DELLのEMC買収で、仮想化ソリューション市場に変化が起きるか

DellがEMCを8兆円で買収、最大の脅威はパブリッククラウド(IT Pro by 日経コンピュータ)

デルがついにEMCの買収計画を発表--VMwareの運命やいかに(ZDNet Japan)

DellによるEMCの買収はかねてから噂されていたようですね。
ネット上には多数の記事がアップされているので、詳細な分析はそちらをご覧ください。

一医療機関のシステム管理者が思うところは、なんといってもVMwareの今後です。

国内では(海外の事情はよく知りません)、仮想化ソリューションと言えばVMware…、まさに「デファクトスタンダード」という感じではないでしょうか。

医療機関でも、このVMwareによる仮想化ソリューションをベースにHISを構築する例を耳にするようになりました。
我々のような、中規模クラスの病院にも、そろそろ本気で仮想化を検討する時期だろうと思っていたところにこのニュースです。

DELLのサーバーソリューションの信頼性

多くの記事が指摘してしているのは、「VMWareの独立性が保てるか」です。
VMwareを導入する際、ハードウェアとしてDELL製品を使用することが、限定されないまでも、そうした方がなんらかのメリットがあるのだろうと想像してしまいます。

すでに書いたとおり、今、仮想化ソリューションを導入することになれば、VMwareはダントツの有力候補なわけで、だとすると、今後「仮想化=DELL」となってしまうのでしょうか。

ところで、DELLのサーバーって、実際のところ、どうなんですかね。
当院が電子カルテを導入するとき、ハードウェアも電子カルテベンダーさんにお願いしました。もちろん、「その方が楽だから」ということは誓ってありません…。数社に相見積もりしたのですが、結果的に電子カルテベンダーさんからの購入が最も安かったのです。
問題はその構成です。クライアントPCはDELLで、サーバーはHP。なぜハードウェアベンターを分けるのか率直に疑問を投げかけたところ、「DELLはコスト的に有利なのですが、トラブルが多いから、サーバーはちょっと…」という話だったのです。

そう言われて導入したHPのサーバー、細かいアラートはたまにありますが、大きなトラブルに見舞われたことは、導入後3年が経過する現在まで1度もありません。
DELLがどうなのか、実際に使っていないのだからなんとも言えませんが、多数のユーザーに導入しているベンダーさんがいうのであれば、そういう目で見てしまいます。

VMware一強が崩れるのか

一方で、仮想化ソリューションの市場が流動化するなら、今回の買収は我々ユーザーにとって明るいニュースになるかもしれません。

何度も書きますが、現在、仮想化ソリューションといえば、ほぼVMware一択なわけで、活発な価格競争が起きているとは言いがたいのではないでしょうか。

正式な見積もりをとったわけではありませんが、IT関連のイベントなどで、VMwaeのかたと話をした感覚では、やはり「高いな」と。もちろん、高い安いは相対的に決まるのでいろいろな意見があると思いますが、私の感覚では、当院の規模では得られるメリットがコストと見合わないかも…と。
サーバーソリューションをビジネスにされている方に聞いても、「(仮想化は)だいぶ技術的に価格的にもこなれてきたけど、もう少しってところかな…」と。

今回の買収で、一強体制の均衡が崩れて、価格競争が起きるなら、それもアリかという気もします。

ただ、DELL+VMwareの競合は、IBMやHPだけでなく、本命はMicrosoftなのかもしれませんし、クラウドを基盤にしたGoogleやamazonなのかもしれません。「競争」といっても単純な構造ではなさそうです。

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