地方の中小病院にとって「10連休はちょっと…」

長いGWが明けて、多くの医療機関が今日から通常稼働していると思われます。

私はGW期間中、4/28に工事の立ち会いで1日だけ出勤したものの、その後8連となりました。そして今日からフルスロットルで働いております。

今年のGW、受け取り方は人それぞれだと思いますし、マクロで見たらなにか良い効果があるのかもしれませんが、私が見た病院の運営について言えば、あまり良いものではありませんでした。


病院は、外来は休診したとしても、入院患者さんがいるのでお休みするわけにはいきません。また、当院では透析患者さんも多いので、日曜以外は祝日でも透析室が稼働します。
つまり、多くの現場職員が働きます。

もちろん、現場が動けばバックヤードの職員もいろいろな仕事を担っているわけで、やはり休むことができません。

こうして、世間的には「休み」といっても、かなり「中途半端」な状態で稼働しているわけです。

そして、GW期間中に出勤した職員には、どこかで代休ととらなければなりません。
この先数週間、現場の長には、難しいやりくりが求められるのです。



「入院」はこの通りですが、外来はどうでしょうか。

救急患者の受入については、誰もが想像つくところでしょう。意外と困るのが定期受診の患者さんの通院サイクルが乱れることです。

当院のような規模の病院は、「急性期」の患者さんだけではありません。むしろ、病状は落ち着いていて定期的に受診される患者さん(「維持期」とか「慢性期」とか言います)の方が多いのです。

すると、いつもの通院サイクルでは、GW期間中に受診するはずだった患者を、その前後で調整しなければなりません。

言うまでもありませんが、翌週には翌週の、翌々週には翌々週の患者さんがいるわけです。外来のキャパシティは限られているので、かなりの無理をしなければなりません。

さらに、当院のような地方の中小病院では、「非常勤」の医師が担当する外来があります。限られた曜日にしかやっていない診療科だと、調整はさらに困難になります。

こうした状況は、毎年の年末年始も同じなのですが、さすがに10連休はちょっと…、となります。


他にも、薬剤や診療材料、給食用の食材も備蓄しなければなりません。
機器や設備がトラブったときの対応も考えなければなりません。


ここまで、「良くない」方を、つらつら書いてきましたが、一つだけ「良い」のは、機器や設備などのまとまったメンテナンスができることです。

冒頭に書いた「工事の立ち会い」がまさにそれなのですが、外来患者さん向けのサイネージの機材を入れ替える工事がありまして、「1日で終わらないかも」という工事は、連休があると助かります。

でも、それくらいです。何度も書いて恐縮ですが、10連休はちょっと…、という感じです。


昨晩あたりから、ニュース番組などで、「このGW、どうだったか?」、「10連休は長過ぎ?」などのアンケート結果が流されていました。
好意的な回答は少なかったように見受けらましたが、皆さんの身の回りではどうだったでしょうか。



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