データ活用のアイディア、部署により温度差

最近、データ活用の話題ばかりになっています。

電子カルテのデータを使って病院の運営に貢献したい、ということで始まったプロジェクト。
院内で「データ活用」が少しずつ盛り上がりを見せている中、今、ホットな話題は「どんなプラットフォームを使うか」。

お金をかけなくてもできないことはない、しかし、それなりのことをやるには、それなりの環境が必要…ということで、DWH(データウェアハウス)システムの導入を画策している私。

高額なDWHを導入してもらうためには、それを使い倒すための「アイディア」を多く集めて、院長に掛け合いたい。

先日、「データ活用」の勉強会を開催し、改めて院内の意識を刺激し、現在は、各現場を回って、データ活用の具体的なアイディアがないか、ヒアリングをしています。


前置きが長くなりましたが、今日はヒアリングの中で感じることを書いてみます。


反応はおおむね良好


ヒアリングは、全体の2/3くらい消化して、あと1/3はこれからです。
ここまでヒアリングした部署の反応とその割合はこんな感じです。
  1. 積極的な意見:「絶対ほしい、アレもコレもやりたい…」 → 7割
  2. 慎重な意見:「確かにあれば便利だけど、金額次第かな…」 → 2割
  3. 消極的な意見:「ウチの部署は、統計といってもあんまり…」 → 1割


ところで、ここだけの話ですが、じつは私、今回のヒアリングを通して、対象者を「観察」をしています。
ヒアリングの対象者は各部署の所属長。

私は、この病院に入って、まだ4年ほどです。さまざまな部署の所属長と一緒に仕事をさせてもらった一方、中にはまだよく知らない人もいます。
「よく知らない」といっても、「たぶん、こんな人かな…」とイメージはあるわけで、今回はそれを確かめる良い機会になりました。


積極的な意見の人

DWH導入を画策している私としてはたいへんありがたい存在です。

話を聞いていると、やはり手作業のデータ集計が、病院の至るところで行われていることを実感します。

また、「実績を集計したりいろいろやるべきことはあるが、じつは日常業務に追われて手つかず…、どうしたらいいんでしょう!」と、さながら「懺悔」のムードになってしまったことも…。

多くの人が、いろいろな課題を抱えながらも現状を見直す暇がないこと、そしてその状態にストレスを感じていることがわかりました。

慎重な意見の人

データ活用の必要性を認めながらも、高額なシステムの導入には疑問を呈する…、そんな人は、おおむね病院の中でも「一目置かれる人」でした。

「一目置かれる人」とは、実績も信用もあり、慕われている人で、「困ったらこの人に聞け」的な人物です。

データを活用するためのアイディアもしっかり考えている一方、自分の部署だけの話ではない…と、本質をわかっていらっしゃる。

こういう人たちは、おそらく、DWHを導入したら、最も有効に使ってくれる人なんだと思います。

消極的な意見の人

あまりネガティブなことをこのブログに書きたくないのですが、残念ながらこういう人もいるんです。

それは「年功」なのかもしれないし、他に適当な人材いなかったからかもしれないし、その役職に就いていることに日頃から疑問を感じてしまう人、そんな人にこの意見が多かったのは偶然ではないと思います。

このカテゴリの人がよく言うのは、まず、「自分の部署でできているから」という話。
じつは、そのデータは若い職員が、残業して一生懸命手打ちしていたりするんですよね。
あとは、データが公開されておらず、自分の部署だけで囲っているケース。

最悪なのは、問題意識が全くない人。
ウチの部署は、「データでなにか出す部署ってわけでもないし…」というのですが、病院の中にそんな部署ってありますか?


そして仕事の依頼が殺到


さて、ヒアリングは今もなお進行中なのですが、困ったことが起きています。

データ活用に目覚めた(?)人たちから、「こんなデータがとれないか」と押しかけてくるようになりました。

勉強会の中で、なぜ高額なDWHを導入したいか説明するとき、私はこんな話をしています。

「今でもお金をかけずにできることはたくさんあるが、開発効率や、プログラムの属人化のリスクを考えると…」

この「今でもお金をかけずに」の部分だけは、皆さんの記憶にしっかり残っているようで、現在、オファー殺到しております。

少しずつ実績を積めば、DWH導入の説明材料になるかもしれないので、がんばっております。



コメント

  1. はじめまして。
    私はとある業界の企業にて顧客データ分析をしています。
    DBシステムから、SQL、ExcelVBAを使用し、データ分析、レポート作成をしていますがワンマン企業ということもあり、また自分の説得力がないこともあり限界を感じ退職することを考えています。
    ひょんなことから、病院のシステム関係に興味が出てきて病院のシステム部への転職を考えています。(病院関係のシステム、データ分析に強い興味があります)
    病院のシステム部、病院企画経営部への転職にて必要なスキルをぜひ教えていただきたいです!

    返信削除
  2. ご質問いただき、ありがとうございます。
    他の業種から、病院のシステム部門、経営企画部門への転職をお考えとのことで。
    いくつか思うことがあります。
    あくまでも私個人の感じるところなので、その点ご注意を。
    1.採用条件
    医療業界では1個の「事務員」と使われるので、給料が格安です。
    2.ITのスキルはあまり必要ない
    中小病院では医療事務を兼務したりしています。専門的なITの教育を受けていなくても大丈夫です。
    むしと、すでにIT業界に従事されているのであれば、何も問題ないと思います。
    3.病院組織や医療組織の知識
    ただし、採用側の病院が「即戦力」を期待しているなら、業界の知識があるに超したことはありません。
    もちろん医者でも看護師でもないので、病気や治療方法について知らなくてもいいのですが、診療の流れとか、情報を伝達するメカニズムとか知っていると、すぐに仕事に取りかかれると思います。
    といっても、今はインターネットがあるので、わからない言葉があったらすぐに調べられますし…。
    体型的に理解したいのなら、amazonで「病院のしくみ」などのキーワードで書籍を探してみるのも良いと思います。

    コメント欄では窮屈なので、近く、記事として書いてみようと思いますので、詳しくはそちらで。

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