広報仕事のジレンマ

当院では、今週から「職員は全員マスク着用」となっています。
まだ、クーラー入れいている部署もあるというのに、感染制御委員会の気合いのほどがうかがえます。

さて、今日は私が広報の仕事をするときに抱えている矛盾の話を。

当院では、経営企画室の仕事の一つに、「広報業務」があります。

と言っても仕事の範囲が曖昧で、たまたま私が

  • カメラが趣味で、
  • Adobe系のソフトを使えて、
  • これまでの仕事でデザイン力が評価されている
ということで、「制作」は私の仕事になっています。

広報の仕事はザックリいえば「企画」と「制作」であり、重要なのはもちろん「企画」のほうです。

その「企画」を誰がするのかが明確になっていないので、いろいろと問題が発生します。

放置される執筆依頼

Webサイトでも、ポスター経緯でも、広報誌でも、「何を」伝えたいのかハッキリすれば仕事が進むのですが、担当部署に執筆依頼しても、なかなか原稿を提出してくれません。

年単位で放置されることもしばしば。

後述する理由で、当院はあまり広報に力を入れていないので、普段はあまり問題にならないのですが、何かの拍子に突然、「Webサイトの情報が古くなっているがどうなっているのか」、「こういうことは、ちゃんとポスターで掲示しないと」となるのです。

すると私が催促されるのですが、私はあくまで「制作」の立場なので、担当者が内容を提示してくれないと、どうにもならないのです。

各部署に目標設定がない


なぜ広報業務の優先順位が低いのか。各部署に同機がないからです。


以前私が勤めていた病院では、各部署に数値目標が設定され、毎月、予算実績報告をしていました。

そうなると、各部署は患者さんを誘導しようと、いろいろな試みをするものです。

「医療機器が新しくなったので宣伝してほしい」、「回転率を上げるために、こんな案内を掲載してほしい」など、自発的に情報発信します。

ところが、当院では特に求められていないので、働きかけなければ各部署が自ら情報発信することはありません。

地域に競争がない

さらにいえば、地域に競争がないからです。

人口密集地は医療機関密集地です。気を抜けば、よその病院さんに患者さんが持って行かれます。

しかし、当院の地域は郊外…というか田舎なので、選べるほど医療機関がありません。

ですから、患者さんが突然増えることもなければ、減ることもありません。

それでも求められる広報

「じゃあ、がんばらなくても良いのでは」と思われるかもしれませんが、そうとも言えません。


患者さんをある意味「教育」することは、病院運営を効率化するために必要なことです。

患者さんに、当院を受診する上で知っていてもらいたいルールを、事前案内することは、患者さんにとっても、病院にとっても良いことです。

逆に、ルールを逸脱する患者さんがいると、「ちゃんと患者さんに伝える工夫を」となるわけです。


また、Webサイトなどは、ある程度の見栄えが必要です。

デザインもそうですが、しばらくアップデートされないと、格好がつかないものです。

いかに地域に競争がないといっても、医師をはじめとする臨床の職員は横のつながりがあり、「ウチの病院のサイト」がショボいのを嫌うものです。

こうして何かのきっかけがあると、広報業務がどうなっているのかやり玉に挙がるわけです。



上からは「早くやれ」といわれ、部署からは原稿が得られず、こうして日々私は悶々としているのです。

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