電子カルテのデータは、院外にバックアップする時代に

長野市民病院が大規模災害に備えた電子カルテ データの保全に、Microsoft Azure の日本データセンターを採用(Microsoft News Center)

つい2、3日前に、事務長から「もし、病院が大規模災害に見まわれたときに、電子カルテのデータって、どうなるの?」と聞かれたました。

このとき事務長が言っていたのは、単純なバックアップデータの保存先の話ではなく、「当院に入院中の患者さまが転院を余儀なくされた場合に、患者さまのカルテデータを効率的に引き継ぐ方法はないか」ということだったのですが、私が知る限り、それが簡単にできるほど、電子カルテの構造は簡単ではありません。

電子カルテのリプレイスをする際、それなりの移行費用が発生するわけで…。

さて、そんな事務長の話は置いておき、電子カルテのデータのバックアップを、安全な場所に保存しておくことは、地震大国日本の中で、とても重要なことだと思います。

以前、ある病院に見学に行った際、サーバー室を病院敷地の東と西のはじにに分けて配置していらっしゃいました。カルテサーバーの本番系とバックアップ系を物理的に離しておくことで、万が一の時、全てのサーバーがつぶれる可能性を低くするという試みで、なるほどと思いました。

とはいえ、サーバーが全てつぶれてしまう可能性はゼロにはできないわけで…。
バックアップデータもできるだけ物理的に離して保存するというのは、ネットワークインフラが整ってきた現在、現実的な選択肢だと思います。

記事の最初にリンクを張らせていただいた長野市民病院様の件、詳細がわからないので、クラウドの、Azureの、メリットがわかりませんが、こういった「院外へのバックアップ」が今度の潮流になるのではないかと思っています。

そういえば、当院で使用している電子カルテのメーカーさんも、本社屋に耐震設計のマシンルームを完備し、遠隔のバックアップサービスを開始するとのことです。


余談ですが、この「長野市民病院」様、以前このブログで、「デジカメの画像を電子カルテに取り込むには-デバイス管理」という記事を書いたのですが、その際、こちらの病院様でリコーさんのデジカメで、無線LANを使って転送する取り込みを紹介させていただいたのです。

今回も、一歩先行く取り組みに感心するばかりですが、当院も後に続けるよう見習いたいと思います。

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