使用開始から3年後、やっとPACSのブラックアウト機能を実装したけれど…

当院では、電子カルテを導入したのが2012年末、PACSの方もちょうど時期だったので、電子カルテ導入に半年先行してリプレイスしました。
ということは、今が2015年の4月なので、電子カルテは約2年半、PACSは約3年使用してきた計算です。

PACSのビューワーの動きについては、電子カルテの導入時から、いろいろ問題があったのですが、その1つに、「外来診察室でのプライバシーの問題」というのがありました。

ビューワーに患者さまAの画像を開き診察が終了、患者さまBを診察室に呼び入れた後、前の患者さまAの画像が見えてしまう、という問題です。

この問題を、「診察が終わったら、毎回、PACSのビューワーを(マウス操作で)閉じる」という、力技で対処してきたのですが、このたびようやく、「ブラックアウト」の機能が実装されました。

「ブラックアウト」なんでいうと格好いい(?)のですが、要するに、電子カルテを閉じたら、それに連動して、PACSビューワーも閉じる、という機能です。

リリース直後から、現場の評判はとても良く、システム部門としては、久しぶり(!)にお褒めの言葉をかけられることが多い案件でした。


とはいうものの、実装に至ったまでの期間を考えると、とても喜べる話ではないのです。

PACSの「外来診察室でのプライバシーの問題」は、電子カルテの稼働直後から問題になっていました。そして、この問題をどのように解決すれば良いかも単純で、皆が同じことを考えていました。
よくある、「アチラを立てればコチラが立たず」的な問題もなく、診察が終了したタイミング、つまり「診察終了ボタン」を押すアクションに、PACSビューワーをコントロールする機能を割り当てれば、皆がハッピーになるのはわかりきっていたのです。

なのに、ここまで遅れてしまったのには、複数の原因があります。PACSベンダーさんの対応が遅かったのもあります。院内調整に手間取ったことも否めません。

紆余曲折あってやっと実装にこぎ着けたのがPACSの稼働から約3年後。このPACSをあと何年使えるのかと考えると、なんともやりきれない気持ちになります。
仮にPACSを導入から5年後にリプレイスするとして、今回実装した機能を2年しか使わないことになります。機能の実装が早くても遅くても、そこにかかる費用は変わらないわけで、であれば、その機能を使用する期間がシステムのライフサイクルの40%というのは、なんとももったいない話です。

「PACSを5年でリプレイスしなくても、もっと長く使えば」という意見もあろうかと思いますが、今使っているPACS、先生の間ではとっても評判が悪いんですよね…。

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