広報における「目的」設定の重要性と、伝えるための工夫

今日は、広報関係の話を。

連休明けということもあり、久しぶりにデスクの整理をしています。

溜め込んだ紙の資料を、かたっぱじからドキュメントスキャナーに読み込ませて処分しているのですが、その中で目に留まった資料。

この資料が配付された講演は、とても得るものが多く、大きかったので記事にしておきます。

東北大学病院広報誌「hesso」


資料は、3月25日に行われた、公益社団法人日本広報協会主催の「第12回医療機関広報フォーラム」で配布されたもの。

当日、4題の講演が行われたのですが、その中で、とても印象に残ったのが、この演題。

「大学病院と地域をつなぐ広報戦略~広報誌・Webマガジン『hesso』を中心に」
東北大学病院
東北大学病院さんの広報誌「hesso」の紹介と、制作のポイントや、そこから生まれた取り組みなど、じつに興味深い内容でした。


文書で表現するのは難しいのですが、なんとも凝った作りで、写真一つとっても、医療機関の広報誌とは思えない、クオリティの高さ。

患者さん目線で校正された文章、内容をイメージしやすい図、誌面を柔らかくするイラスト、とても参考になります。

東北大学病院さんのWebサイトにPDFが掲載されていますので、ぜひご覧ください。

東北大学病院Webサイト
東北大学病院Webマガジン「hesso」

いかがでしょうか、このクオリティ。
待ちの印刷屋さんのレベルをはるかに超えて、もう、このまま書店で並んでいてもいいレベル。

明確な目的

このクオリティの紙面を製作するため、同院では広報に7人の職員を採用しているとのことです。(と講演でお話しされていたような気が…)

さすが大学病院、というところでしょうか。地方の中央病院では、そこまでの人数はかけられません。

とはいえ、人数が多ければクオリティの高いものができるわけではないと思います。


講演の中で、「刺さった」のが、病院長の指示。
大学病院の敷居が高いという印象を払拭してほしい(配付資料より引用)

広報誌やWebサイトを制作しているものの、担当者がネタ探し&執筆依頼に奔走する医療機関は多いのではないでしょうか。

当院もまさしくこの通りで、たまに事務長が全体会議で、各部署にページの更新を呼びかけたりしますが、全然反応がない。

目的がないまま、ただ「とりあえず更新しろ」といわれても、それは無反応です。

例えば、「地域住民に対して役立つ情報を」とか、「新卒採用の応募者を増やすため」とか、ストレートに「増患を」でもいいのですが、目的があってはじめて何を発信するか決まるのだと思います。


東北大学病院さん(の院長)の掲げるシンプルな目的を達成するため、精鋭スタッフが力を結集してあのような紙面が製作されるのだと思います。



伝える工夫

今回、東北大学病院さんの講演で、気づいたのが、物事を伝えるには工夫が必要だということ。
「〇〇診断装置が新しくなりました。検査を希望される方は、受付で…」
と張り紙をして満足していてはダメなのだと。

まず、ターゲットの目に留まるためには、多くのチャネルで頻繁に発信した方がいい。

そして、目に留まったら、スッと理解できるような、読むのが面倒くさくならないような内容であること。

もちろん、東北大学病院さんや、広告をビジネスにしていらっしゃる方のようにはいきませんが、可能な限りの「工夫」をしようと思いました。


じつは、当院ではあるプロジェクトチームが、ある「手技」の普及に努めているのですが、なかなか患者さんに理解されないということで困っていました。

以前に、パンフレット(というかWordでつくったチラシ)を配ったところ、その多くが病院のゴミ箱に捨てられたことがあったのです。

そこで、「hesso」をチームメンバーに見せたところ、「これなら、患者さんも読んでくれるかも…」と、みなさん明るい表情に。その場で制作協力と、今後のチームミーティングに参加することが確定しました。



自分で首を突っ込んでおいてなんですが…、また仕事が一つ増えました。


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