災害時の職員の安否確認はLINEで?

少し前の話なのですが、電子カルテメーカーさんのユーザー会に参加した時のことです。

今年4月の熊本地震で、実際に被災された病院さんが、当時の状況を説明してくれました。

お話ししてくださったのはシステム担当の方だったのですが、システム担当者としてはもちろん、病院の一職員として様々な情報を生々しく教えたいただき、たいへん貴重な情報でした。

どれも興味深い内容だったのですが、今日はその中から、職員の安否確認について。



複数の病院の方が発表されたのですが、皆さん口を揃えて言っていたのが、「電話がつながらない」ということ。

一方で、以外にも連絡を取りやすかったのが、「LINE」であったとも。

順位をつけるなら LINE > 携帯電話 > 固定電話 だったようです。


その技術的な背景については触れられていませんでしたが、やはり、固定電話よりも携帯電話の方がフレキシブルなのでしょうか。



発表の中で語られていたのですが、自家発電などの災害対策設備を始動させるにあたって、その操作を知る施設課職員が被災して、対応が遅れたとのことでした。

また、別の病院のシステム担当者は、普段から「もしもの時は自分でなんとかする」と決めていたものの、出張中でなにもできず、ご自身の考えのあまさを悔いていらっしゃいました。

医療機関に限ったことではないと思いますが、やはり組織は「人」で成り立っているものです。

仕事を属人化させないために、組織を整え強化するのでしょうが、それが徹底できないのは、日常的には組織も個人もその方が「楽だから」なのでしょう。

こういう発表を聞くと、我に返ります。



さて、当院の緊急連絡網はというと、昔ながら電話リレーです。

個人情報保護がうるさく言われるようになってからは、連絡網を記した資料でさえ、「知る人ぞ知る」になっています。これで、本当に災害が発生した時、対応できるのかと思います。



災害対策、BCPの話になると、どうしても「どこまでお金をかけるのか」という話になります。

もちろん、お金のかけ方については経営判断によりますが、緊急時の連絡手段の確認くらいは見直したいものです。

コメント

  1. いつも興味深く拝見させていただいております。
    ユーザー会情報からやはり同じ電子カルテメーカーであることがわかりました。
    今年は病院行事のために参加できませんでしたが、来年はぜひ参加して他病院のかたとも意見交換できますと幸いです。
    また電子カルテに限らず面白い記事お待ちしております。

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    1. 匿名さん、コメントありがとうございます。
      今回の記事は、「同じ電子カルテメーカーをお使いの方だったら、完全にわかるな~」と、ある程度承知の上で書きました。

      今は、システム部門から離れた(企画部門にいます)ので、システム関係の話題については少し秘匿意識が低くなっているのかも…。

      また、ご意見・ご感想、お待ちしております。

      削除

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