接遇向上のセミナーがあります。でも、それ以前に改善が必要なことが…
こぼれたコーヒー
先日、プライベートで近くのショッピングセンターのカフェに行った時のことです。
そのショッピングセンターにはいくつかのカフェが入っており、私はその中から「カフェ・ド・クリエ」に入店しました。
恥ずかしながら、私はカフェと言えば、ドトール、スタバ、タリーズくらいしか行ったことがなく、カフェ・ド・クリエは初めてでした。
なぜ、選んだかというと、店頭に立っていた看板のサンドウィッチがなんともおいしそうだったことと、他のカフェより「すいていたから」。
さて、サンドウィッチは調理時間がかかるということで、コーヒーだけ受け取り、特に席の種類にこだわりがなかったので、視界に入った二人がけのテーブルに腰掛けようとしました。
その時です。コーヒーのトレーを置いたテーブルがグラッと動き、中身のコーヒーがカップから溢れてしまいました。トレーやテーブルの上にガッツリこぼれるほどではなかったのですが、カップの下のソーサーになみなみとコーヒーが溜まってしまいました。
よく見ると、テーブルの4つの脚(脚は1本で、下で「✕」上になっていて、床との接点が4箇所)のうち1つが、浮いているのです。
テーブルの脚の調整が悪いのか、それとも床がデコボコなのかわかりませんが、とにかく結構なぐらつきです。
ソーサーから持ち上げたカップのおしりを紙ナプキンで拭きました。
カップはソーサに戻さず、トレーの上に置いて、慎重にテーブルに腰掛けました。
しばらく、店員さんにこのことを伝えようか悩みました。
たかだかコーヒーがこぼれたくらいです。
少しだけ、「次にこの席に座った人が同じ思いをしたら…」と思い、このことを伝えてあげた方がいいかとも思いましたが、結局、会話をするのがわずらわしくて、私から何かを言うことはありませんでした。
その後、サンドウィッチを持ってきた店員さん。
なみなみとコーヒーが溜まったソーサーは、店員さんの視界に入ったと思われます。
ソーサーの隣にサンドウィッチを置いたのだから。
店員さんが何かを思ったか、いや何も思わなかったかもしれませんが、これについて特に会話することもなく…。
私は何事もなくサンドウィッチを食べてお店を後にしたのでした。
接遇向上のセミナー開催に思う
日本では、患者様には医療機関を選択する自由あります。
つまり、自由競争です。
(地域でベッドがコントロールされたり、資格が必要だったりはしますが)
そして医療機関では、「接遇」の向上が、競争力を高めるための要素の一つだと認識しています。
「〇〇委員会」など、呼び方は様々ですが、多くの医療機関で接遇向上の取り組みをしています。
当院でも、つい先日、著名な講師を招いての「話し方」に関する講演会を企画していることが、委員会から発表されました。
そんな中、患者様からクレームの電話が…。
患者様の話はこうです。
患者様の話はこうです。
- 当院の検査技師から直接電話がかかってきた。
- 検査技師は、ある検査を「した」か、「していない」か質問してきた。
- 「検査した」旨を伝えると、検査技師は電話を保留することなく、他の職員と電話の向こうで話し始めた。
- 「『検査した』って言っている、でも画像がないけど…」という声が聞こえてきた。
患者様のお話が真実なのか、真実だとしたら結局検査結果は見つかったのか、私はそこまでの情報を要求する立場ではないので、この件の顛末はわかりませんが、この話を聞いて、なんとも悲しい気持ちになりました。
検査結果を見失うということが起こりうるのだとしたら、それはもう構造的な問題です。
徹底的に調査して改善しなければなりません。
もう一方で問題なのは、電話をした職員のマナー教育レベルの低さです。
徹底的に調査して改善しなければなりません。
もう一方で問題なのは、電話をした職員のマナー教育レベルの低さです。
どんなに、病院をあげて、医療技術の向上に取り組み、接遇の向上をはかったところで、患者様にこのような不快な思いをさせては台無しです。
今回のクレームの電話は、たまたま別件でこの患者様と話した職員が、訴えを聞くことになりました。
「たまたま」タイミングが合い、患者様が感じた不快な思いに気づくことができたのです。
おそらく、埋もれてしまい、表面化していない同様のケースがたくさんあるのでしょう。
まさに、私がカフェでとった行動は「訴えず」です。
私の体験は、コーヒーがこぼれた「だけ」の話で、検査結果の行方不明とは次元が違います。
ただ、コーヒーがこぼれた「だけ」ですが、今後おそらくあのカフェに行くことはないでしょう。
外部講師を招聘して、より高度な接遇を学ぶのも良いのですが、今回のクレームの事実関係を徹底的に調査し、なぜそれが起きたのか、患者様がどんな思いをされたのか、それが病院に何をもたらすのか、しっかりとケーススタディしたらの良いのではないかと思います。
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