Googleのインドアビューの掲載見送り


Googleのインドアビューってご存じですか。
どんなものかは、上のリンクをクリックしていただければ。

2ヶ月ほど前、あるベンダーさんから、この「インドアビュー」を当院で導入したらどうかと持ちかけられました。
このベンダーさん、「Google認定パートナー」とのことで、Googleからインドアビューの普及の仕事を請け負っているそうです。
調べてみると、同じ仕事をされているベンダーさんは多いみたいで、地域によってすみ分けているのだろうと思います。

結構な金額がかかります

このインドアビュー、掲載するのにお金がかかります。
すっかり市民権を得て定着している「ストリートビュー」では、掲載にお金がかかるという話は聞きません。そもそも、ストリートビューは公共性が高い一方、インドアビューは企業のプロモーション要素が強いのでしょう。
先ほどのベンダーさんのWebサイトを見てみると、いろいろな業種があります。多いのはホテルや、美容室、カフェ、クルマのショールーム、フィットネスジムなどが目立ちます。「病院」は数えるほどしかありません。医療業では、歯科クリニックさんはかなりの数が見受けられます。近い業種では、整体やマッサージ店も多いみたいです。
掲載の多い業種は、1.ライバルが多く存在する。2.店舗を訪れるのにそれなりの覚悟がいる。という点が共通しており、店舗の様子を公開することで、少しでも来店の敷居を下げたいのでしょう。

さて、その料金が結構な額です。
ベンダーさんや時期によって多少違うのかもしれませんが、当院にお声かけいただいたベンダーさんによると、以下のような料金設定になっています。

  • 基本料金 60,000円
  • 撮影箇所1箇所につき、基本料5,000円+撮影料40,000円
例えば、5箇所(玄関、受付周り、診察待合室、検査待合室、リハビリテーション室みたいな感じで)を撮影するとなると、
(5,000円+40,000円)✕5箇所+60,000円=285,000円
という計算になります。

ところが、今ならキャンペーンで、撮影料の40,000円を無料にできます、とのこと。
先ほどのケースだと、285,000円のところが、85,000円になるわけです。なんとお得な…。

当院の地区では、もちろんまだインドアビューを導入している医療機関はなく、「ぜひ、地域で第一号の病院になってほしく、今なら…」とのこと。

戦略?

なぜ、こんなにも格安のキャンペーンを打つのでしょうか。
これは私の推測ですが、現在は「普及期」だと思うんです。先ほども述べましたが、医療機関はまだまだインドアビューを採用しているところは少ないようです。
正直なところ、医療機関の増患を考えた場合、この「インドアビュー」の貢献度が高いとは思えません。「受付が明るくてきれいだから」とか、「廊下が広々としているから」とか、そういう理由で病院を選ぶ人って…、少数派のような気がしています。特に、当院のような郊外の病院は、患者さまを「取り合う」っていう感覚が薄いのかもしれません。
「そこまでお金がかかるなら、(インドアビューは)別にいらない…」と考える医療機関が多いのではないでしょうか。
しかし、多くの病院がこのインドアビューを採用し始め、導入していない病院の方が少なくなったら、もしかしたら「なぜこの病院は施設を公開することに消極的なのか」という目で見られるかもしれません。
そうなったら、Googleが「売り込む」のではなく、医療機関が「お願いする」ことになり、立場が逆転します。その時、医療機関は正規の金額を支払うことになるのでしょう。 

結果、当院では見送りに

このインドアビューが、広く普及し現在の「ストリートビュー」のように、我々の生活に「定着する」ならキャンペーンのうちに導入した方が良い。
しかし、この先普及しないのであれば、たとえキャンペーン中の金額であろうと、もったいないことに…。
普及するのか、しないのか…。
さて、私は「普及する」と判断し、院長にインドアビューの導入を進言したのですが、あえなく見送りに。
「いろいろ見えるってのは、防犯的にマズんじゃない…」と。そこですか…。


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