レギュラーにできないイレギュラー

私がよく使うデスクの近くに、人間ドックの受付担当のデスクがあります。

昨今、人間ドックは高級路線が進み、まさに「サービス」としての要素が重要になってきています。
人間ドック専用の施設として独立していたり、担当スタッフがついて回ったり、至れり尽くせりになってきています。

一方、当院の人間ドックは昔ながらのもの。件数も少ないので、検査も診察も、一般患者さんの枠の合間でやりくりしています。

病院の方針として、人間ドックを積極的に強化していく方針はありません。
需要はあるのですが、なにせ保健医療の患者さんだけで、人手もハードウェアも限界なので、受け入れたくても受け入れられず…。
それでも、かかりつけの患者さんの中に、当院のドックを希望されるかたがいらっしゃいまして、細々続けているわけです。

今後の人間ドックの展開については、思うところがあり、改めて記事にしたいと思いますが、今日は別の話。

人間ドックのトラブルあれこれ


冒頭にも書いたとおり、人間ドックの受付担当のチームは、場所的に私のデスクと近く、どうしてもその「やりとり」が耳に入ってきます。

まあ、通常のオペレーションなら気にならないのですが、トラブル対応なんかしていると、どうしても気になってしまうわけです。

「トラブル」と言っても程度はいろいろです。

いわゆる「クレーム」はもちろんですが、そこまで至らないものでも、「これ、どーする?」みたいな話がいろいろあります。

  • 患者さんが、前日に飲んでおくよう依頼していたお薬を飲んでいない
  • (逆に)止めてもらうお薬を飲んでしまった
  • 内視鏡検査があるのに食事をしてしまった
  • 当日、検査項目の変更を訴えている
  • 保健医療が適用になるほどの自覚症状がある
  • 遅刻
などなど…。他にも、些細な連絡ミスだったり、いろいろなことがあります。

職員任せのトラブル対応

こういったことが起きると、受付担当の職員を含め、各方面で「調整」が始まるわけです。

突発的な事象に、職員の機転でやりくりしていく、これぞ「臨機応変」。

しかし、この「臨機応変」、職員の能力に大きく左右されます。

経験豊富な職員や、要領の良い職員であれば、的確な対応ができます。
逆に、新人職員だったりすると、右往左往している間に事態が悪化してしまったり。

また、調整仕事には「お願い」がつきものです。
すると、職員の立場や性格によって、無理がきく場合とそうでない場合が発生します。

同じようなトラブルが繰り返される

もうここまで書いたら、私が何を言いたいかお察しのことでしょう。

「それってルール化できませんか」ってことです。

先ほどあげたような事象って、「想定の範囲内」なのでは、と思うのです。
人間ドックをやっている以上、どこの施設でも起きうることです。

仮に想定の範囲外だったとしても、次回どのような対応をすれば良いか検討して、予防策を講じるとか、対応をルール化するなどすれば良いのだと思うのですが、なぜか日々同じような対応を繰り返す。

権限がなければ、「気の利いた判断」を求められる職員も気の毒です。

こういった職員個々の力量に委ねられる現場って、新人を戦力化するのに時間がかかったり、あるいは、採用してもすぐ辞めてしまったり、長い目で見たら経営的に不利なはずです。

一流ホテルのリッツ・カールトンや星野リゾートは、現場のスタッフに一定の権限があたえられていて、それが感動をサービスを生むことはよく知られています。
(どっちも泊まったことないけど)

それは相応の対価をいただくことで成立するビジネスモデルであり、当院の人間ドックは、そこまで高級路線ではないし、それを求められてもいません。


まあ、私は実務を経験していないので、現場の職員に言わせればいろいろ事情があるのかも知れませんが、やりとりの声が聞こえてくると、「また今日もか…」と思うわけです。



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