人工知能 病名突き止め患者の命救う 国内初か

人工知能 病名突き止め患者の命救う 国内初か (2016/8/4 NHK NEWS WEB より)

AIが文字通り人命を救う、素晴らしいニュースだと思います。「仕事を奪われる」など、AIについて否定的な記事を目にすることもありますが、テクノロジーが社会に貢献するのはうれしいものです。


ここ最近、あらゆチャネルで「AI」の文字を見かけることが多くなってきました。
医療業界でもAIに期待するところは大きく、私もいろいろと情報収集しているところでした。

今回は、AIについてのある勉強会に参加したとき思うところがあったので書いておきます。


AIの判断ミスは誰の責任 

自動運転の記事でよく見かける「問い」ですね。自動運転で事故が発生した場合、それを賠償するのは、車の所有者(ドライバー)なのか、メーカーなのか。そして、これを整理し実用化するためには、法整備が必要…、と。

これは、医療でも同じことでしょう。AIが診断して、もし誤診だったら…。

この辺の問題は、私には述べられるような知識がありませんので、次に進みます。

あまり影響のない分野から始めてみては

AIの判断ミスが致命傷になることを避けて実用化が遠のくのだとすれば…、では、誤ってもあまり影響がないところから始めたら良いのではないかと思うのです。

私が真っ先に思いつくのは、電子カルテのアクセスログの解析です。

以前にこのブログで書きましたが、病院の職員が興味本位で他人のカルテを見てしまうというトラブルがあります。

電子カルテの「不正アクセス」のトラブルは、ニュースなどで時々目にするのですが、当院はどうかいうと、まったく自信がありません。

考えられる対策の一つが、アクセスログの解析なのですが、問題は「なにが正しいアクセスで、なにが正しくないアクセスなのか判断するのがたいへん」ということです。

例えば、「外来の職員が、入院患者のカルテにアクセする」というのは、わかりやすい「NG」のパターンです。しかし、アクセスした外来職員が、入院のきっかけとなった救急外来の職員なら、セーフかもしれません。
というわけで、実用的なアルゴリズムを組むのは現実的に不可能ではないか、となります。

そこでAIを使ったら、どうかと思うのです。

利益還元できるか

そんなことを考えながら、医療分野におけるAIの勉強会に参加した時のことです。

国内外の様々な取り組みが紹介され、いよいよディスカッションに。

そこで語られたのは、企業の利益にならないものは実用化しにくいということです。
AIの開発にはそれこそ莫大な費用がかかっており、企業はどこかでこれを回収しなければなりません。

私が先に書いた、「アクセスログの解析」などというのは、まったくもって優先度の低い話なのだと悟った勉強会でした。



というわけで、医療現場でAIが実用化されるのはまだずいぶん時間がかかるだろうし、当院のような中小規模病院にとっては先の先の話だろうと思っていたところに、今回のニュースです。

記事によれば、アメリカではすでに診療支援で複数の実績があるとのこと。
私の仕事は、定年まであるのだろうか…。




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