、病院の規模や、地域によっても異なるのだと思います。それは、最新の技術やトレンドがどうということではなく、「経験」が頼りになるのであろう、というのが「医療機関の実績」を重視した理由です。

スマートフォンサイトについては、結果的に「別制作」をすることになりました。


この後、実際の制作作業が始まるわけですが、どんなことになるのやら…。


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