デジタルサイネージについて

先日、事務長より、患者様向けのデジタルサイネージの検討するよう指示を受けました。

デジタルサイネージ…といわれて思い出すのは、先日、近所にできた総合スーパー。
いたるところにディスプレイが設置されていて、それが一斉に同じ動画を再生しているから、ものすごいインパクトだった記憶があります。

無線LANによる配信技術や、クラウドでのコンテンツ制作が普及してきて、デジタルサイネージのコストが下がってきたのでしょう、最近は医療機関でも普及しているようです。

先日、見学で訪問した総合病院さんでもかなりの台数をそこかしこに配置されていました。

じつは、当院では10年以上前(私が入職するずっとまえです)から、部分的にデジタルサイネージ(当時はこんな呼び方ありませんが)を導入しており、今回は、掲示板のあまりの散らかりように事務長が耐えかねて、「もう、全部デジタルにできないのか!」と言ったとか、言わないとか…。

さて、デジタルサイネージについての個人的な考えを整理しておきます。あくまでも「当院で導入するなら」の話ですので、ご了承ください。

掲示板が煩雑にならない

患者様に情報を伝える方法としては、掲示板にポスターを貼るというのが一般的だと思われますが、紙のサイズがバラバラだったり、新しいものと年単位で貼っているものがあったり、どうしても煩雑になります。

集中管理できる

医療機関向けのデジタルサイネージのサービスを利用すると、たいていの場合は、専用のコンソールが用意され、コンテンツを集中管理できるようになります。
管理者は、いまどんなコンテンツが配信されているか、一覧することができ、また表示する順番の変更や、停止の操作が可能になります。
当然ですが、紙媒体と異なり、院内に設置されている複数の掲示板を回る必要もありません。

コンテンツ制作のアウトソース

多くのサービスでは、単なる「コンテンツ配信」だけでなく、コンテンツの制作まで含めたサービスを提供しているようです。
医療機関がコンテンツを自前で作るとなればたいへんな負担になります。しかし、多くの医療機関をクライアントに持つデザイナーが制作するとなれば、スピーディに、クオリティの高いコンテンツが制作できます。
例えば、今の時期なら多くの医療機関が「インフルエンザの予防接種は…」というコンテンツを掲載するはずです。

紙を撤廃できるか

コンテンツ制作をアウトソースできれば、管理者の負担はお幅に軽減されます。ただし、それは「紙」の制作が必要なくなる場合です。
例えば、「高齢者がご覧になるので、ディスプレイだけでなく紙も必要」と意見が出てくるのは、想像に難しくありません。
あるいは、「院外にも配りたい」などの要望があるかもしれません。
つまり、全てがデジタル化できないのであれば、費用対効果が若干鈍るということです。

配信のためのインフラ

1施設で1ディスプレイの場合はよいのですが、多くのディスプレイを展開するとなると、どのようにして配信するかという悩みが出てきます。
ディスプレイが近い場所にあれば信号を分配すればよいのですが、距離によってはそれも難しくなります。
この点はまだ調査中なのですが、おそらく有線・無線のLANを使用するならば、この問題は解決できるかもしれません。
ただ、当院では、ディスプレイを設置したい場所にLANが通っておらず、このためにLANを整備するのは、少しもったいない気がしています。



いろいろ書きましたが、多くのメリットが思いつく一方で、やり方によっては思ったとおりにメリットが享受できないのではないかという懸念も。
結論は、「おおむね賛成、でも、その前に整理することがあるのでは」という意見です。

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