電子カルテの書き込み権限がまったく整理されていなかった問題

ブログの更新がすっかり滞ってしまいましたが、やっと保険改正を含む「年度更新作業」が落ち着いてきたので、また少しずつ記事をアップしたいと思います。

今回の話題は…、年度更新作業の中で、電子カルテの書き込み権限を見直すことがあり、開けてみてびっくり…という話です。

当院では、今年度、医師事務作業補助体制加算を見直すことになりました。
申請にあたり、いくつかの書類を提出することになっているのですが、その中に、
院内規定文書の写しを添付し、併せて、院内における電子カルテシステム(オーダリングシステムを含む。)における「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン]に規定する真正性、見読性、保存性の確保に係る取組がわかる資料及び各入力項目についての入力権限、許可権限がわかる一覧表を添付すること。
とあります。
一応、電子カルテを運用する上での規程類は定めてあるので、これを提出すればよいのですが、困ったのが、「入力権限、許可権限がわかる一覧表」です。

こでまで、忙しさにかまけて、こういった基本的なことを確認したことがありませんでした。
あまりに基本的なことだからこそ、ここに矛盾や欠陥があれば、もっと大きな問題になっているはず…、という、逆説というかヘリクツというか…。

そんなわけで、改めて、各資格に対し、「何ができて、何ができないのか」を、調べることにしました。

その方法は、至ってシンプル。当院で運用されている資格ごとに、ダミーのユーザーIDを作り、一つ一つチェックしていくというものです。

すると、いろいろな問題に気づくことができました。

カルテ記事を代行入力した場合に、指示医師(代行される側)の名前が一般のユーザーにはわからないこと、
放射線技師でもないのに、レントゲンオーダーの代行入力ができる、検査技師でもないのに、検査オーダーの代行入力ができるなど(なぜか処方は薬剤師と医師事務作業補助者に限られていました)、
これまで、よく問題にならなかったものだと、正直驚きました。

思えば、我々システム部門の職員が、今回のような基本的な操作を一つ一つ確認していくというのは、あまり機会がありませんでした。

電子カルテ導入の時には、一通りの操作説明を受けるのですが、その頃は、紙カルテから電子カルテに置き換わること自体が大きな変化であり、今回のように入力権限や、細かい挙動について考える余裕もありませんでした。

そして、導入後は、日々のトラブル対応や機能改善要求に追われて、今回のように、基本的なことを見直すような暇がありませんでした。

おかげさまで、タスクリストがごっそり増えましたが、良い機会にったと思います。


コメント

  1. 電子カルテ導入を控えた病院のシステム担当の者です。大変参考になります。これからも記事を楽しみにさせて頂きます。

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    1. コメントありがとうございます。
      電子カルテ導入ということで、現在のフェーズがわかりませんが、体調くずされないよう頑張ってください。
      カルテは「リプレイス」ではなく、「新規導入」ということでしょうか。当院では2012年12月の新規導入で、システム部門に求められる仕事の質が変わり、全く別物の部署になったと言ってもいいくらいになりました。そして、あるべきシステム部門の形を構築するために、今もなお試行錯誤している状態です。
      大変難しいことだと思いますが、導入後の体制づくりも視野入れて部署のルールを構築されたほうが良いと思います(失敗者は語る…)
      このへんの話は、近く記事にしようと思っています。
      また、何か質問などありましたら、気軽にコメントしてください。

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