ノートPCの液晶ディスプレイの解像度がスタンダードとフルHDに2極化された

ノートPCを購入するとき、機種選定の要素の中で、かなり大きいのが液晶ディスプレイです。
処理速度や記憶容量ももちろん重要ですが、ディスプレイは仕事の効率だけでなく、ユーザーが直接「見る」デバイスとして、身体的な負担に影響します。

基本的にディスプレイが大きいほど見やすくなりますが、ノートPCは「持ち運ぶ」ことが前提の筐体。
ただ大きければ良いというものでもありません。「視認性」と「可搬性」をどこでバランスさせるか、とても悩ましい問題です。

そして、ノートPCでは、あたりまえのことですが、液晶ディスプレイは交換することができません(修理交換の意味ではなく)。デスクトップ機であれば、最悪、他のディスプレイに交換することもできますが、一体となっているノートPCでは、「失敗した」と思っても、ずっと使っていくしかないのです。


さて、電子カルテに使うノートPCの機種選定で、最近困ったことが起きています。

ディスプレイの視認性を考える上で、サイズとともに重要なのが、「解像度」です。
最近市場に出回っているノートPCのディスプレイの解像度といえば、スタンダードなものでWXGA(1366×768)、ハイスペックなものではフルHD(1920×1080)です。
Apple社のRetinaディスプレイに代表される超高解像度(2880×1800)なんてのもありますが、このような特殊なものを除くと、ほとんどは、WXGAかフルHDです。

問題は、当院で標準的に採用しているノートPCの解像度が、WXGAとフルHDの中間のWXGA++(1600×900)であり、この解像度の液晶が市場にほとんどなくなってしまったことです。

このWXGA++(1600×900)、今となっては中途半端なサイズですが、他に選択肢がなかったのです。
まず、電子カルテシステムの画面が、WXGA(1366×768)では表示しきれず、レイアウトが崩れてしまう問題があったからです。かといって、ノートPCのディスプレイは15.6インチ。フルHD(1920×1080)では、文字が小さくなってしまいます。レイアウトが崩れず、文字が細かくならない、ちょうど良いのが、WXGA++(1600×900)なのです。
(ちなみに、21.5インチや、24インチのデスクトップ型では、フルHDで全く問題ありません。)

当院が電子カルテ導入のために大量にノートPCを購入したのが2012年。あれから2年が経過した2014年秋、ノートPCを追加購入する機会があり、「いつものアレを」とお願いしたところ、「WXGA++(1600×900)はもうないので、フルHD(1920×1080)で良いですか?」と。

以前から、量販店モデルでは解像度が2極化し、中途半端なWXGA++(1600×900)が姿を消しつつあることは認識していましたが、いよいよ法人モデルにも波及してきたわけです。

前述の通り、WXGA(1366×768)は文字の大小以前にレイアウトが崩れてしまうので、選択肢にはなりません。とりあえず、フルHD(1920×1080)のモデルを購入して、試してみることに。

電子カルテをセットアップして起動してみると、私個人的にはなんとも快適な感じがします。
しかし、現場の看護師に見せると、案の定、「字が小さすぎる」とのご指摘。

そこで、解像度を下げて、WSXGA+(1680×1050)にしたところ、「これなら大丈夫」と。

意外だったのは、解像度を下げてもあまり表示のシャープさが劣化しなかったところ。
一昔前の液晶ディスプレイは、最大の解像度で使わないと、「にじむ」ような表示になってしまい、使用に耐えなかったのですが、最近のものはそうでもないようです。
従来のWXGA++(1600×900)のPCと並べてしまえば、その差ははっきりしてしまうのですが、単体で置いておいたら、不思議に思わない程度です。

どうやら今後は、フルHDのノートPCを購入して解像度を落とす、という少しもったいない使い方でいくことになりそうです。

当院だけの問題ではないので、カルテメーカーさんがノートPCのサイズのフルHDに対応した、あるいはWXGA(1366×768)に対応したレイアウトをリリースしてくれれば悩まなくて良いのに…。

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