投稿

1月, 2015の投稿を表示しています

温湿度ロガーを使ってみるというのはいかがでしょうか

購買部門のある日の会話 看護師長:「ウチの病棟に加湿器置いてほしいんだけど、今すぐ!」 事務職員:「え、今すぐって言われても…。ところで、なんで急に必要になったんですか?」 看護師長:「今までなかったのがおかしいのよ。とにかく早くね!」 事務職員:「はぁ…」 事務職員:「◯◯病棟で、今すぐ加湿器がほしいと言われたのですが…」 事務長:「なんでそんな急に…。そもそも、実際に現場はどれくらいの湿度なの」 事務職員:「一応各部屋に温湿度計はおいてあるのですが、常に誰かが記録しているわけではないので…」 事務長:「看護部はなんて言ってるの?あっちの病棟に買ってこっちの病棟に買わないってわけにいかないし。あと、買うとしたらどんなの買うの?家庭用で、十分加湿できるのかね?」 事務職員:「いやぁ、なんとも言えませんが…」 こんなことありませんか。 私は今まで複数の医療機関や介護福祉施設で働いてきたのですが、どこでもこれと似たような話がありました。 近年は、厚生労働省もインフルエンザ対策の一つとして適切な「湿度」を保つことを奨励しており、また、患者さまに快適に入院生活を送っていただくには、「空調」は大きな要素の一つであり、なんとかしたいものです。 最近では、加湿機能を備えるエアコンも出てきているのですが、建物の付帯設備であるエアコンをそうそう取り替えるわけにもいきません。となると、やはり加湿器に頼ることになります。 さて、事務長の立場として悩ましいのは、加湿器を購入したとして、十分に効果を発揮してくれるのか、ともすると、そもそも加湿が必要な場所なのか、客観的な判断材料がないことです。 一応、院内のいたるところに温湿度計を設置していますが、それを逐一記録してはおらず、結局現場の職員の主観になってしまうのです。 そして、確たる根拠もないまま、購買部門の職員が、量販店で大量の加湿器を購入しているわけです。 そんな光景を見て、我々システム管理者は思います、「現場に湿度(どうせなら温度も)のセンサーを置いて、定期的に記録できたらいいのに」と。 もし、温湿度計の値を定期的に記録してデータ化することができたら、的確な対応が取れるようになるし、購入の根拠にも客観性が得られます。 ネットで探してみると、結構な種

電子カルテのデータは、院外にバックアップする時代に

長野市民病院が大規模災害に備えた電子カルテ データの保全に、Microsoft Azure の日本データセンターを採用(Microsoft News Center) つい2、3日前に、事務長から「もし、病院が大規模災害に見まわれたときに、電子カルテのデータって、どうなるの?」と聞かれたました。 このとき事務長が言っていたのは、単純なバックアップデータの保存先の話ではなく、「当院に入院中の患者さまが転院を余儀なくされた場合に、患者さまのカルテデータを効率的に引き継ぐ方法はないか」ということだったのですが、私が知る限り、それが簡単にできるほど、電子カルテの構造は簡単ではありません。 電子カルテのリプレイスをする際、それなりの移行費用が発生するわけで…。 さて、そんな事務長の話は置いておき、電子カルテのデータのバックアップを、安全な場所に保存しておくことは、地震大国日本の中で、とても重要なことだと思います。 以前、ある病院に見学に行った際、サーバー室を病院敷地の東と西のはじにに分けて配置していらっしゃいました。カルテサーバーの本番系とバックアップ系を物理的に離しておくことで、万が一の時、全てのサーバーがつぶれる可能性を低くするという試みで、なるほどと思いました。 とはいえ、サーバーが全てつぶれてしまう可能性はゼロにはできないわけで…。 バックアップデータもできるだけ物理的に離して保存するというのは、ネットワークインフラが整ってきた現在、現実的な選択肢だと思います。 記事の最初にリンクを張らせていただいた長野市民病院様の件、詳細がわからないので、クラウドの、Azureの、メリットがわかりませんが、こういった「院外へのバックアップ」が今度の潮流になるのではないかと思っています。 そういえば、当院で使用している電子カルテのメーカーさんも、本社屋に耐震設計のマシンルームを完備し、遠隔のバックアップサービスを開始するとのことです。 余談ですが、この「長野市民病院」様、以前このブログで、「 デジカメの画像を電子カルテに取り込むには-デバイス管理 」という記事を書いたのですが、その際、こちらの病院様でリコーさんのデジカメで、無線LANを使って転送する取り込みを紹介させていただいたのです。 今回も、一歩

ノートPCの液晶ディスプレイの解像度がスタンダードとフルHDに2極化された

ノートPCを購入するとき、機種選定の要素の中で、かなり大きいのが液晶ディスプレイです。 処理速度や記憶容量ももちろん重要ですが、ディスプレイは仕事の効率だけでなく、ユーザーが直接「見る」デバイスとして、身体的な負担に影響します。 基本的にディスプレイが大きいほど見やすくなりますが、ノートPCは「持ち運ぶ」ことが前提の筐体。 ただ大きければ良いというものでもありません。「視認性」と「可搬性」をどこでバランスさせるか、とても悩ましい問題です。 そして、ノートPCでは、あたりまえのことですが、液晶ディスプレイは交換することができません(修理交換の意味ではなく)。デスクトップ機であれば、最悪、他のディスプレイに交換することもできますが、一体となっているノートPCでは、「失敗した」と思っても、ずっと使っていくしかないのです。 さて、電子カルテに使うノートPCの機種選定で、最近困ったことが起きています。 ディスプレイの視認性を考える上で、サイズとともに重要なのが、「解像度」です。 最近市場に出回っているノートPCのディスプレイの解像度といえば、スタンダードなものでWXGA(1366×768)、ハイスペックなものではフルHD(1920×1080)です。 Apple社のRetinaディスプレイに代表される超高解像度(2880×1800)なんてのもありますが、このような特殊なものを除くと、ほとんどは、WXGAかフルHDです。 問題は、当院で標準的に採用しているノートPCの解像度が、WXGAとフルHDの中間のWXGA++(1600×900)であり、この解像度の液晶が市場にほとんどなくなってしまったことです。 このWXGA++(1600×900)、今となっては中途半端なサイズですが、他に選択肢がなかったのです。 まず、電子カルテシステムの画面が、WXGA(1366×768)では表示しきれず、レイアウトが崩れてしまう問題があったからです。かといって、ノートPCのディスプレイは15.6インチ。フルHD(1920×1080)では、文字が小さくなってしまいます。レイアウトが崩れず、文字が細かくならない、ちょうど良いのが、WXGA++(1600×900)なのです。 (ちなみに、21.5インチや、24インチのデスクトップ型では、フルHDで全く問題あり