予約のキャンセルをフォオローする(に取組中、先はまだ長い…)

医療業において、予約のキャンセルというのは頭の痛い問題です。

ひとつは経営上の問題です。
医療の業界では、ホテルやレストランなどのように、「キャンセル料」という感覚が、病院側にも、患者様にもありません。ですから、キャンセルする方は簡単にキャンセルできます。すると、病院側はよほど上手にやりくりしないと、せっかくそろえたスタッフや高額な医療機器が、生産性を発揮できなくなってしまいます。
前述のホテルやレストランみたいに、完全自由競争の業界ではなく、規制産業としてある意味では守られている部分もなるので、しかたのない部分であるとは思いますが、こういう部分をどのようにケアするかが、病院経営にいくらか影響するのではないかと考えています。
大型の機器を使用する検査や、リハビリ、あと、歯科クリニックなんかでは、かなり苦労されていると思います。
この点は、現在いくつかの取り組みをしているので、いずれ記事としてアップしたいと思っています。

もう一つは、医療上の問題です。
経営とは全く関係ありません。例えば、重い疾患の疑いがあり、精密検査をする必要があったとします。取り急ぎ検査を予約したものの、当日になって患者様からキャンセルの電話が入ります。
患者さんにしてみれば、いろいろ事情はあるでしょう。雨や雪が降っただけでも、お年寄りや具合の悪い方には辛いでしょうし、あるいは、事情があって患者様ご本人に病状の深刻さを伝えていないこともあります。
問題は、このキャンセルに対応した、次の手段が取れないことにあります。
当院では、予約の電話は基本的に事務スタッフが対応します。医療上の判断が必要であれば看護師に、看護師で迷うようであれば医師に指示を仰ぐ仕組みになっています。
それでも、漏れが出るということで、現場では、日々いろいろなアイディアを検討しています。

さて、今日の記事は、我々システム部門でこの「医療上の問題」に取り組んでいることをご案内します。

まず考えたのは、日々発生する「キャンセル」を補足して、それが、

  • A.すでに予約が予約が入っている
  • B.予約は入っていないので、フォローの必要あり
  • C.予約は入っていないが、フォローの必要なし
に仕分けして、関係するスタッフに提供できないかと追うこと。

当院で採用している電子カルテのベンダーは、データベースのテーブル情報を公開することにあまり抵抗がないので、さっそく調べてみました。
すると、予約情報のテーブルには、「入力」と「削除」しかないことが判明。この2つのステータスだけしかありません。

ケース1:予約を入れる
これは、単純に「入力」でいいですね。

ケース2:予約をキャンセルする
これは、「削除」でいいですね。

ケース3:予約を変更する
これが問題。予約を「削除」して、新しい日時で「入力」することになります。

ケース3に該当するのは、例えば、1本の電話の中で、こんなやりとりがあった取ります。
事務員:○○検査の予約ですが、◯日の9:00でいかがでしょうか?
患者様:大丈夫です
事務員:では、◯日の9:00で予約しました。お大事に…
患者様:ちょっと待って、9:30にして…

このやりとりが予約のテーブルにどのような形で反映されるかというと、
9:00 入力
9:00 削除
9:30 入力
となってしまうのです。
こちらの都合よく、「◯日○○時から☓日☓☓時に変更」なんて構造にはなっていません。
変更は1回だけとは限らないので、当然こういう構造になりますよね。

こういうことは、それを生業としているプログラマーの方には簡単なことなのかもしれませんが、私にとってはなんともハードル高く…。しばらく勉強が必要になりそうです。





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