勤怠管理システムのプレゼンに参加しました

先日、人事課より、「ベンダーさんから勤怠管理システムのプレゼンがあるので参加してほしい」と要請を受け参加してきました。

なにせ、プレゼンの当日に声がかかったもので、なにも予備知識なしに参加したのですが、興味深く聞かせてもらいました。

その中で、「やっぱり…」と思ったのが、医師の勤務時間の確認方法です。

医師はタイムカードを使わない


当院では「医師以外」の全職員がタイムカードで勤務時間を記録しています。

では、「医師」はどうしているか...、事務員がチェックしています。

医師が事務員に「出勤したよ」と声をかけるのではなく、事務員が目を配り、気がついたらチェックします。
といっても、事務員が全ての医師が見える場所、あるいは通る場所に配置されているわけではないので、リアルタイムのチェックではありません。

そんなやり方なので、「その日出勤していたかどうか」は、ほぼ合っていると思いますが、「何時に出勤して何時に退勤したのか」は、最初から諦めています。

だからでしょうか、「就業時間になってもあらわれない」、「まだ就業時間が終わっていないのに帰ってしまう」医師もチラホラ。

世間ではこれを「遅刻」「早退」と言いますが、当院では通常どおり勤務した「こと」にして記録しています。

「時間になっても医師が来ない」と、現場から事務に問い合わせが入ることも、月に1~2回見かける「朝の光景」です。

(ただし、そういう医師は少数派です。念のため。)

なぜ医師にタイムカードの利用を強制できないのか

たかだかタイムカードを打刻する「だけ」のことですが、先生方はそれをしません。

「できない」のか、できるのに「しない」のか、あるいは、先生方に抵抗はないのに事務方が「忖度」しているのか。

私は今の病院で働き始めて6年なので、その前がどうだったのか知らないのですが、おそらく、他の職員がタイムカードを導入した時期、医師は除外されたのだと思います。

「医師はタイムカードに打刻するなんて、面倒なことはしない」

と、最初から諦めて、それが今に至るのでしょう。(あくまで私の推測です)

他の業種の方に言っても理解いただけないかもしれませんが、少なくとも当院ではこれが実状です。

当院のような地方の中小病院にとって、「医師」とはひときわ「稀少」な存在です。

基本的に医療行為は「医師」が起点であり、また責任を負っています。

看護師を始め他の職種も重要ですが、やはり医師がいないと医療は成り立たないのです。

まあ、都心部の病院や、特化した医療をおこなっている病院であれば、病院と医師の関係性が、地方の中小病院のそれとは違うはずです。

その他にも、大学病院など、入退室管理が根付いている病院であれば、勤怠管理はその時点でクリアしているも同然です。

どうも、当院だけではないらしい

さて、話は勤怠管理システムのプレゼンに戻ります。

一通りプレゼンが終わり、意見を求められました。

当然、経営企画の立場からの意見を求められるわけですが、私が以前システム部門にいたことを皆さん知っているので、「そちら」方面の意見も求めらます。

ひとしきり、気になった疑問をつぶし、「システム的には」問題ないことを話し、あとは運用とコストだろう、都結論づけました。

一息つき、場の雰囲気が砕けてから、疑問に思っていたことを聞きました。

「ところで、当院では医師がタイムカードの打刻をしていないのですが、IDカードになっても変わらないと思います。おそらく病院としてもここを改善する気はありません。その場合はどうやって医師の出退勤を補足しますか?」

するとベンダーさんの担当者、「そういう病院さんは多いですよ」と、あっさり。

別の職員が出退勤を入力する機能があるので、問題ないとのこと。
事務員が「代わりに」入力する、つまり今と変わらないってことです。

私:「システム的に問題ないとしても、労基署的には『アリ』なのでしょか?」

担当者:「いや、労基署的には『NG』です」

と、これまたあっさり。

ベンダーさんによると、今まで導入してきたなかでもかなりの医療機関が、別職員による入力を採用しているそうです。(だから、あまりおおっぴらにしないで、とも)

世間では、働き方改革が話題になり、医療業界にも影響が出始めています。

他の業種といろいろな点で異なる文化持つ「医療」では、それが馴染まず、問題になるというニュースも耳にします。

はたしてこの先どうなっていくのか。









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