プロジェクトの進捗管理は小刻みに

電子カルテのプロジェクトが大詰めで…と、何度このブログで書いたことか。
勤怠を集計してみると、毎月のように休日出勤と残業時間が増えていく、きれいな右肩上がりの日々です。

さて、やはりというか、プロジェクトに遅れが出てきました。
全体が遅れているわけではないのですが、一部の部署で遅れが出ています。ある程度足並みが揃わないと次の行程に入れないところがあり、バランスが崩れてきています。

最も遅れている工程は、「マスタ作成」です。

これを書いてしまうとどこのメーカーを採用したのかわかってしまいそうですが、少し当院で採用した電子カルテについて書かせていただきます。

当院で採用した電子カルテは、マスタの作成にかなり時間と労力が掛かる仕組みになっています。

ここでいう「マスタ」とは医師が入力するオーダーマスタのことです。まず、各診療現場のスタッフは、医師がオーダー入力しやすいように、オーダーを選択する画面を整えていきます。オーダーが階層的になっており、例えばCTの予約では、[CT検査]→[部位(上腹部単純ど)]→[コメント(OPE前、読影ありなど)]と、気の利いた選択画面を作りこんでいきます。

ここが一つ目の課題です。今までは、医師が走り書きすれば、経験を積んだスタッフがそれを理解していたのですが、コンピュータが相手となると曖昧にはできません。また、医師ごとのクセや言い回しも通用せず、すべての医師に同じ操作体系でオーダーをしてもらうことになり、その調整がたいへんです。

2つ目の課題は、保険点数の体系に合わせることです。各現場でオーダーのしやすさだけを優先して作ったマスタの構造が、必ずしも保険点数の体系とマッチしているわけではないのです。仮に、その時はなんとか医事課が合わせたとしても、いずれ来る保険改正の時に、修正するのが面倒になったりします。
ですから、マスタの作成は、各現場と医事課の間で何度も行ったり来たりを繰り返すのです。

そんなわけで、マスタ作成が遅れているのですが、マスタは電子カルテの基本なので、これができないと前に進めないわけです。
例えば、よくあるオーダーをセットにしておくこともできるのですが、仕組みとしてはマスタの組み合わせなので、セットを組むという仕事ができません。
あるいは、リハーサルをしようにも、医師のオーダーができないのでは、各現場に指示が出せません。


さて、この「マスタ作成」が遅れた原因ですが、病院側の職員に言わせれば「カルテメーカーが作業の詳細をしっかり教えてくれれば、的確なペース配分ができた」ということになります。また、カルテメーカーからすれば「かなり前から案内していたのにもかかわらず、とりかかるのが遅かったから」となります。

そこで思うのですが、スケジュール管理をもっと細かくすればよかったのではないかと。

大雑把に、「マスタの作成は◯月いっぱいまで」となっていると、その間、順調なのか遅れているのかわかりません。
例えば、「サンプルマスタから使っていないものを削除するのが◯日まで、次に体型を整えるのが○日で、医師に確認するのが○日」と工程ごとに区切っていもいいと思います。
あるいは、カテゴリーで分けて「検体検査は○日まで、生理機能検査は○日まで」としてもいいかもしれません。

細かく切っておけば、仮に遅れが出たら、メーカー側は早く気がつくことができます。また、病院側は、自分たちの想定しているスケジュール感が正しいのかどうかわかります。

まあ、こんなことはシステムの開発をしている方にとっては、常識的なことなのかもしれませんが、今回はいい勉強になりました。

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