院内教育のIT化を本気で考えるべきではないかと

新型コロナウイルスが世間を賑わせていますが、当院でもかなりナーバスになっております。

連日、臨時の感染制御委員会を開催しており、マスクや手指消毒の徹底はもちろん、面会制限をどこまで厳しくするか、感染が疑われる患者さんが来院した場合の段取りなど、様々なことが議論されています。

職員間の対策としては、「人が集まる」ことを割けるため、大小様々な会議や、取引先との面会などを自粛するよう指示が出ています。

そんな中、4月の新入職員向けのオリエンテーションをどうするかの議論も始まったようです。


院内教育を動画コンテンツにしたら良いのでは

じつは、以前から思っているのですが、講義形式の教育は動画にすれば良いのではないかと。

新人教育のオリエンテーションで話すことは、毎年ほとんど変わらないので、これこそ動画コンテンツにしたら良いのではないかと思うわけです。

売れっ子Youtuberのように凝った編集はしなくても、1回録画すれば毎年使えます。

医療機関は中途採用も多く、動画なら通年で利用できますし。


臨床の教育でも活用できると思います。

私が関わっている”ある”チームでは、「看護師にエコーを有効活用してもおう」ということに取り組んでおり、検査技師が講義をしています。

この講義は少人数なので、対象の看護師全てに行き渡るまで、検査技師は多くの時間を割き、何度も同じ内容を説明しなければなりません。

これを以前から「動画にしたら良いのでは」と思っています。

録画では、「質疑応答」ができない、というデメリットがあります。
これは考えようですが、問題が見つかったら、部分的に修正することによって、どんどんクオリティの高い「教材」になっていくのではないかと。

なぜか当院では、「何かを購入する」ことは、厳しい決裁のプロセスが待っていますが、「人が動く」ことに関しては無頓着で、決裁プロセスがありません。

ですから、看護師がエコーの仕組みを理解したら「良さそう」となったら、費用対効果の検証もなく、なんとなくそれが始まってしまうのです。

あえて「集合」して観る

じつは、当院では「講義を録画しておく」というのは既にやっています。

安全対策や感染制御の施設基準をとっている医療機関では、定期的にテーマに沿った講演会を開催しなければなりません。

で、こうした講演会の「出席率」が、毎年の保健所の立ち入り検査でチェックされるのです。

病院は24時間稼働していますから、どんな時間に講義を行っても、誰かしら現場で働いている職員がいるし、また休みを取っている職員もいます。他にも、家庭の事情で短い時間で働いているパート職員などは、多くの職員が集まりやすい「業務終了後」は病院にいません。
なので、講義の出席率が100%がになることはありえません。

そこで、「本番」の講演を録画しておき、後で観られるようにしておくのです。

ただ、よくわからないのが、その動画をあえて「上映会」にすること。
本番と同じ会場を使って、何度も繰り返し上映します。

保健所から「集合して」という形式を定めているのか、それとも当院の担当者が「出席者をチェックする」ためにあえてそうしているのか。

でも、このやり方では、「上映会」を担当する職員が張り付くので、その分の人件費がかかっています。
また、会場を限定しているので、サテライトの施設の職員もわざわざ病院に来なければなりません。

他の医療機関さんではどうしているのでしょうか。


他の業種では、今回の新型コロナ騒動で、試しにやってみたリモートワークが、以外と問題なく、これを機会に定着しそう、なんていう話も聞きます。

「医療」は労働集約型の業種なので同じようにはできませんが、こんな時だからこそ、新しい発想を試してみたら良いと思います。


コメント

  1. 当院でも「安全対策と感染制御」の全職員対象の勉強会を開催しておりますが、一つの開催に関して5回ほど実施しており、ほぼ100%(500人ほど)となっております。
    そして5回の開催に参加されない方は発表スライドをみて、レポートを出してもらっております。
    自分も講師になる場合もあってか、5回同じ内容をしゃべるのはしんどく思っております。
    (ほぼ100%なので厚生局監査でも指摘をうけることはありませんが、下限はどの程度なのかは気になります。)

    動画もおもしろそうですね。

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    1. 5回の反復というは、正直驚きです。
      そこまでやったら、職員の方もさすがに「出席なければ」と思ういそうです。
      当院では、特に安全対策の方は「ネタ切れ」感があり、似たような内容が周期的に行われるので、参加のモチベーションが低いのです。動画が~、と書きましたが、本当は内容を見直してほしいところです。

      それにしても、「✕5回」は、演者はたまったものではないですね。
      外部講師だったらギャラは5回分?、などと気になってしまいました。

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