代行入力の権限について(前編)

-今回のテーマは長くなってしまうので、2回に分けてみました。-

先日、このブログにあるコメントをいただきました。
医師の代行入力には資格が必要なのでしょうか。
ベルカンポさんの以前の記事で2014.4の「電子カルテの書き込み権限がまったく整理されていなかった問題」を読みました。
私の勤める病院では、代行オーダーは一般の事務職員もや看護師も行っています。主に検査オーダーなどです。代行の権限があるかないかとてもあいまいです。
私は医師事務作業補助者をしていて今までは、代行の仕事は主に診断書の作成でしたが、最近になって、病名つけや特定疾患の管理料など「医師事務でないと代行不可」という話が持ち上がり、代行することになっています。
検査オーダーなどをたとえば外来の受付事務が代行することもあったので、「医師事務でないとできない代行がある」という話に驚いています。
医師事務は、研修は受けていますが資格とは異なるので、加算の要件として必須ですが「医師事務だから代行してよい」とか「医師事務でないから代行できない」というのはおかしいように思うのです。
しかし、ベルカンポさんの記事を読み、代行には権限があるのかと改めて思いました。
その権限は病院が規定するものなのでしょうか。
そうであるなら、病院が規定すれば、検査オーダーや放射線科のオーダーも誰がやっても問題ないということですし、さらには病名つけや管理料の代行もOKということになるのでしょうか。
(一部割愛させていただきました)


投稿者さまは、医師事務作業補助者の職に就いており、その職域をめぐっていろいろとお悩みのようです。

代行入力の資格

まず、私が書いた過去の記事(電子カルテの書き込み権限がまったく整理されていなかった問題 2014/4/26)ですが、誤解を招いてしまいました。
代行入力といっても、あまりに畑違いなのはどーなの?、ってことが書きたかったのです。当時は、ほとんど全てのオーダーが、どの職員からでも「代行入力」できてしまう状態であり、それを嘆いた(?)記事でした。

さて、本題なのですが、「代行入力が誰でも可はマズい→制限しなければ」というのは、あくまで院内の話であり、公的な規則…つまり法律で決められているという話は聞いたことがありません。

結局のところ医療行為は医師の指示のもと行うものであり、「代行入力」は最終的には医師が確認するのが前提の仕組みだからだと思うのです。
例えばリハビリテーション。どんなに、PT(OT・ST)が患者さまの状態に精通していようと、オーダーするのはあくまで医師であり、また、継続するも終了するも、それは医師の判断によります。

ですから、極論ですが、医師が最終確認をしている限り、誰が代行入力しても良いんだと思うのです。

ただし、常識的に、「この職種がこのオーダーをするのはありえないだろ」っていうのは、乱用を防ぐ意味もあり、ミスを防ぐ意味もあり、システムで制限することになろうかと思います。
例えば、「放射線技師が投薬のオーダーを代行する」とか、「検査技師が手術のオーダーを代行する」とか、「現実的にはありえない」ものであれば、可能な限りシステムで制約してしまった方が、使う方も安心ですもんね。

医師事務作業補助体制加算

一方、「医師事務作業補助体制加算」の観点では、ポイントが異なってきます。
保険点数という実利が発生することから、名前だけ「医師事務作業補助者」にして実体がともなわない、ということがないようにいろいろと通知(「医師事務作業補助体制加算について」中医協、医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について(通知)厚生労働省医政局長)があります。
これは、医師事務作業補助者が「他の仕事を(あんまり)しないように」としているのであって、「どの種類の代行入力をしてはいけない」ということを規定しているものではありません。



というわけで、投稿者様がもとよりお考えのように、代行入力業務が所有する資格で制限されることはないと思います。
病院によって状況はさまざまでしょうから、どこまでの業務を医師事務作業補助者が代行するのかは、病院によってまったく異なると思うのです。

(次回に続く)



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