配色とナンバリング

サイン改修の企画の中では、当院には今までになかったいくつかの「仕掛け」が提案されました。

ゾーニング


その中で、早々に採用されたのが「色によるゾーニング」です。

大きな病院では、フロアごとにイメージカラー割り当てて変化をつけています。
もし患者さんがエレベーターで違うフロアに降りてしまっても、「なんか違う」と気づきます。

当院はそんなに広くないので、フロアごとの差別化はあまり重要ではありません。

その一方、一つのフロアに診察室や検査室が隣接しているので、これを分けるための「ゾーニング」をしました。

診察室が並んでいるエリア一帯を青系、検査室や相談室は緑系、受付や事務を茶色、と言う具合です。

機能別のカラー


「ゾーニング」が一定の範囲で色を使ったのに対し、特定の機能に独自の色を割り当てることもしました。

当院では、フロア内に複数の「カウンター」があります。
迷った患者さんのご案内はもちろん、検査や処方薬の説明をしたり、予約の調整を取ったり、外来フロアの「要所」として活躍しています。

以前から、この「カウンター」を患者さんに案内するのが一苦労、という話が多かったので、思い切ってオレンジにしました。

その他、よく聞かれるのが「売店」、こちらはピンク。

そして、今回各所に配置されたサインの中で、診察室や、検査室という、具体的な部屋名の表示とは別に、「誘導」を目的としたサインがあります。天吊りのサインや、エレベータのフロア案内、マップなどがそれにあたり、これらを「青」で統一しました。

「青を目にするとそこに何らかの案内がある」、「迷ったら青を探す」とようにイメージしてもらえたら、という考えです。

ちなみに、誘導の青と、診察室の青はトーンを変えて差別化しています。

診察室以外もナンバリング


色を使った仕掛けの他に、番号を使った仕掛けも採用しました。

「〇番診察室」というのは、医療機関でよく聞く呼称です。一方で、当院ではこれまで、検査室や相談室にはナンバリングしていませんでした。

例えば診察室で採血をオーダーした場合、患者さんにはその診察室を起点に、右に行って、左に行ってと案内するしかありませんでした。

今回、検査室や相談室にもナンバーを割り当てることによって、職員は「緑の〇番に行ってください。」という案内に変わります。

番号は、機能に関係なく一定方向に発番していきます。
すると患者さんは、目的の番号が、目の前にある番号より、小さければ左に、大きければ右に行けばいいということがわかるはずです。

発番しない部屋も


企画当初、全ての部屋にナンバリングしたら、あまりの番号の多さに、企画メンバーから「かえってわかりづらい」との意見。図面を見て自分でもそんな気がしていました。

そこで、いっそ「患者さんが探す必要のない部屋はナンバリングしない」ことに、大幅にナンバーを削減しました。

例えば内視鏡検査室。多くの医療機関で、内視鏡室は受付、更衣室、待機室、前室、内視鏡検査室、回復室など、複数の部屋から構成されます。このうち、来院した患者さんが単独で探さなければならないのは「受付」です。その後は、ほとんど職員がご案内することになるので、患者さんが内視鏡検査室や回復室を「一人で探す」必要はありません。

そのような部屋は思い切って、ナンバリングせず、部屋名の表示も主張しないものにしたのです。

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