一日を丸ごと記録するウェアラブルカメラ - 暴言暴力対策に使えそうな…

暴言暴力と言っても、かよわきシステム管理者(?)に対する話ではありません。
医療現場のお話です。

当院に電子カルテが導入されたことから、「システムの操作ミスが重大な事故につながる」ということで、私も安全対策委員会に呼ばれるようになりました。
現場の意見が聞けてとても参考になるのですが、たまに無理難題を要求されることも…。

さて、安全対策委員会の会議の中でたびたび話題に上るのが、患者さまの「暴言暴力」です。
私のようなバックヤードの人間は、聞いているだけで固まってしまうような痛々しい事例もしばしば。特に、看護師さんと、受付の事務員さんは、本当に気の毒です。

で、「暴言暴力」への対策ですが、

  • 会話を記録する
  • 複数で対応する
  • いざとなったら痛著せず警察を呼ぶ
などが定番でしょうか。


ICレコーダーの採用決定

今日取り上げるのは、対策の中の一つ、「会話を録音しとけ」というもの。
当院では、会話を録音することが重要であると考え、各部署にICレコーダーを配備したのです。

でも、このICレコーダーを具体的にどう使うのかという話を聞いたことがないのです。
素人の私が想像しても、エキサイトしてしまった患者さま(や関係者)を前に、「ICレコーダーをとってくるので、ちょっと待ってください」ってやるとしたら、それこそ勇気がいるのでは…。

アクションカムはどうだろうか

ICレコーダーの話が出てから、頭のスミにあったのが、Goproなどのアクションカムです。ICレコーダーが、撮る(録音する)時にスイッチを入れるのに対し、アクションカムの場合は、「仕掛けて録画する」というもの。
といっても、アクションカムもいくつか理由があって現実的ではありません。
  • 看護師さん視点の録画をするには、モノモノしい「マウント」が必要。
  • バッテリーの持続時間が短い。
  • もともと高価なのに、進化の方向が「より高画質に」なので、新しいモデルが出るたびに高くなる。

ウェアラブルカメラの登場

そんなことを考えていたある日、ネットの記事に目が留まりました。
一日をまるごと記録するウェラブルカメラ新型発表―Narrative Clip 2は199ドルで予約受付中(2015/5/19 TechCrunch Japan)

とても小さなウェアラブルカメラで、コンセプトとしては、積極的に「撮影する」のではなく、装着者の日常を「記録する」ことにあるようです。

残念ながら、メーカーのWebサイトで確認すると、出力フォーマットが「JPEG」のみの記載なので、おそらく、動画や音声の記録はできないのでしょう。

というわけで、暴言暴力の記録という、今回の目的には適していないのですが、

  • コンパクトなサイズ、シンプルで主張しない外観
  • 長時間のバッテリー駆動
  • そこそこの画質
  • Wi-Fiを搭載
という特徴は、従来のアクションカメラとは異なるコンセプトであり、このままの方向で進化してほしいものです。


プライバーはどうなるのか

とはいえ、使用に耐えうる機能が搭載されたとして、実際に医療現場で使用するとなれば、プライバシー問題が取りざたされることは間違いありません。

それでも、監視カメラは至る所で増え続け、コールセンターは「録音」が当たり前になる世の中です。タクシーや運送会社のドライブレコーダーは「ついてない方が問題」です。
患者さまとのやりとりも逐一記録する世の中が来るのかもしれません。


コメント

  1. ボタン型隠しカメラで検索すると目的に適したカメラが出て来ますが
    個人的にはこういったものを職員に装着させることは躊躇しますね

    近頃は問合せの電話や窓口でも録音や録画が普通に行われていますが
    予め録画録音が行われていることを周知した上で行われます

    単純に監視カメラ作動中の旨を窓口に貼って置くだけでも抑止効果は期待できます起きてからの対策ではなく事前に起きないようにする事が大切でないかと・・・

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