オムロンのスポットチェックモニタが盛り上がっているようです

オムロンコーリンさんのスポットチェックモニタって、ご存じですか。

患者さまのバイタルを測定して、無線LANでネットワークに送信する装置です。
当院では、電子カルテを導入した2012年12月から使用しています。

EconomicNews「オムロンのスポットチェックモニタ「HBP-1600」の進化は止まらない」(2014/10/16)

電子カルテの導入を検討している時期は、電子カルテの経過表を使うか、それとも今までどおり紙で管理するか、なんていう話題がありました。
今では紙の経過表なんて考えられませんが、当時は真剣に悩んだものです。
ちなみに、その当時、「温度版に書くか、直接入力するか」なんていう記事にしたのですが、この記事、今でもポチポチアクセスされているようです。

で、経過表がPCに置き換わると、「自動的に入力できないか」と考えるのが自然です。
それを実現しているのが、このスポットチェックモニタです。

比較的早い時期からsポットチェックモニタを導入していた当院には、たびたび導入検討中の医療機関様から、見学の申し込みがあったりして、こんなイナカまでお越しいただくのに恐縮したります。
システム管理者の集まりでも時折話題に話題になったりして、その時はちょっと鼻が高くなってしまったり…。

このスポットチェックモニタ、ここにきて結構注目を集めているのではないかと感じています。
先日も、「注目を集めている」ことを体感することがありました。

今、当院では、血糖測定器の導入を検討しています。今でも血糖測定器はあるのですが、電子カルテにデータを転送する機能がついたものにリプレイスしたいのです。

(先に書いておきたいのですが、スポットチェックモニタには血糖測定の機能はありません。)

血糖測定器をリリースしているメーカーさんにコンタクトを取って、製品について説明していただくわけですが、その際、「スポットチェックモニタを使用している」と話すと、ほとんどのメーカーさんが「スポットチェックモニタ経由でデータ送信することができるんです」と、声のトーンが一段階上がるのです。

もともとスポットチェックモニタでは、RFIDで各種センサーからデータを取得するのですが、同じく、RFIDを使って転送するもの、USB接続するもの、赤外線で送信するものなど、接続方法は様々です。

それにしても、多くのメーカーがこのスポットチェックモニタに対応しているのに驚かされます。

さて、このスポットチェックモニタ、導入を検討されている医療機関様のために、当院ではどんな評価か、簡単に書いておきます。

 台数と接続

当院では、一般病棟に2台ずつ設置しました。ICUではベッドサイドモニタが充実しているので、必要ありません。
2台は、それぞれ電子カルテのカートに設置しています。
当院のように、カートに設置する以外に、単体で使っている病院さんもあるそうです。そういう病院さんは、バイタルチェックで、カルテPCがふさがってしまうことを避けているのだと思います。

個人的に思っているのですが、このスポットチェックモニタ、理想的には1ベッド1台なんだと思います。そうすると、後述する「認証」の問題もなくなるし、絶対イイ!と思うのです。まあ、とんでもない金額になることは必至ですが…。

当院の話に戻りまして、電子カルテのノートPCには、スポットチェックモニタを接続するためのアプリケーションが入っています。これにより、送信したバイタルデータが、カルテで開いている患者さまのデータとして認識されるのです。

認証

導入時は、バイタルチェックの際、毎回バーコードを使って認証する必要がありました。その後、カルテを開いている患者さまのデータとして送信することになったのですが、認証のプロセスを省いた分、とりちがえのリスクは高まります。
この点は、システム管理者である私からはなんとも言えないのですが、現場なりにリスクを判断しているのだと信用しています。

効率化できたのか

はっきりと「効率化できた」と言えると思います。
「実際に使っているわけでもないのにわかるのか」とツッコミが入りそうですが、2つのエピソードからスポットチェックモニタによる効率化が推測できます。

1つは、看護部が積極的にスポットチェックモニタを使うよう働きかけていることです。
どうしても機械に弱い人というのはいるもので、そういう人にとっては、スポットチェックモニタを使うほうが、不安だったり、かえって仕事が遅くなったりするのだと思います。当院では、そんな人にも積極的にスポットチェックモニタを使うようはたらきかけています。
スポットチェックモニタを使いこなしている看護師と、手入力の看護師の業務にかける時間が同じだったら、看護部が大々的に「使いなさい」とは言わないと思います。

もう1つは、夜勤者が優先的に使っていることです。
後述する”ある事情”があって、当院では、スポットチェックモニタを日勤帯ではあまり使わず、夜勤帯でフル活用しています。
看護部によると、「人数の少ない夜勤帯だからこそ、効率的に業務をこなす必要がある」とのことで、そうしているそうです。

バッテリの駆動時間

当院で、実際に使っている看護師に「スポットチェックモニタ、どうですか?」と聞くと、まず、10人中9人がバッテリの持続時間のことを言います。夜勤者優先で使っているというのは、このことなのです。
夜勤者にバッテリを満充電した状態で使わせたいから、日勤帯ではACアダプタを接続しっぱなしているのです。
バッテリの容量以上に使えることはないので、長く充電すればいいってものではないのですが、そこは、何度説明しても伝わらないようで…。

購入後1年半ほどで、バッテリの不満が多く聞かれるようになり、先日、一斉にバッテリを交換したところです。
ちなみに、これまでの仕様ではバッテリの残量が40%で充電を促すメッセージが出ていたのですが、ファームウェアバージョンアップし、今後は25%でメッセージが出るとのことです。
なので、今回よりはもう少し持つかもしれません。

導入検討されている方は、ぜひ、バッテリの金額もチェックしておいたほうがいいと思います。
このブログでは具体的な金額は出さないようにしていますが、台数がまとまると金額も結構なものになります。それを1.5~2年程度(当院実績)で出費することになります。
契約前に、バッテリの供給金額も含めて価格交渉しておくことをおすすめします。

その他

あとは、細かい話ですが、当院では停電になると、接続アプリケーションを再起動する必要があります。
停電などで、スポットチェックモニタのサーバーPCが停止する、あるいは、ネットワークが停止すると、電子カルテシステムとのネゴシエーションをし直す必要があります。これは、接続アプリケーションの設計の問題なので、いかようにもなるでしょう。

導入直後は、現場から「スポットチェックモニタのデータが飛ばなくなった」という連絡を受けて、調べると接続アプリが止まっている、ということが時々ありました。今は、ネットワークが停止することが少なくなりましたが、停止してもすぐに、接続アプリケーションの再起動をするように運用しているので、現場から先に言われることはなくなりました。


さらっと書くつもりでした、結構長い記事になってしまいました。
疑問質問にはできる範囲でお応えしますので、コメント欄でどうぞ。

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