災害時の透析患者さまのフォローについて

先日、EMIS(広域災害救急医療情報システム)の勉強会に参加してきました。災害発生時に、各医療機関が被害状況や診療の稼働状況を発信・共有するためのものです。
災害時に被災した都道府県を越えて医療機関の稼動状況など災害医療に関わる情報を共有し、被災地域での迅速且つ適切な医療・救護に関わる各種情報を集約・提供することを目的としている。(Webサイトより)

情報共有はITの得意とするところなので、こういう取り組みはどんどん整備されていけば良いと思っています。

ところで、当院で災害対策について話し合われるとき、いつも話題に上るのが透析患者さまの安否確認についてです。

透析患者さまは2~3日に1回、血液透析を受けています。これが滞るとどうなってしまうのか、医療の知識は私にはありませんので、この場で説明することはできませんが、それが患者さまにとって重大な問題であることは容易に想像できます。

そこで、そのような事態が発生したときに、どうやって血液透析を継続するか、ということになります。

一つの問題は、他院への紹介です。仮に、当院も被災して血液透析が継続できない自体になったとき、他の医療機関に頼るしかありません。患者さまとコンタクトがとれて、転院先の医療機関に過不足なく情報提供できれば良いのですが、はたして有事の際にスムーズにできるのか、という問題があります。

もう一つの問題は、透析患者さまに災害に見舞われ、例えば近隣の避難施設などに身を寄せている場合、我々医療機関は連絡のとりようがありません。
多くの透析患者さまは、自立通院できず、病院で送迎バスを出しおり、どこに迎えに行って良いのかわからなくなってしまいます。

当院でこの話が出るたび、いつも具体的な解決策に至らないまま話が終了します。
私自身勉強不足で、国や地方自治体には何らかの解決策があるのかもしれませんが、今後、情報収集していきたいと思います。

コメント

  1. いつも楽しく読ませていただいています

    確かに情報共有、即時性はITCのもっとも得意とする所ですが、
    機能を全うしようとすると動的、受動的な発信者を必要とします

    同様に救急患者の搬送待ち時間を短縮する為のシステムを導入した自治体でも
    空き病床の情報更新が全く行われず機能不全を起こしてるとか・・・

    「空き病床登録を誰が行うのか?」等、発信に関する問題も多いようですね

    これら問題が改善に向かうためには1患者1カルテで病院間での情報共有が
    円滑に行えるまでの環境が整うまで待たなければならないように思えます

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