外来の「稼働率」資料が正式採用、早くも次のお題が

先日、かねてから取り組んでいた、「医師別予約枠消化率」のデータが正式に院内で採用されました。

この資料は、外来の診療科別の医師の適正配置を検討する目的で制作しました。
本当はもっと細かいのですが、大体こんな感じです。

長い間お蔵入りになっていた資料

お恥ずかしい話なのですが、当院ではこれまで、月ごとに外来患者数の合計が報告されるだけ、なんともザックリな集計しかしていませんでした。

医師別どころか、診療科別でもなく、ただ「外来患者」というくくり。

「こんなんで良いのか?」と思い、外来の看護師長と話をしたのが、かれこれ2年ほど前。

当時、師長も外来の運営に頭を悩ませていました。

もっとも困っていたのが、外来の実状に、病院が手配する医師がかみ合っていないこと。

不足している診療科ではなく、患者さまの少ない科の医師が手配されてしまうことも。


そこで、設定されている予約数とその診療数を集計することで、いわゆる「稼働率」を出そうと。

さらに、一週間の中でバランスを整えられるようにと、曜日毎に算出することにしました。

プロトタイプができて、師長も感激していたのですが、その後この案件は頓挫してしまいます。


医師ごとに数字がまとまっているため、ともすると、医師の評価にもつながりかねません。

制作した私にはそんなつもりはなくても、誰がどこで見るかわからないので、そこには慎重に…。

ということで、院長に相談したところ、思った通り、「ちょっと待て」の指示。

必要に迫られ解禁

それから月日が経ち、風向きが変わってきたのは、他でもありません。

きっちりと各診療科で利益が出せるように、という考えが少しずつ浸透してきたのです。

そして、先ほどの外来師長が、私が制作したプロトタイプと同じようなことを手計算で始めていたのです。

気がつけば、師長の残業がとんでもないことになっていたというわけです。

これを知ってさすがの院長も首を縦に振り、この資料が正式採用されたわけです。

新たな課題

さて、この資料が経営幹部の手元に渡るようになって、さっそく次のお題が。

「回転率」とでも言いましょうか、適当な言葉が思いつかないのでこう呼んでいるのですが、これを求めている人に言わせると、以下の通りです。
  • 単純な「診療数」や「稼働率」では、評価できないことがある。
  • 例えば、常に100%に近い稼働率の先生でも、ほとんと慢性の患者さまで占めている場合もある。
  • 逆に、「回転率」の詳細がわかれば、稼働率が上がらない先生で、新患を増やした方が良いのか、今いる患者さまをじっくり診てもらった方が良いのか、対応が変わってくる。
新患数と転帰数を補足して「回転率」を算出し、これと合わせて「診療数」や「稼働率」を評価する必要があるというのです。

おそらく、データを取得するのは難しいことではないのですが、これをどうやって表現したら、見る人にとってわかりやすいものになるのか、「まとめ方」の方が難しそうです。

まあ、データ活用に消極的だった当院で、新たお題が課せられることは、個人的にはとても良いことだと思っています。

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