医療機関の広告に使ってはいけない表現
大きい病院だと専門の部署があったりするのですが、当院では「広報」の仕事は経営企画室が担っています。
あまり多くはないのですが、ちょっとした広告を出すことがあります。
本当の広告(?)を打つことはなく、地元の学校の文化祭の協賛とか、大学の同窓会名簿とか、あとは、地域を走るコミュニティバスの時刻表とか、そんなところです。
さて、今回、地元自治体からの要請があり、やはり小さな広告を出すことになりました。
部署の職員に広告デザインの制作を任せ、ほどなくしてサンプルが上がってきました。
写真を入れるようなスペースもないので、病院名と、住所電話番号と、そして…、当院の理念を入れたとのこと。
当院の理念をそのまま書いてしまうと、病院が特定されてしまうので、ここでは仮に、
「患者さんに安心安全な医療を提供します」
とします。
これを見てふと思いました。これって、広告して「アリ」なのかと。
医療機関の広告はきびしく規制されています
医療機関で広報業務にかかわる方はよくご存知だと思いますが、医療法では広告に掲載して良い事項が、きびしく制限されています。
端的に言えば、患者さんに誤解を与える内容・表現は禁止されています。
例えば、
- 絶対治ります
- 治療実績No.1
などの文言や、イメージを誘導するような写真など、過度に期待を持たせるような表現はNGとされています。
そう考えると、当院の「安心安全な医療を提供します」(仮)は、たぶんNGです。
病院の理念として職員間で共有する分には問題ないのですが、これを「キャッチコピー」としてそのまま使うのは、やはりNGです。
すでにやらかしていた
さて、今回の広告案件は、校了前に気付いたから良かったのですが、問題は過去にこのような広告を出したことがある、ということです。
今回広告のデザインを制作した職員によると、過去に私が使用したデザインを参考にしたとのこと。つまり、私が過去に制作した広告には、今回のように病院の理念が入っていたということです。
これまでこの手の仕事は自分一人でずっとやってきたので気付かなかったのですが、こうして他人が制作したデザインを客観的な視点で見ることができ、我に返ったというわけです。
大いに反省し、今後は気をつけたいと思います。
それにしても、やはり仕事はたくさんの人が関わった方が良いですね。
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