病棟の稼働状態が一目でわかる、「MEDI-SINUS」

国際モダンホスピタルショウ2017(7/12~14)が終わって、約10日経過しました。

この「ホスピタルショウ」には毎年必ず足を運ぶようにしていますが、今回初めて、事前申し込みが必要なセミナーにも参加してみました。
私が申し込んだセミナーは、無料にもかかわらず内容は充実していて、今後は必ずセミナーも含めて参加しようと思った次第です。

さて、展示ブースの方ですが、いろいろ興味をひくものがあったのですが、その中でダントツはコチラ、
病床管理業務支援システム「MEDI-SINUS」(ニッセイ情報テクノロジー株式会社)
ぜひ、上のリンクから、詳細と画面イメージを見ていただきたいです。

ベッドコントロールは医療機関の重要課題 


病棟の「平均在院日数」がなぜ重要か、簡単に書くとこんな感じです。
  • 国は病院を、提供する医療によってカテゴリー分けしており、どこに分類されるかで
    病院が鰓得る収入が変わってきます。
  • 手術など、治療を積極的にする病院は、多くの医療資源を必要とするので、1日あたりの単価(病院が得られる収入)が高くなります。
  • 一方、経過を見たり、まだ家に帰れるほどではないという場合は、投入する医療資源も少なくなるので、1日あたりの単価は安くなります。
  • カテゴリーは「7対1看護体制」とか、「10対1看護体制」などといいます。
  • その名の通り、看護師の配置人数も重要ですが、その他にもハードル高いのが、この「平均在院日数」なのでです。
国は、各医療機関がより単価の低いカテゴリに移行するように、条件を少しずつ厳してくしています。

当院でも、数年前に7対1から10対1に移行しました。当然、1日あたりの収入が少なくなり、経営にも影響を与えましたが、なんとやりくりしています。

当院のような中小規模の病院にとって、この平均在院日数問題はとても重要な課題なのです。

病棟を一覧できる


本題です。

ニッセイ情報テクノロジーは、DPCやレセプト、文書作成など、医事や医療システムにかかわる人にはおなじみの会社です。

この辺のシステムはすでに整備済みなので、軽く見て帰ろうと思っていたのですが、この「MEDI-SINUS」の画面を見て足を止め、そして「なるほど」と漏らしてしまいました。

画面には、サンプル病院の全病床が一覧表示されています。
もう一度書きます、「全病棟」が一覧表示されています。

通常、電子カルテシステムでは、病棟単位で情報を表示します。
現場スタッフは、自分の病棟以外の情報を必要とする機会は多くないので、それが普通ですし、余計な情は必要ありません。

しかし、これがベッドコントロールをする立場となると、病棟をまたいで情報を把握することが必要です。一覧表示はこれにうってつけです。

その後、いただいてきたパンフレットを読み込むと、各ベッドに表示を
  • 年齢や診療科などの患者情報
  • 感染症などの情報
  • 退院(入院)予定
にしたりすることもできるようです。

また、各患者に対し、職種それぞれの立場で、
  • 医師:コメント
  • ソーシャルワーカー:退転院の確保状況
  • リハビリ:介入情報
などをコメントすることができ、ベッドコントロールに関する情報が一元的に確認できそうです。

目のつけどころ


少し興奮気味に書いてしまいましたが、冷静に考えてみると決して「画期的」なものではないと思うのです。

前述したように、ベッドコントロールはどこの病院でも苦労されている、いわば「既存の課題」です。最近になって生まれた課題ではありません。

そして、このシステムで使用するデータは、その多くがすでに電子カルテ上に存在しており、技術的にも「画期的」なものではないと思います。

そう考えると、「なぜ自分にこういう発想がなかったのか」という思いが巡ります。

まあ、悔やんでもしょうがないし、この「一本取られた感」を胸に、明日にでも看護部長にパンフレットを見せたいと思っています。

コメント

このブログの人気の投稿

GoogleのAutoDraw、ピクトグラム作成に使えそう

旧字体や外字は使用できません

患者さんの視線とサインの高さ