次期PACSベンダーさん選考中です

久しぶりの投稿です。

当院では、近くPACSの更新を控えておりまして、そのベンダー選定が山場を迎えており、なかなか忙しい日々を過ごしています。

PACSは、HIS系システムの中では、電子カルテに次ぐ「大物」です。

画像はもちろん、今時は動画も扱うので、システムが求めるスペックも高く、金額もさることながら、その使い勝手は、ある面では電子カルテよりもシビアかもしれません。

そして、ややこしいのが、関わる部署が多く、また、それぞれこだわる部分が違うところです。

関係者のこだわり

これから書くのはあくまでも当院の話なので、ご了承ください。

まずは、読影医。直感的に操作できるか、過去の検査が素早く探せて、比較できるか。

今回、多くのベンダーさんのデモを拝見しているのですが、一番驚いたのが、スライス画像の「同期」。新旧2回の検査画像で、断層画像のスライスが自動的にピタリと合って、マウスのホイールを動かすと、2つの画像が同期して動くのです。

この辺は、使い勝手というか、「精度」の問題でしょうか。

次に臨床医。読影医ほど深くビューワを使い込むわけではないのですが、なんといってもキビキビどうすることが求められます。患者さんを目の前にして使うわけですから、とにかくスピード重視。

放射線部門や検査部門では、画像を見ることもさることながら、その前後の処理が業務の効率化に直結します。オーダー情報との連動や、検査一覧の見やすさや使いやすさが、求められます。

その他、当院は透析患者さんを多く抱える病院なので、心胸郭比の自動計測はとても重宝されます。計測する部署にとってはこの「自動計測」が必須なのですが、全てのベンダーさんがこの機能を達成しているわけではありません。

見積の条件を揃えるのは…ムリです

この数ヶ月、各PACSベンダーさんの条件を合わせるのに、かなりの時間を費やしてきました。

基本的に、私がPACSベンダーさんに直接声をかけることはありません。私はあくまで中立です。

では、誰が声をかけるのかというと、前述の「関係者」です。医師であり、放射線部門であり、検査部門です。当然ですが、そのベンダーさんのシステムが使いたいから声をかけるわけで、自分が使いやすい構成で依頼し、一方で他部署に配慮しません。

そうして集まった見積は、構成がまったく違っており、これを一つひとつ紐解いて、なるべく同じような条件に寄せていく作業が必要になります。

この作業、かなり過酷です。専門的な領域の話になったり、業務の話になったり、本当に、勉強しなければいけないことは山ほどあります。

また、各ベンダーさんごとに、仕様上、できること、できないことがあるので、やはり完全に条件をそろえることはムリなのです。

そして院長・副院長へのプレゼンへ

それでも、どこかで次期PACSベンダーさんを決めなければなりません。
今使っているPACSの保守満了は待ってくれません。

そして、これら複雑な条件を、決裁者である院長・副院長にわかりやすく説明するのが私の仕事です。

わかりやすい資料を作り、それでも出てくる質問に対し答えられるように準備をして、いざ、選定会議に臨みます。


そして私の重要な役目がもう一つ。ベンダーさん決定後の、各部署への説明。

思い通りのベンダーに決まった部署は良いのですが、意向を酌むことができなかった部署への説明は、こちらも院長・副院長へのプレゼン同様、「腑に落ちる説明」をしなければなりません。

こっちの方が難しいかも…。


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